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giorni felici
名前変換
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「ん……あれ?」
カーテンから射し込む光が顔を照らすと、あまりの眩しさに顔をしかめて小さく唸り声を漏らす。それからゆっくりと瞼を開けぼんやりと寝室の白い天井を見上げた。
しかし突然ズキズキっとワインの飲み過ぎからか、頭に鈍い痛みが走り顔をしかめる。うう…。一体どうしたんだっけ?
「昨日はブチャラティさんと…………、ブチャラティ!?」
確認する様に記憶の糸を辿りつつ言葉で紡ぎながら昨日の事を思い出すと、勢いよく起き上がり自身が今ベットの上だと理解した後に次いで慌てて服を着ているかも確認する。
いつも愛用しているサーモンピンクのパジャマは、一番上までボタンがしっかりと付けられていた。
「良かったぁ、裸じゃない……。あれ、でもどうやってパジャマに着替えたっけ?」
1つの疑問は残るが、裸じゃない事に万が一の非常事態は避けられたと安堵した。それからベットから降りると冷たい床の感触を足の裏で感じつつ、ゆっくりと寝室の扉を開けリビングを見渡して彼の姿を探した。
昨日2人で食べたり飲んだりした食器などもテーブルの上にも無く、その代わりに1枚の紙が置いてある事に目が止まった。
おはよう。いい夢は見れたか?
昨日はすまなかった……キミを傷つけてしまったのが心苦しくて仕方がない。キミさえ良ければ、またこんなオレと一緒に過ごしてくれないか?
もう1度天使の様な愛しい寝顔を、オレだけに見せてほしい。今日はゆっくり休んで、名前。
ブローノ
彼の線が細くて綺麗な字で綴られた手紙を読めば、自身を気遣う言葉の数々にじわりと胸が熱くなった。
昨日の口づけを拒んだ自身に後悔もあるが、ずっと見つめるだけの私には知る事が出来なかった感情。それがこんなにも苦しい物だとは思わなかった。
「恋ってこんなにも辛いものだったかしら…。」
「こんなにも焦れったいものなのか?」
同時刻、ブチャラティはテラス席の向かい側に座るフーゴに質問を投げ掛ける。フーゴは目の前にある注文した赤く熟れた苺のケーキに容赦無くフォークを刺しながら、目線だけをチラリと真面目な顔をしているオレに向けた。
「いきなり貴方から呼び出してくるから、どんな話しかと思ったら…。一体何があったんです?」
「オレはしたいと思ったからキスしようとした。そしたら、拒まれた…。」
「ブッ……!」
彼らしからぬ発言にケーキは詰まりそうになり、フーゴは胸を必死に叩きながら一緒に注文した香りのよい紅茶を勢いよく飲み干した。
「はあっはあっ……、あ、貴方ともあろう人が?珍しい事もあるんですね…。」
「うるさいぞ、フーゴ。……言っとくが今まで拒まれた事なんか無い。」
「そうでしょうね!貴方はかっこいい!」
フーゴは少し不機嫌そうに話す彼に対して、ダンッと音を立ててフォークをテーブルに突き刺し断言する。今この瞬間でさえ、カフェに居る女性や通りすぎる女性さえもブチャラティを見つめている。女性達の浮わついた表情で解る。彼は人を惹き付ける魅力があるのだ。仕事も出来て容姿はもちろん、雰囲気すらもかっこいい。
自慢の上司を拒否をする女性が居るなんて信じられないとばかりに、フーゴは不思議でしか無く首を傾げた。
「理由は何か解らないんですか?」
「ああ……、"他の女性と一緒になりたくない"と泣かれてしまったんだ。他の女性と同じ扱いした訳じゃあないんだが。」
正直、今まで事がスムーズに運んでいた為に、恋愛絡みではこんなにも頭を抱えた事など無かった。オレは重い溜め息を吐きながら、気怠げにテーブルに肘を着く。
「他の女性…。」
なるほど、そう言う事か…。きっと彼女は特別になりたいだけだ。彼は女性にはどんな容姿の子ですら優しく接するし、恋人は作らず身体だけの関係が多いからな……。
察しが付いたフーゴは女心の解らないブチャラティに、思わず笑みを浮かべてテーブルに突き刺さっていたフォークで今度こそ苺の乗ったままケーキを頬張った。
「しかし、貴方から恋愛絡みの相談をされる日が来るなんて……面白い事もありますね。」
「恋愛?」
「そうでしょう?貴方がそこまで1人の女性に対して悩むなんて……。それが"好き"って感情ですよ。」
やれやれと苦笑しながら話す自身よりも年下の部下からの指摘に、オレは今までの女性関係を思い返す。『付き合って』と言われれば付き合うが、自分から連絡を取った事など無かったし身体だけなら尚更それっきりが多い。
話すきっかけを自分で作ったのも。
昨日名前の名前を聞いた時の感情も。
何故自身からキスしたいと思ったのか……。
あの感情は…。
「なるほどな…。オレは守らなきゃいけない物が多すぎる。」
「貴方の元で共に守りますよ、この街も。」
「頼もしいな。ただ、名前だけはオレが守り抜く。……もちろん、おまえ達もな。」
答えに辿り着けば靄が晴れた様に清々しい気分になった。ああ、今すごく彼女に会いたい。
この状況に満足げに足を組み笑みを浮かべるオレの最後の言葉に、安堵したフーゴは年相応の可愛らしい笑みを浮かべていた。
be continued
カーテンから射し込む光が顔を照らすと、あまりの眩しさに顔をしかめて小さく唸り声を漏らす。それからゆっくりと瞼を開けぼんやりと寝室の白い天井を見上げた。
しかし突然ズキズキっとワインの飲み過ぎからか、頭に鈍い痛みが走り顔をしかめる。うう…。一体どうしたんだっけ?
