Make A Wish
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今日は“La notte di San Lorenzo”
だが、俺にはそんなもん必要ない。願いなんざ、自らの手で叶えるもの。星に願ったところで、叶うはずもねーと、そう思っていた。
ところが俺は、今、星空の見える高台で夏の夜空を見上げている。
「綺麗だね〜、今日、本当晴れて良かったね!」
俺の隣でアイツが語りかけてくる。目はだいぶ慣れてきたが、あたりはぼんやりと薄暗いから、その表情ははっきりとはわからない。でも、その声色からは、目を輝かせながら、星が流れるのを待っていることだろう。
「あっ……!」
アイツが声を上げて夜空を指差す。すると、星のカケラが一つ流れるのが目に映る。そんなのはほんの一瞬──それでも、アイツは瞳を閉じて手を合わせた。
熱心に何を願っているのか──俺は星空そっちのけでアイツの横顔を見つめる。そして、あらぬ思いが頭に浮かぶ。目を瞑っているのならと、そっと距離を詰め──リップ音を立てて唇が離れる。
思わずしてしまった口付けに、アイツがパッと目を見開く。
そして当然のごとく、目の前の俺と視線がぶつかる。
「え……、プロシュート、今──」
「なァ……今夜、星にかけた願いってのはよォ、必ず叶うんだろ? オメーはいったい何を願ったんだ……?」
俺の問いかけに、アイツが口籠る。なにか、人に言えないような願いでもしたのかと、冗談まじりに思っていると、ポツリとアイツが呟いた。
「もう……叶っちゃった」
「あ? もう叶っただァ? それはさすがに早くねーか?」
「だって、私……プロシュートにキスしてほしいって……そう願ったから……だから──」
アイツが俺の手に触れて、ギュッと指先を掴んでくるから、俺はその手を引きながら、アイツを胸に抱き寄せた。
「じゃあ、俺の願いも叶ったな……」
「えっ……プロシュートは、何を願ったの?」
胸元から、アイツが俺を見上げている。何かを期待されているかのような眼差しに、ちょっと視線を外して答える。
「俺は……オメーの心を俺の物に……なんてなァ……」
言い慣れているはずの口説き文句が、この時ばかりは少し照れ臭かった。
さっきまではただの仲間──でも、想いを打ち明けちまったからには、もうただの仲間には戻れない──
言われたアイツは“なに、それ?”と、言いながら、俺の胸元に顔を伏せてくるから、きっと頬を赤く染めていることだろう。
***
今日は“La notte di San Lorenzo”
夏の夜空の下で、願い事をしよう──俺は再び空を見上げる。
そんな今日も、まったくもって捨てたもんじゃあないと、都合よく思ってしまう星降りの星月夜だ。
だが、俺にはそんなもん必要ない。願いなんざ、自らの手で叶えるもの。星に願ったところで、叶うはずもねーと、そう思っていた。
ところが俺は、今、星空の見える高台で夏の夜空を見上げている。
「綺麗だね〜、今日、本当晴れて良かったね!」
俺の隣でアイツが語りかけてくる。目はだいぶ慣れてきたが、あたりはぼんやりと薄暗いから、その表情ははっきりとはわからない。でも、その声色からは、目を輝かせながら、星が流れるのを待っていることだろう。
「あっ……!」
アイツが声を上げて夜空を指差す。すると、星のカケラが一つ流れるのが目に映る。そんなのはほんの一瞬──それでも、アイツは瞳を閉じて手を合わせた。
熱心に何を願っているのか──俺は星空そっちのけでアイツの横顔を見つめる。そして、あらぬ思いが頭に浮かぶ。目を瞑っているのならと、そっと距離を詰め──リップ音を立てて唇が離れる。
思わずしてしまった口付けに、アイツがパッと目を見開く。
そして当然のごとく、目の前の俺と視線がぶつかる。
「え……、プロシュート、今──」
「なァ……今夜、星にかけた願いってのはよォ、必ず叶うんだろ? オメーはいったい何を願ったんだ……?」
俺の問いかけに、アイツが口籠る。なにか、人に言えないような願いでもしたのかと、冗談まじりに思っていると、ポツリとアイツが呟いた。
「もう……叶っちゃった」
「あ? もう叶っただァ? それはさすがに早くねーか?」
「だって、私……プロシュートにキスしてほしいって……そう願ったから……だから──」
アイツが俺の手に触れて、ギュッと指先を掴んでくるから、俺はその手を引きながら、アイツを胸に抱き寄せた。
「じゃあ、俺の願いも叶ったな……」
「えっ……プロシュートは、何を願ったの?」
胸元から、アイツが俺を見上げている。何かを期待されているかのような眼差しに、ちょっと視線を外して答える。
「俺は……オメーの心を俺の物に……なんてなァ……」
言い慣れているはずの口説き文句が、この時ばかりは少し照れ臭かった。
さっきまではただの仲間──でも、想いを打ち明けちまったからには、もうただの仲間には戻れない──
言われたアイツは“なに、それ?”と、言いながら、俺の胸元に顔を伏せてくるから、きっと頬を赤く染めていることだろう。
***
今日は“La notte di San Lorenzo”
夏の夜空の下で、願い事をしよう──俺は再び空を見上げる。
そんな今日も、まったくもって捨てたもんじゃあないと、都合よく思ってしまう星降りの星月夜だ。
the END