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シークレットな勉強会
名前変換
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いつからだっただろうか。
あんなに遠くまで鮮明に映し出した世界は、徐々にぼやけてしまい気付いた時には見えなくなっていた。そして中学の頃からは近くの文字も、階段の段差も判別出来ない程になったので最終的にメガネを作った。
名前にとっては恋愛は視力と同じだ。
よく人から体験を聞くと、日の光を反射する水面の様にキラキラと輝き、数秒数分でも大好きな人に会いたい。それは例え片想いであってもだそうだ。でも名前には男性を見ても全て同じ。胸が高鳴る事も、一緒に居たいと言う気持ちも理解出来ず、形の無いぼんやりとしたモノ。
だからこそ、実に興味深いわね。
ずっと答えの無いモノだから、追及したくなるのだ。それ故に今の彼氏に声を掛けて貰った時は不謹慎だが"チャンス"だと思った。
初めて手を繋ぎ、抱き合い、キスをしてセックスをする。今まで勉強してこなかったモノばかりで興味を持ったが、どれも名前を夢中には出来なかったのだ。
それは"恋愛"とは違うから?
彼の事が好きなのかも解らない。
相手に失礼だと思うが、触れられている肌からは彼からも愛は伝わってこないのだから同じだとも思う。だからこそ愛してみたいと、愛されたいと思うのか。1人で考える程、頭がこんがらがりそうな複雑な方式や哲学みたいだ。だが、どんなに難しい数式でも辿り着く答えは1つ。
きっと解る筈…その特別な相手が私の目の前に現れれば。
* ** ***
「キミは"実践"の、言葉の意味が理解出来ない女じゃあないだろ?」
静寂が2人の間に生まれていたが、やはりブチャラティにはこの問い掛けしか浮かんでこなかった。自分でも厄介な性格だと思う。放っておけばいいものを、昔から自分で足を突っ込んでしまう。助けて、救ってやれるなら、力になってやりたいと思うのだ。
今だって一瞬考えるのを放棄したが、黙っている間も此方を曇りの無い純粋な眼差しで見つめる名前を無視する事は出来なかった。
きっとこの場を凌げても、頭からは離れてくれないんだろ?
名前はブチャラティの真っ直ぐな最終確認にしっかりと頷いて見せた。ここで「やっぱり無し」とはならないよなと、妙に納得しつつブチャラティは立ち上がると彼女の隣へと腰掛ける。いくら個室とは言え、距離を詰めた方がより小声で話せるしな。
さて、一応確認しておくか。
「因みに、オレに触られるのは…嫌じゃないのか?」
「ブチャラティに…ですか?」
"実践する"と言う事は、口だけではないのだ。説明だけではなく、身を持って体験をさせるには、この手で肌に触れなくてはならない。根本的な事だが、好きでもない男に教える為とは言え触れられるのは嫌な女性が多いのではないだろうか。だから被害を訴える女性が多いのだ。
「ふふっ、平気じゃなかったらお願いなんて自分からしないですよ。ブチャラティってやっぱり真面目ですね。」
だが、ブチャラティの質問に対してクスクスと口元を押さえて名前が笑うものだから拍子抜けしてしまった。オレが変なのか?いやいや、オレは普通な意見を言っただけだろ。
「キミは大切な部下であり女性なんだ。大切にするのは当たり前だろう。」
「……私、ブチャラティって何故女性に人気なのか解らなかったんです。顔がいいのは認めますが、デリカシーが無い所もありますし。正直汗を舐めるのはちょっと…。」
「おい、名前。」
「最後まで聞いて下さい。ちょっとずつ解ってききたんです。貴方と仕事以外の時間に話すのはまだ2回目ですけど……こんな私の無理な相談を親身に聞いてくれる。ブチャラティって人に心から寄り添える、優しくて誠実な人なんですね。」
思わず言葉を挟もうとしたが、彼女の言う通り最後まで聞くと胸の奥へとまるで飛ばした紙飛行機が宙を舞い草原へ着地する様に。無防備な心のど真ん中へとストンと言葉が届いたのが解った。その言葉はじんわりと胸に広がり、次いで瞳に映る柔らかい笑み認識すればきゅっと締め付けられる感覚が追う。
思い返せば、今まで女性にここまで素直に人柄を褒められた事などなかった。ギャングで街を守っているからか、女性達の目には華やかに見えるのか、隣に置くとステータスだと思っている様な女性が多かった。
