たしかなことは
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あなたのことが知りたくて──よく飲んでるワインを飲んでみたけど、全然良さがわからなくて、たばこを咥えてみても、ただむせ返るばかり──
そんな時、ふと目に入ったもの──それは、アジトのソファーの背もたれにかけられっぱなしのあなたの上着。
私はそれを手にすると、おもむろに袖に腕を通してみた。
ふわりと鼻をくすぐる微かな香りに、思わず袖にすり寄った──その時だ。
「おい、何やってんだ……?」
「えっ!?」
振り返ると、そこにいたのはもちろん、上着の持ち主──プロシュート。
私はそのまま固まってしまう。変な汗がどっと溢れた。この状況下だ。もう言い逃れはできない。
「何やってんだって聞いてんだよ?」
「えっ、その、あの……」
たじろぐ私を横目に見ながら、フッと鼻で笑われる。
「──オメーもよォ、案外可愛いとこあんだな……」
ニヒルに微笑まれて、思わず顔が赤らむ。可愛いだなんて、言われるとは思ってもみなかったから。
一方で、どうあがいても言い逃れできない状況に、ただ目を泳がせる。
そうこうしていると、プロシュートの気配が近づくのがわかった。
「な、何?」
「そんなもんに擦り寄らなくてもよォ、本人が、今ここにいるじゃあねーか。だったら、ここにくりゃあいいだろ?」
そう言われた時には、抱きすくめられていた。
「ほれ……どうだ? そんな服よかよっぽど──」
“感じるだろ?”と、耳元で囁かれる。
このままでは心臓がもたないと、思わず突き放して、一歩後ろに距離を測った。
「ちょっと、やめてよ! ……からかわないで! これは、違うの!」
「あ? 何が違うんだ? おまえ……俺のこと好きなんだろ?」
そう言われてしまうと言葉が出てこない。すると、再びプロシュートが近づいてきたから、どうしようもなく後すざる。しかし、すでに壁際に追いやられてしまった。
「ねぇ、こんなことして面白い?」
「あぁ? オメーが逃げるからだろ?」
「そんなの、分かってよ……ホント、穴があったら入りたいよ……普通引くでしょう? 自分の服着て、あんなことされてたら──」
視線を思い切り下に落とす。当然、プロシュートの顔なんて、まともに見られるはずがない。
「こっち、見ろよ」
「……やだ」
「いいから、顔上げろって!」
「嫌だってば! ……いっそのこと、笑ってくれたらよかったのに……」
もう泣きそうだった。そう思った時、プロシュートの匂いが色濃くなったのは、再び抱きしめられたから。
「本当、わかってねーな、おまえ……」
軽くため息づきながら、そう言った後にゆっくりと口付けられる。思わず目を見開くも、早く瞑れと言われてるような気がして、ゆっくり瞳を閉じた。その後、リップ音を立てて唇が離れると同時に、余韻から目覚めるように目を開けた。
「え……どういうこと……?」
突然の口付けに、もう頭がついていかなかった。ただ首をかしげることしかできない私に、プロシュートがゆっくりと語りかける。
「引くかよ? むしろ、どうしてくれようかと思ったぜ。この感情をよォ……」
「え……」
「可愛くて仕方ねぇなって──それだけじゃあなくて、今すぐにでも抱きしめてやりてぇなって……そう思っちまった。まぁ、すぐに行動に移してたがなァ」
そう言って向けられた笑顔に、胸の奥がぎゅっと掴まれてしまう。
「──私、あなたのことが好き」
思わず口走ってしまった言葉に“知ってる”と返され“俺もだ”と告げられたけど、それはどこまでが本心で、どこまでが遊び心なのかはわからない。
けれど、たしかなこと──それは、今はただ、その気持ちに甘えたくなった私がいる、ということだ。
そんな時、ふと目に入ったもの──それは、アジトのソファーの背もたれにかけられっぱなしのあなたの上着。
私はそれを手にすると、おもむろに袖に腕を通してみた。
ふわりと鼻をくすぐる微かな香りに、思わず袖にすり寄った──その時だ。
「おい、何やってんだ……?」
「えっ!?」
振り返ると、そこにいたのはもちろん、上着の持ち主──プロシュート。
私はそのまま固まってしまう。変な汗がどっと溢れた。この状況下だ。もう言い逃れはできない。
「何やってんだって聞いてんだよ?」
「えっ、その、あの……」
たじろぐ私を横目に見ながら、フッと鼻で笑われる。
「──オメーもよォ、案外可愛いとこあんだな……」
ニヒルに微笑まれて、思わず顔が赤らむ。可愛いだなんて、言われるとは思ってもみなかったから。
一方で、どうあがいても言い逃れできない状況に、ただ目を泳がせる。
そうこうしていると、プロシュートの気配が近づくのがわかった。
「な、何?」
「そんなもんに擦り寄らなくてもよォ、本人が、今ここにいるじゃあねーか。だったら、ここにくりゃあいいだろ?」
そう言われた時には、抱きすくめられていた。
「ほれ……どうだ? そんな服よかよっぽど──」
“感じるだろ?”と、耳元で囁かれる。
このままでは心臓がもたないと、思わず突き放して、一歩後ろに距離を測った。
「ちょっと、やめてよ! ……からかわないで! これは、違うの!」
「あ? 何が違うんだ? おまえ……俺のこと好きなんだろ?」
そう言われてしまうと言葉が出てこない。すると、再びプロシュートが近づいてきたから、どうしようもなく後すざる。しかし、すでに壁際に追いやられてしまった。
「ねぇ、こんなことして面白い?」
「あぁ? オメーが逃げるからだろ?」
「そんなの、分かってよ……ホント、穴があったら入りたいよ……普通引くでしょう? 自分の服着て、あんなことされてたら──」
視線を思い切り下に落とす。当然、プロシュートの顔なんて、まともに見られるはずがない。
「こっち、見ろよ」
「……やだ」
「いいから、顔上げろって!」
「嫌だってば! ……いっそのこと、笑ってくれたらよかったのに……」
もう泣きそうだった。そう思った時、プロシュートの匂いが色濃くなったのは、再び抱きしめられたから。
「本当、わかってねーな、おまえ……」
軽くため息づきながら、そう言った後にゆっくりと口付けられる。思わず目を見開くも、早く瞑れと言われてるような気がして、ゆっくり瞳を閉じた。その後、リップ音を立てて唇が離れると同時に、余韻から目覚めるように目を開けた。
「え……どういうこと……?」
突然の口付けに、もう頭がついていかなかった。ただ首をかしげることしかできない私に、プロシュートがゆっくりと語りかける。
「引くかよ? むしろ、どうしてくれようかと思ったぜ。この感情をよォ……」
「え……」
「可愛くて仕方ねぇなって──それだけじゃあなくて、今すぐにでも抱きしめてやりてぇなって……そう思っちまった。まぁ、すぐに行動に移してたがなァ」
そう言って向けられた笑顔に、胸の奥がぎゅっと掴まれてしまう。
「──私、あなたのことが好き」
思わず口走ってしまった言葉に“知ってる”と返され“俺もだ”と告げられたけど、それはどこまでが本心で、どこまでが遊び心なのかはわからない。
けれど、たしかなこと──それは、今はただ、その気持ちに甘えたくなった私がいる、ということだ。
the END