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マスカレードを壊したい
名前変換
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「名前はさ、ブチャラティの事嫌いなのか?」
買い出しも終わり車を止めている駐車場まで着いた時だった。
シンプルで純粋な質問を投げ掛けてきたのは、ベネツィアングラスの様に色鮮やかで透き通った瞳を此方に向けるナランチャだった。
純粋な子供に質問された時に、答えに困る親の気分だわ。
私は予想だにしない質問に声を詰まらせるも、彼を慕っているナランチャの手前笑みを作り口を開く事にした。
「えっと、それは上司としてって事?」
「んー、1人の男としてはぁ?」
「お、男……としてかぁ。…………何でいきなりそんな事聞くの?」
「んー、なんか名前ってブチャラティに対して無理してる気がするんだよね。それが違和感あるっつーか……ま、オレもよくわかんねぇんだけどさぁ!」
自身の髪を弄りつつ難しい顔をしていたが言いたい事の答えが見つからないのか急に笑いだすナランチャの言葉は、私の心を掻き乱すには十分だった。
無理してる……のかな?
私の中の違和感って…。
私は心の中で開きそうになった蓋を押さえ付けて、再度開かない様にしっかりと閉じた時だった。
身体に何かが当たり揺らいだ瞬間、じわっと溢れ出しその箇所が熱くなったと同時に次第に鋭い痛みへと変わっていった。
自身の身体の異変に私は振り向くと、見知らぬ1人の少女が寄り添っていた。
「名前!!おい!てっめぇ、ふざけやがって!」
「お父さんを!お母さんを返してよっ、この人殺し!!」
私からナランチャが大声を出して引き剥がすと、目の前で鮮血が滴り落ち大粒の涙を溢し泣き叫ぶ少女が刃物を震える手で握っていた。
ああ……この子は私だ。
視界には少女と重なる様にして幼い私が泣いていた。
その憎しみが宿る瞳には殺しへの恐怖が入り交じり身体はガタガタと震えている。
私は刺された傷口を手で押さえるも、すぐその手も真っ赤な血で染まっていくのがわかった。
だが、怯むこと無くゆっくりとナランチャが押さえつける少女へ歩み寄った。
その姿を目にした事で益々恐怖が襲ったのだろう、少女の顔からは血の気が引き真っ青でもう抵抗する事も無い。
「ごめんなさい、貴方にこんな事をさせてしまって……。辛かったよね。」
私は膝を着き少女の目線に合わせてからゆっくりと言葉を紡いで、掴み掛かるナランチャを見上げて脂汗を滲ませながら微笑み掛ける。
ナランチャは私の表情で察したのか、手を離すと少女は慌てて駆け出し姿を眩ました。
「名前!!」
「ごめ……ありがとね、ナランチャ。」
「バカ…、良かったのかよ。」
「これで良いんだよ…幸い、人通りが少ない場所だったし。ッ…、ごめんね、ちょっと休憩させて?」
「とりあえず車に乗ろう!飛ばすから耐えるんだぜ!?」
立ち上がった瞬間にぐらりと歪んだ視界に、私はナランチャに捕まり身体を預けながら苦笑すれば車内まで勇気づけつつ運んでくれた。
ナランチャは言葉通りかなりの速度で車を走らせて行く。
その為に身体は後ろに揺らぎいつもは気にならない振動は、今では傷口を刃物で突く様な痛みに変わり必死に耐えながらアジトに着くのを祈って待つ。
