シアワセ
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今日は晴天のお散歩日和──
そこで、久し振りにやってきたのは動物園だ。
「うわー! あっちの方にキリンさんいるよ!」
「本当だ! あっ、シマウマさんもいるー、早く行こ!」
「おい、オメーら! 走るんじゃあねーぞ! それに、あんまりはしゃぎ過ぎんなよなァ……すぐにずっこけんだからよォ……」
そう言いながら、子供たち二人の背中を慌てて追いかけるあなたの姿に、私は自然と顔が 綻 ぶ。
あなたとこんなふうに家庭をもつなんて──あの頃はそんなこと、 露 ほども思わなかった。まったく……人生ってものは、何が起こるか本当にわからないものだ。
キリンとシマウマの飼育小屋の前で、子供らと並ぶあなたの隣へとやってきた私は、ふと、隣にあるあなたの手に触れてみた。すると、少し驚いたようにして、あなたが目を丸くするから、私はわざと、その手をぎゅっと握ってみせる。
「……おい、なんだよ急に?」
「だって、最近手を繋ぐのは、子供らとばかり……たまには私とも繋いでよ?」
でも、後になって自分で言ったことが、少しばかり照れくさくなってしまったから、すぐさまその手を離してしまう。すると、即座にぎゅっと、再び手を繋ぎ返された。
「オメーの手は、相変わらず冷てぇな……やっぱり俺がこうして暖めてやらねーとな」
「……」
「いや、悪かったな……ただ、照れくさくなっちまってた」
不意に見上げた横顔が、少し赤らんで映る。普段のあなたからしたら、少しばかり珍しいその表情に、思わず“可愛い”だなんて思ったことは、秘密にしておこうと思う。
その時、子供らの声が聞こえてきた。
「あ〜! パードレとマードレが手を繋いでる〜!」
「本当だ〜! 仲良しだね〜!」
言われた私たちは、思わず目を見合わせて微笑んだ。
「ハンッ、当たりめーだろ? 愛してるからなァ?」
そう言って、おもむろに頬に口付けてきたから、思わず両手で押し退けた。
「おい、何照れてんだよ……?」
「うるさいな……公衆の面前でこんなことするのはやめてよ! しかも、子供らの前だし……」
「いいじゃあねーかよ、たまにはよォ」
「もう……」
そう言って、再び私たちは手を繋ぎ合った。
「私も手を繋ぎたい〜」
「僕も〜」
「あぁ、分かったよ」
そう言って、並んで歩くひと時に、これからもこんな日々をあなたたちと共に積み重ねていきたいと、心からそう思った。
そこで、久し振りにやってきたのは動物園だ。
「うわー! あっちの方にキリンさんいるよ!」
「本当だ! あっ、シマウマさんもいるー、早く行こ!」
「おい、オメーら! 走るんじゃあねーぞ! それに、あんまりはしゃぎ過ぎんなよなァ……すぐにずっこけんだからよォ……」
そう言いながら、子供たち二人の背中を慌てて追いかけるあなたの姿に、私は自然と顔が
あなたとこんなふうに家庭をもつなんて──あの頃はそんなこと、
キリンとシマウマの飼育小屋の前で、子供らと並ぶあなたの隣へとやってきた私は、ふと、隣にあるあなたの手に触れてみた。すると、少し驚いたようにして、あなたが目を丸くするから、私はわざと、その手をぎゅっと握ってみせる。
「……おい、なんだよ急に?」
「だって、最近手を繋ぐのは、子供らとばかり……たまには私とも繋いでよ?」
でも、後になって自分で言ったことが、少しばかり照れくさくなってしまったから、すぐさまその手を離してしまう。すると、即座にぎゅっと、再び手を繋ぎ返された。
「オメーの手は、相変わらず冷てぇな……やっぱり俺がこうして暖めてやらねーとな」
「……」
「いや、悪かったな……ただ、照れくさくなっちまってた」
不意に見上げた横顔が、少し赤らんで映る。普段のあなたからしたら、少しばかり珍しいその表情に、思わず“可愛い”だなんて思ったことは、秘密にしておこうと思う。
その時、子供らの声が聞こえてきた。
「あ〜! パードレとマードレが手を繋いでる〜!」
「本当だ〜! 仲良しだね〜!」
言われた私たちは、思わず目を見合わせて微笑んだ。
「ハンッ、当たりめーだろ? 愛してるからなァ?」
そう言って、おもむろに頬に口付けてきたから、思わず両手で押し退けた。
「おい、何照れてんだよ……?」
「うるさいな……公衆の面前でこんなことするのはやめてよ! しかも、子供らの前だし……」
「いいじゃあねーかよ、たまにはよォ」
「もう……」
そう言って、再び私たちは手を繋ぎ合った。
「私も手を繋ぎたい〜」
「僕も〜」
「あぁ、分かったよ」
そう言って、並んで歩くひと時に、これからもこんな日々をあなたたちと共に積み重ねていきたいと、心からそう思った。
the END