だからだ…褒める言葉に気持ちが乗らなねぇから、熱くなるどころか冷めてっちまう。アバッキオとミスタは「セックスできんだし、いいじゃねーか!」などと言うがオレはそこまで割り切れない。
こうして話していくと、徐々に砕けていく名前の笑った表情が見れて、きっかけはどうあれ良いモノだ。ブチャラティは可愛らしく笑う彼女を見つめているうちに、自然と肩へと腕を回してその華奢な肩を抱いて自身へと寄せていた。
しまった…。オレは何をやってるんだ…。
身体が密着したと同時に、我に返ると自身の行動にバクバクと胸が速打ち焦りが募った。本能で"抱き寄せたい"と思ったのだ。
ブチャラティが今の様に考えるよりも身体が勝手に動いてしまった事など無かったので、このままどうしようかと脳内で必死に次の行動と言い訳を考えていると頬に触れた柔らかい髪が揺れるモノだから目を細めた。
「……なんだか久しぶりです。」
「久しぶり?…このくらい彼氏とするだろ?」
「お恥ずかしながら、セックスを拒否してからは全然無いです。」
そんな事があるのだろうか。拒否されて触れるのが怖いと言う事なのか?…だが、好きならこうやって身を寄せるくらいするだろう。
男の心理を読み解こうとも思ったが、野暮な事はしない方がいいとも思った。何故なら、これ以上私情に深く関わると名前の事を知りたくなってしまうのではないかとブチャラティは躊躇したのだ。
いいか、今はシチュエーションの事に専念するんだろ?
ブチャラティはそう半ば言い聞かせる様にして、この肩を抱く手を利用して甘い雰囲気を作る事へと意識を反らす事にした。名前はどう触れたら心が揺れ動くのだろうか。
「ブチャラティ?」
改めてジッと彼女を覗き込むと、長い睫毛が上を向きブチャラティを捕らえた瞳は少女の様に汚れていない綺麗な色をしている。メガネのレンズでこの瞳が霞んでしまうのは勿体無い気さえした。
「じゃあ、その分もオレと触れていこう。」
片方の手で名前の膝の上に置かれたままの指の間、1本1本へと自身の指をゆっくりと割り入れて絡めていく。それは心同士を寄り添わす様に。そのまま手を持ち上げて絡めた指を解いて開くと小さな掌が重なり、見つめたままの彼女の耳へと唇を寄せた。
するとこれでもかと言うくらい甘い香りが広がり、ブチャラティは眩みそうな自然な色香に目を細めた。香水よりも柔らかい、これは彼女そのものの香りなのか。気を抜けばスタンドの様に出てきそうな理性をゴクッと喉を鳴らして飲み込んだ。
「手…広げて。そう…。いい子だ。」
「ブチャラティの手…大きいですね。」
「キミの手は小さいな。…この手で、これから色んなキミを知っていくんだ。名前、触ってもいい?」
「は…はい。」
声に出してゆっくりと確認して、ブチャラティは名前へと自覚させていく。確認させると、人はどうしても些細な仕草や行動でも意識せざるを得ない。
繊細な花弁を散らさない様に、柔らかい手付きで指先から股の間をなぞって触れていく。それがくすぐったいのか、ピクッと小さくブチャラティの腕の中で名前は震える。そしていつも冷静を装っている彼女の瞳が僅かに揺らぎ口角がピンと張り動揺を感じた。
さあ、この先どうやってその表情を崩してみようか。
ブチャラティの中でふつふつと小さな火種が燻り、冷静さが名前への欲情と言う煙で霞んでいった。
be continued
あんなに遠くまで鮮明に映し出した世界は、徐々にぼやけてしまい気付いた時には見えなくなっていた。そして中学の頃からは近くの文字も、階段の段差も判別出来ない程になったので最終的にメガネを作った。
名前にとっては恋愛は視力と同じだ。
よく人から体験を聞くと、日の光を反射する水面の様にキラキラと輝き、数秒数分でも大好きな人に会いたい。それは例え片想いであってもだそうだ。でも名前には男性を見ても全て同じ。胸が高鳴る事も、一緒に居たいと言う気持ちも理解出来ず、形の無いぼんやりとしたモノ。
だからこそ、実に興味深いわね。
ずっと答えの無いモノだから、追及したくなるのだ。それ故に今の彼氏に声を掛けて貰った時は不謹慎だが"チャンス"だと思った。
初めて手を繋ぎ、抱き合い、キスをしてセックスをする。今まで勉強してこなかったモノばかりで興味を持ったが、どれも名前を夢中には出来なかったのだ。
それは"恋愛"とは違うから?
