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シークレットな勉強会
名前変換
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「ブチャラティ…私、不感症かも知れません。」
[不感症]性的な刺激に対して、快感が少ないか、まったく快感を覚えないこと。
まるで分厚い辞書で引いたかの様に、聞いた瞬間に脳内で出された言葉の意味。
一体彼女は何を打ち明けているのだろうか。
いきなり酒の席で此方を1点に見つめながら言う彼女に、ブチャラティは意表を突かれた。
名前は部下の中でも一際真面目で、事務仕事も完璧にこなす。仕事を与えれば早く情報を集めてくるし計画的でしっかりしている為、残業もせずに時間内に終わらせる。
ギャングじゃなかったら、どこかのお偉い社長の秘書にでもなっている口だ。
その彼女がだ。初めて口にした性的な発言は冗談なんかでは無いだろう。
ブチャラティは手にしていたワインを一気に飲み干すと、定員に強めの酒を頼んだ。
珍しく緊張しているのが自身でも解る。それ程口内が乾くのだ。
「名前、キミの言う"不感症"と言うのは……性的な行為をした時の事を指すのか?」
女性に対しては言葉を選ぶのが難しい。アバッキオならば懐に入り上手く言葉に出来るのだろうが、彼は部下を束ねる上司なのだ。
セクハラとも捕らわれる話題に、ブチャラティは慎重に話を進め様と決意した。
「……ブチャラティが言いたいのは、セックスの時って事ですよね?」
「ッ……!!」
しかし名前はサラッとブチャラティの気も知らないで、合えて隠していた名称を顔色変えずに述べる。
他の誰が言うよりも攻撃力のある単語に変わった事によって、ブチャラティは言葉を失ってしまった。柄にもなく頬が熱い。
ほらな、飲まないとこっちの身が持たない。
ブチャラティは調度定員が持ってきたショットグラスのリモンチェッロを、奪い取る様にして飲み干した。
さすがにそんな上司を初めて見た名前は、カウンター席の隣に座るブチャラティの顔を覗き込んだ。
「ブチャラティ、そんなに飲んで大丈夫ですか?」
「あ、ああ……続けてくれ。」
「そうですか…。えっと、セックス時に1度も気持ちいいと思った事が無いんです。寧ろ1人でした方が気持ちいいとすら。……私って変でしょうか?」
まるで恋愛相談をする様に不安げに語り出す彼女を、ブチャラティは戸惑いつつただ黙って見続けていた。
クラシックな丸い金縁のメガネを掛ける真面目な名前が、あの名前の唇から"セックス"や"1人でした"等と言う不釣り合いな単語。
それが逆に悪い事をしている、ブチャラティの中でジュクジュクと果実が熟れて行く様に興奮へと変わっていく。
ゴクッと喉を鳴らして息を飲むと、此方を見つめる名前の瞳は揺れて信頼しているブチャラティに向けられている。
彼女は本当に悩んでいるのだ。
「いや…変では無いんじゃあないか?身体の相性もあるだろうし。……名前は真面目すぎるんだ。あんまり深く考えると、余計に感じにくくなると聞いた事がある。」
「ああ、なるほど。だから最近濡れにくかったんですね!」
「濡れっ……。」
思わず想像してしまいそうになった自身の膝を軽くつねり、痛みで気を紛らわそうとした。
ブチャラティは女性に対してこんなに翻弄された事など無かった。
頭を抱えながら横目でグラスを傾ける名前へと視線を向けると、日本人特有の綺麗な黒髪にメガネとナチュラルな化粧。地味な見た目だが大きな瞳に女性らしい曲線美が目を引く女性だ。
イタリア人には新鮮に感じる、一体どんな女性なのかと知りたくなる、そんな魅力を持った女性が名前だ。
ブチャラティの中で部下を"女性"とあまり意識しない様、対等に接してきたモノが呆気なく崩れ落ちていきそうになる。
困ったな……こういう時はどうする?