「昨日はブチャラティさんと…………、ブチャラティ!?」
確認する様に記憶の糸を辿りつつ言葉で紡ぎながら昨日の事を思い出すと、勢いよく起き上がり自身が今ベットの上だと理解した後に次いで慌てて服を着ているかも確認する。
いつも愛用しているサーモンピンクのパジャマは、一番上までボタンがしっかりと付けられていた。
「良かったぁ、裸じゃない……。あれ、でもどうやってパジャマに着替えたっけ?」
1つの疑問は残るが、裸じゃない事に万が一の非常事態は避けられたと安堵した。それからベットから降りると冷たい床の感触を足の裏で感じつつ、ゆっくりと寝室の扉を開けリビングを見渡して彼の姿を探した。
昨日2人で食べたり飲んだりした食器などもテーブルの上にも無く、その代わりに1枚の紙が置いてある事に目が止まった。
おはよう。いい夢は見れたか?
昨日はすまなかった……キミを傷つけてしまったのが心苦しくて仕方がない。キミさえ良ければ、またこんなオレと一緒に過ごしてくれないか?
もう1度天使の様な愛しい寝顔を、オレだけに見せてほしい。今日はゆっくり休んで、名前。
ブローノ
彼の線が細くて綺麗な字で綴られた手紙を読めば、自身を気遣う言葉の数々にじわりと胸が熱くなった。
昨日の口づけを拒んだ自身に後悔もあるが、ずっと見つめるだけの私には知る事が出来なかった感情。それがこんなにも苦しい物だとは思わなかった。
「恋ってこんなにも辛いものだったかしら…。」
「こんなにも焦れったいものなのか?」
同時刻、ブチャラティはテラス席の向かい側に座るフーゴに質問を投げ掛ける。フーゴは目の前にある注文した赤く熟れた苺のケーキに容赦無くフォークを刺しながら、目線だけをチラリと真面目な顔をしているオレに向けた。
「いきなり貴方から呼び出してくるから、どんな話しかと思ったら…。一体何があったんです?」
「オレはしたいと思ったからキスしようとした。そしたら、拒まれた…。」
「ブッ……!」
彼らしからぬ発言にケーキは詰まりそうになり、フーゴは胸を必死に叩きながら一緒に注文した香りのよい紅茶を勢いよく飲み干した。
「はあっはあっ……、あ、貴方ともあろう人が?珍しい事もあるんですね…。」
「うるさいぞ、フーゴ。……言っとくが今まで拒まれた事なんか無い。」
「そうでしょうね!貴方はかっこいい!」
フーゴは少し不機嫌そうに話す彼に対して、ダンッと音を立ててフォークをテーブルに突き刺し断言する。今この瞬間でさえ、カフェに居る女性や通りすぎる女性さえもブチャラティを見つめている。女性達の浮わついた表情で解る。彼は人を惹き付ける魅力があるのだ。仕事も出来て容姿はもちろん、雰囲気すらもかっこいい。
自慢の上司を拒否をする女性が居るなんて信じられないとばかりに、フーゴは不思議でしか無く首を傾げた。
「理由は何か解らないんですか?」
「ああ……、"他の女性と一緒になりたくない"と泣かれてしまったんだ。他の女性と同じ扱いした訳じゃあないんだが。」
正直、今まで事がスムーズに運んでいた為に、恋愛絡みではこんなにも頭を抱えた事など無かった。オレは重い溜め息を吐きながら、気怠げにテーブルに肘を着く。
「他の女性…。」
なるほど、そう言う事か…。きっと彼女は特別になりたいだけだ。彼は女性にはどんな容姿の子ですら優しく接するし、恋人は作らず身体だけの関係が多いからな……。
察しが付いたフーゴは女心の解らないブチャラティに、思わず笑みを浮かべてテーブルに突き刺さっていたフォークで今度こそ苺の乗ったままケーキを頬張った。
「しかし、貴方から恋愛絡みの相談をされる日が来るなんて……面白い事もありますね。」
「恋愛?」
「そうでしょう?貴方がそこまで1人の女性に対して悩むなんて……。それが"好き"って感情ですよ。」
やれやれと苦笑しながら話す自身よりも年下の部下からの指摘に、オレは今までの女性関係を思い返す。『付き合って』と言われれば付き合うが、自分から連絡を取った事など無かったし身体だけなら尚更それっきりが多い。
話すきっかけを自分で作ったのも。
昨日名前の名前を聞いた時の感情も。
何故自身からキスしたいと思ったのか……。
あの感情は…。
「なるほどな…。オレは守らなきゃいけない物が多すぎる。」
「貴方の元で共に守りますよ、この街も。」
「頼もしいな。ただ、名前だけはオレが守り抜く。……もちろん、おまえ達もな。」
答えに辿り着けば靄が晴れた様に清々しい気分になった。ああ、今すごく彼女に会いたい。
この状況に満足げに足を組み笑みを浮かべるオレの最後の言葉に、安堵したフーゴは年相応の可愛らしい笑みを浮かべていた。
be continued