彼の事が好きなのかも解らない。
相手に失礼だと思うが、触れられている肌からは彼からも愛は伝わってこないのだから同じだとも思う。だからこそ愛してみたいと、愛されたいと思うのか。1人で考える程、頭がこんがらがりそうな複雑な方式や哲学みたいだ。だが、どんなに難しい数式でも辿り着く答えは1つ。
きっと解る筈…その特別な相手が私の目の前に現れれば。
* ** ***
「キミは"実践"の、言葉の意味が理解出来ない女じゃあないだろ?」
静寂が2人の間に生まれていたが、やはりブチャラティにはこの問い掛けしか浮かんでこなかった。自分でも厄介な性格だと思う。放っておけばいいものを、昔から自分で足を突っ込んでしまう。助けて、救ってやれるなら、力になってやりたいと思うのだ。
今だって一瞬考えるのを放棄したが、黙っている間も此方を曇りの無い純粋な眼差しで見つめる名前を無視する事は出来なかった。
きっとこの場を凌げても、頭からは離れてくれないんだろ?
名前はブチャラティの真っ直ぐな最終確認にしっかりと頷いて見せた。ここで「やっぱり無し」とはならないよなと、妙に納得しつつブチャラティは立ち上がると彼女の隣へと腰掛ける。いくら個室とは言え、距離を詰めた方がより小声で話せるしな。
さて、一応確認しておくか。
「因みに、オレに触られるのは…嫌じゃないのか?」
「ブチャラティに…ですか?」
"実践する"と言う事は、口だけではないのだ。説明だけではなく、身を持って体験をさせるには、この手で肌に触れなくてはならない。根本的な事だが、好きでもない男に教える為とは言え触れられるのは嫌な女性が多いのではないだろうか。だから被害を訴える女性が多いのだ。
「ふふっ、平気じゃなかったらお願いなんて自分からしないですよ。ブチャラティってやっぱり真面目ですね。」
だが、ブチャラティの質問に対してクスクスと口元を押さえて名前が笑うものだから拍子抜けしてしまった。オレが変なのか?いやいや、オレは普通な意見を言っただけだろ。
「キミは大切な部下であり女性なんだ。大切にするのは当たり前だろう。」
「……私、ブチャラティって何故女性に人気なのか解らなかったんです。顔がいいのは認めますが、デリカシーが無い所もありますし。正直汗を舐めるのはちょっと…。」
「おい、名前。」
「最後まで聞いて下さい。ちょっとずつ解ってききたんです。貴方と仕事以外の時間に話すのはまだ2回目ですけど……こんな私の無理な相談を親身に聞いてくれる。ブチャラティって人に心から寄り添える、優しくて誠実な人なんですね。」
思わず言葉を挟もうとしたが、彼女の言う通り最後まで聞くと胸の奥へとまるで飛ばした紙飛行機が宙を舞い草原へ着地する様に。無防備な心のど真ん中へとストンと言葉が届いたのが解った。その言葉はじんわりと胸に広がり、次いで瞳に映る柔らかい笑み認識すればきゅっと締め付けられる感覚が追う。
思い返せば、今まで女性にここまで素直に人柄を褒められた事などなかった。ギャングで街を守っているからか、女性達の目には華やかに見えるのか、隣に置くとステータスだと思っている様な女性が多かった。
だからだ…褒める言葉に気持ちが乗らなねぇから、熱くなるどころか冷めてっちまう。アバッキオとミスタは「セックスできんだし、いいじゃねーか!」などと言うがオレはそこまで割り切れない。