時間の感覚がわからない中で、虚ろな思考の私の名を必死に呼ぶ声が聞こえる。
車から抱き抱える男性の存在を感じつつ、柔らかいベットへ横にさせられた事しかわからなかった。
じんわりと、刺された場所は優しい温かさに包まれた時だった。
痛みは不思議と引いていき徐々に末端から身体全体の寒さも無くなり、視界も夢から覚める時の様に微睡みから澄み切っていく。
「名前……!!」
「ブチャラ…ティ。」
「名前…名前……!」
目の前の彼は酷く顔を歪めていて、乾いた喉で名前を絞り出せば怪我人だいうのにお構い無しに引き寄せ抱き締められた。
ただ強い力で抱き締められているというのに痛みは感じず、私は刺された場所に手を伸ばし確かめるとやはり全く痛みは無い。
そんな事をぼんやりとする思考の中で考えていた時だった。
「ぼくのスタンド能力です。言ってませんでしたね……ちょっと肌に触れさせてもらいました。」
「ジョルノ……。そう、本当にありがとう。貴方の能力は素晴らしいわね。」
突然投げ掛けられた方向へ視線を向けると、安心した様に微笑むジョルノがすぐ傍に座っていた。
なるほど……だから皆一番若手の彼に一目置いているんだわ。
私は納得しながら微笑み返して軽く頭を下げて感謝を表すも、ジョルノは苦笑しながら肩を竦めて見せる。
「いいえ、あなたの力になれて嬉しいです。…………ただ、こんなに見せられちゃうとぼくでも目のやり場に困ってしまいますけど。」
その言葉に漸く、彼が私の肩に顔を埋めて抱き締めている状況をハッキリと理解して飛び上がった。
「ブ、ブチャラティ!!いい加減離れてよ!」
「嫌だね…名前はオレを殺す気だろ。」
「何言って…。」
「刺されたおまえを見て、本当に心臓が止まるかと思った……。何故だ、おまえなら避ける事が出来た筈だろっ…。」
彼の言葉は的確に的を得ていて、やはりファミリーを束ねる事はある。
図星を刺された私は彼から逃れる事を忘れて、今にも泣き出しそうな表情に変わりやり場の無い気持ちが喉まで出掛かっていた。
なんで貴方って私の事、何でもわかっちゃうのよ…。
「そんな事…ない……貴方に関係無いじゃない。」
「いい加減にしろ。名前、……オレをこれ以上怒らせるな。」
「私はっ…。」
彼の瞳は怒りからその視線ですら私を攻撃できてしまいそうな程に、冷ややかで貫いて真実を見透かす様だ。
「殺されても仕方ないもの……私はそれだけ殺してきたんだから。」
私の声は静寂を切り裂き彼に言葉を投げ掛けた。
be continued
買い出しも終わり車を止めている駐車場まで着いた時だった。
シンプルで純粋な質問を投げ掛けてきたのは、ベネツィアングラスの様に色鮮やかで透き通った瞳を此方に向けるナランチャだった。
純粋な子供に質問された時に、答えに困る親の気分だわ。
私は予想だにしない質問に声を詰まらせるも、彼を慕っているナランチャの手前笑みを作り口を開く事にした。
「えっと、それは上司としてって事?」
「んー、1人の男としてはぁ?」
「お、男……としてかぁ。…………何でいきなりそんな事聞くの?」
「んー、なんか名前ってブチャラティに対して無理してる気がするんだよね。それが違和感あるっつーか……ま、オレもよくわかんねぇんだけどさぁ!」
自身の髪を弄りつつ難しい顔をしていたが言いたい事の答えが見つからないのか急に笑いだすナランチャの言葉は、私の心を掻き乱すには十分だった。
無理してる……のかな?