ブチャラティは再度深く息を吐いて、敢えて自身が任務中と言う設定に頭を切り替える事にした。
そうだ、今は任務中だ。オレはこの女を上手くあしらわなくては。
何度も心の中で呪文を唱える様に復唱してから、名前へ向き直ると必死に何かを考えているのか眉を寄せている。まるで難題を前にした学生だ。
「因みにその彼氏とはいつから付き合って、今みたいに……感じなくなったと思ったんだ?」
「えっと、半年前に付き合い始めて……セックスは3回目の時です。」
「じゃあそんなにしていないんだから、これからじゃあ無いのか?こういうのは、お互い良い所を探していくモノだろう。」
「ですが、その……気持ちよくないので、私から拒否する様になってしまって。ブチャラティみたいに彼も気遣って、お互いに探し合えたら良いんでしょうけど。」
問い掛けに答えながら最後には苦笑する名前の手がいつの間にかブチャラティの手の上に添えられていた。
あまりにも自然な流れで触れていたので、ブチャラティの指先はピクッと跳ねた。
そのままお互いが見つめ合う状況に陥ると、名前のメガネのレンズの奥をもっと見たいと思ってしまいブチャラティは素に戻っていた。
「もっと色々……教えて貰えないですか?ブチャラティは教えるの上手ですので、信頼できます。」
「おいおい、オレはキミの教師じゃあないんだぜ?」
「いえ、セックスに対しては私より経験豊富ですから先生です。」
「豊富って…。」
待て、これは不味い事になってないか?
上司として部下の面倒をここまで見る必要があるのだろうか。否、無いに決まってる。
しかし、ブチャラティは言葉が見つからないでいた。
なぜなら、彼自身も悩んでいるからだ。
「……ブチャラティ?」
「いいか、毎週金曜日だ。」
「え?」
「金曜日なら付き合ってやる。」
「あ、ありがとうございます!」
沈黙を切り裂く様な、鋭い低い声で淡々と話すブチャラティに対して、今まで見た事無い様な輝いた瞳で笑う名前に可愛いとすら感情を抱いてしまった。
くそっ……言える訳無いだろ。
苦笑しながら名前が料理を注文する姿を見つめて、合間に盗み見る様にして自身の張り詰めるズボンへと視線を移す。
こうして性に悩みを持つ男女が奇妙な約束をしてしまったのだった。
be continued
[不感症]性的な刺激に対して、快感が少ないか、まったく快感を覚えないこと。
まるで分厚い辞書で引いたかの様に、聞いた瞬間に脳内で出された言葉の意味。
一体彼女は何を打ち明けているのだろうか。
いきなり酒の席で此方を1点に見つめながら言う彼女に、ブチャラティは意表を突かれた。
名前は部下の中でも一際真面目で、事務仕事も完璧にこなす。仕事を与えれば早く情報を集めてくるし計画的でしっかりしている為、残業もせずに時間内に終わらせる。
ギャングじゃなかったら、どこかのお偉い社長の秘書にでもなっている口だ。
その彼女がだ。初めて口にした性的な発言は冗談なんかでは無いだろう。
ブチャラティは手にしていたワインを一気に飲み干すと、定員に強めの酒を頼んだ。
珍しく緊張しているのが自身でも解る。それ程口内が乾くのだ。
「名前、キミの言う"不感症"と言うのは……性的な行為をした時の事を指すのか?」
女性に対しては言葉を選ぶのが難しい。アバッキオならば懐に入り上手く言葉に出来るのだろうが、彼は部下を束ねる上司なのだ。
セクハラとも捕らわれる話題に、ブチャラティは慎重に話を進め様と決意した。
「……ブチャラティが言いたいのは、セックスの時って事ですよね?」
「ッ……!!」
しかし名前はサラッとブチャラティの気も知らないで、合えて隠していた名称を顔色変えずに述べる。
他の誰が言うよりも攻撃力のある単語に変わった事によって、ブチャラティは言葉を失ってしまった。柄にもなく頬が熱い。
ほらな、飲まないとこっちの身が持たない。
ブチャラティは調度定員が持ってきたショットグラスのリモンチェッロを、奪い取る様にして飲み干した。
さすがにそんな上司を初めて見た名前は、カウンター席の隣に座るブチャラティの顔を覗き込んだ。
「ブチャラティ、そんなに飲んで大丈夫ですか?」