こうして話していくと、徐々に砕けていく名前の笑った表情が見れて、きっかけはどうあれ良いモノだ。ブチャラティは可愛らしく笑う彼女を見つめているうちに、自然と肩へと腕を回してその華奢な肩を抱いて自身へと寄せていた。
しまった…。オレは何をやってるんだ…。
身体が密着したと同時に、我に返ると自身の行動にバクバクと胸が速打ち焦りが募った。本能で"抱き寄せたい"と思ったのだ。
ブチャラティが今の様に考えるよりも身体が勝手に動いてしまった事など無かったので、このままどうしようかと脳内で必死に次の行動と言い訳を考えていると頬に触れた柔らかい髪が揺れるモノだから目を細めた。
「……なんだか久しぶりです。」
「久しぶり?…このくらい彼氏とするだろ?」
「お恥ずかしながら、セックスを拒否してからは全然無いです。」
そんな事があるのだろうか。拒否されて触れるのが怖いと言う事なのか?…だが、好きならこうやって身を寄せるくらいするだろう。
男の心理を読み解こうとも思ったが、野暮な事はしない方がいいとも思った。何故なら、これ以上私情に深く関わると名前の事を知りたくなってしまうのではないかとブチャラティは躊躇したのだ。
いいか、今はシチュエーションの事に専念するんだろ?
ブチャラティはそう半ば言い聞かせる様にして、この肩を抱く手を利用して甘い雰囲気を作る事へと意識を反らす事にした。名前はどう触れたら心が揺れ動くのだろうか。
「ブチャラティ?」
改めてジッと彼女を覗き込むと、長い睫毛が上を向きブチャラティを捕らえた瞳は少女の様に汚れていない綺麗な色をしている。メガネのレンズでこの瞳が霞んでしまうのは勿体無い気さえした。
「じゃあ、その分もオレと触れていこう。」
片方の手で名前の膝の上に置かれたままの指の間、1本1本へと自身の指をゆっくりと割り入れて絡めていく。それは心同士を寄り添わす様に。そのまま手を持ち上げて絡めた指を解いて開くと小さな掌が重なり、見つめたままの彼女の耳へと唇を寄せた。
するとこれでもかと言うくらい甘い香りが広がり、ブチャラティは眩みそうな自然な色香に目を細めた。香水よりも柔らかい、これは彼女そのものの香りなのか。気を抜けばスタンドの様に出てきそうな理性をゴクッと喉を鳴らして飲み込んだ。
「手…広げて。そう…。いい子だ。」
「ブチャラティの手…大きいですね。」
「キミの手は小さいな。…この手で、これから色んなキミを知っていくんだ。名前、触ってもいい?」
「は…はい。」
声に出してゆっくりと確認して、ブチャラティは名前へと自覚させていく。確認させると、人はどうしても些細な仕草や行動でも意識せざるを得ない。
繊細な花弁を散らさない様に、柔らかい手付きで指先から股の間をなぞって触れていく。それがくすぐったいのか、ピクッと小さくブチャラティの腕の中で名前は震える。そしていつも冷静を装っている彼女の瞳が僅かに揺らぎ口角がピンと張り動揺を感じた。
さあ、この先どうやってその表情を崩してみようか。
ブチャラティの中でふつふつと小さな火種が燻り、冷静さが名前への欲情と言う煙で霞んでいった。
be continued