私の中の違和感って…。
私は心の中で開きそうになった蓋を押さえ付けて、再度開かない様にしっかりと閉じた時だった。
身体に何かが当たり揺らいだ瞬間、じわっと溢れ出しその箇所が熱くなったと同時に次第に鋭い痛みへと変わっていった。
自身の身体の異変に私は振り向くと、見知らぬ1人の少女が寄り添っていた。
「名前!!おい!てっめぇ、ふざけやがって!」
「お父さんを!お母さんを返してよっ、この人殺し!!」
私からナランチャが大声を出して引き剥がすと、目の前で鮮血が滴り落ち大粒の涙を溢し泣き叫ぶ少女が刃物を震える手で握っていた。
ああ……この子は私だ。
視界には少女と重なる様にして幼い私が泣いていた。
その憎しみが宿る瞳には殺しへの恐怖が入り交じり身体はガタガタと震えている。
私は刺された傷口を手で押さえるも、すぐその手も真っ赤な血で染まっていくのがわかった。
だが、怯むこと無くゆっくりとナランチャが押さえつける少女へ歩み寄った。
その姿を目にした事で益々恐怖が襲ったのだろう、少女の顔からは血の気が引き真っ青でもう抵抗する事も無い。
「ごめんなさい、貴方にこんな事をさせてしまって……。辛かったよね。」
私は膝を着き少女の目線に合わせてからゆっくりと言葉を紡いで、掴み掛かるナランチャを見上げて脂汗を滲ませながら微笑み掛ける。
ナランチャは私の表情で察したのか、手を離すと少女は慌てて駆け出し姿を眩ました。
「名前!!」
「ごめ……ありがとね、ナランチャ。」
「バカ…、良かったのかよ。」
「これで良いんだよ…幸い、人通りが少ない場所だったし。ッ…、ごめんね、ちょっと休憩させて?」
「とりあえず車に乗ろう!飛ばすから耐えるんだぜ!?」
立ち上がった瞬間にぐらりと歪んだ視界に、私はナランチャに捕まり身体を預けながら苦笑すれば車内まで勇気づけつつ運んでくれた。
ナランチャは言葉通りかなりの速度で車を走らせて行く。
その為に身体は後ろに揺らぎいつもは気にならない振動は、今では傷口を刃物で突く様な痛みに変わり必死に耐えながらアジトに着くのを祈って待つ。
時間の感覚がわからない中で、虚ろな思考の私の名を必死に呼ぶ声が聞こえる。
車から抱き抱える男性の存在を感じつつ、柔らかいベットへ横にさせられた事しかわからなかった。
じんわりと、刺された場所は優しい温かさに包まれた時だった。
痛みは不思議と引いていき徐々に末端から身体全体の寒さも無くなり、視界も夢から覚める時の様に微睡みから澄み切っていく。
「名前……!!」
「ブチャラ…ティ。」
「名前…名前……!」
目の前の彼は酷く顔を歪めていて、乾いた喉で名前を絞り出せば怪我人だいうのにお構い無しに引き寄せ抱き締められた。
ただ強い力で抱き締められているというのに痛みは感じず、私は刺された場所に手を伸ばし確かめるとやはり全く痛みは無い。
そんな事をぼんやりとする思考の中で考えていた時だった。
「ぼくのスタンド能力です。言ってませんでしたね……ちょっと肌に触れさせてもらいました。」
「ジョルノ……。そう、本当にありがとう。貴方の能力は素晴らしいわね。」
突然投げ掛けられた方向へ視線を向けると、安心した様に微笑むジョルノがすぐ傍に座っていた。
なるほど……だから皆一番若手の彼に一目置いているんだわ。
私は納得しながら微笑み返して軽く頭を下げて感謝を表すも、ジョルノは苦笑しながら肩を竦めて見せる。
「いいえ、あなたの力になれて嬉しいです。…………ただ、こんなに見せられちゃうとぼくでも目のやり場に困ってしまいますけど。」
その言葉に漸く、彼が私の肩に顔を埋めて抱き締めている状況をハッキリと理解して飛び上がった。
「ブ、ブチャラティ!!いい加減離れてよ!」
「嫌だね…名前はオレを殺す気だろ。」
「何言って…。」
「刺されたおまえを見て、本当に心臓が止まるかと思った……。何故だ、おまえなら避ける事が出来た筈だろっ…。」
彼の言葉は的確に的を得ていて、やはりファミリーを束ねる事はある。
図星を刺された私は彼から逃れる事を忘れて、今にも泣き出しそうな表情に変わりやり場の無い気持ちが喉まで出掛かっていた。
なんで貴方って私の事、何でもわかっちゃうのよ…。
「そんな事…ない……貴方に関係無いじゃない。」
「いい加減にしろ。名前、……オレをこれ以上怒らせるな。」
「私はっ…。」
彼の瞳は怒りからその視線ですら私を攻撃できてしまいそうな程に、冷ややかで貫いて真実を見透かす様だ。
「殺されても仕方ないもの……私はそれだけ殺してきたんだから。」
私の声は静寂を切り裂き彼に言葉を投げ掛けた。
be continued