「あ、ああ……続けてくれ。」
「そうですか…。えっと、セックス時に1度も気持ちいいと思った事が無いんです。寧ろ1人でした方が気持ちいいとすら。……私って変でしょうか?」
まるで恋愛相談をする様に不安げに語り出す彼女を、ブチャラティは戸惑いつつただ黙って見続けていた。
クラシックな丸い金縁のメガネを掛ける真面目な名前が、あの名前の唇から"セックス"や"1人でした"等と言う不釣り合いな単語。
それが逆に悪い事をしている、ブチャラティの中でジュクジュクと果実が熟れて行く様に興奮へと変わっていく。
ゴクッと喉を鳴らして息を飲むと、此方を見つめる名前の瞳は揺れて信頼しているブチャラティに向けられている。
彼女は本当に悩んでいるのだ。
「いや…変では無いんじゃあないか?身体の相性もあるだろうし。……名前は真面目すぎるんだ。あんまり深く考えると、余計に感じにくくなると聞いた事がある。」
「ああ、なるほど。だから最近濡れにくかったんですね!」
「濡れっ……。」
思わず想像してしまいそうになった自身の膝を軽くつねり、痛みで気を紛らわそうとした。
ブチャラティは女性に対してこんなに翻弄された事など無かった。
頭を抱えながら横目でグラスを傾ける名前へと視線を向けると、日本人特有の綺麗な黒髪にメガネとナチュラルな化粧。地味な見た目だが大きな瞳に女性らしい曲線美が目を引く女性だ。
イタリア人には新鮮に感じる、一体どんな女性なのかと知りたくなる、そんな魅力を持った女性が名前だ。
ブチャラティの中で部下を"女性"とあまり意識しない様、対等に接してきたモノが呆気なく崩れ落ちていきそうになる。
困ったな……こういう時はどうする?
ブチャラティは再度深く息を吐いて、敢えて自身が任務中と言う設定に頭を切り替える事にした。
そうだ、今は任務中だ。オレはこの女を上手くあしらわなくては。
何度も心の中で呪文を唱える様に復唱してから、名前へ向き直ると必死に何かを考えているのか眉を寄せている。まるで難題を前にした学生だ。
「因みにその彼氏とはいつから付き合って、今みたいに……感じなくなったと思ったんだ?」
「えっと、半年前に付き合い始めて……セックスは3回目の時です。」
「じゃあそんなにしていないんだから、これからじゃあ無いのか?こういうのは、お互い良い所を探していくモノだろう。」
「ですが、その……気持ちよくないので、私から拒否する様になってしまって。ブチャラティみたいに彼も気遣って、お互いに探し合えたら良いんでしょうけど。」
問い掛けに答えながら最後には苦笑する名前の手がいつの間にかブチャラティの手の上に添えられていた。
あまりにも自然な流れで触れていたので、ブチャラティの指先はピクッと跳ねた。
そのままお互いが見つめ合う状況に陥ると、名前のメガネのレンズの奥をもっと見たいと思ってしまいブチャラティは素に戻っていた。
「もっと色々……教えて貰えないですか?ブチャラティは教えるの上手ですので、信頼できます。」
「おいおい、オレはキミの教師じゃあないんだぜ?」
「いえ、セックスに対しては私より経験豊富ですから先生です。」
「豊富って…。」
待て、これは不味い事になってないか?
上司として部下の面倒をここまで見る必要があるのだろうか。否、無いに決まってる。
しかし、ブチャラティは言葉が見つからないでいた。
なぜなら、彼自身も悩んでいるからだ。
「……ブチャラティ?」
「いいか、毎週金曜日だ。」
「え?」
「金曜日なら付き合ってやる。」
「あ、ありがとうございます!」
沈黙を切り裂く様な、鋭い低い声で淡々と話すブチャラティに対して、今まで見た事無い様な輝いた瞳で笑う名前に可愛いとすら感情を抱いてしまった。
くそっ……言える訳無いだろ。
苦笑しながら名前が料理を注文する姿を見つめて、合間に盗み見る様にして自身の張り詰めるズボンへと視線を移す。
こうして性に悩みを持つ男女が奇妙な約束をしてしまったのだった。
be continued
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