名前を呼ぶよ
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その瞳を、その声を、その手の温もりを──
今でもなお忘れることはできないから、今もまだ、私はあなただけの物──
***
「ねぇ──」
「……なんだ?」
「名前を呼んで……?」
「名前……?」
「そう、私の名をちゃんと呼んで? “おい”とか“お前”とか“アイツ”じゃあなくて、私の本当の名前を呼んでよ──」
「あぁ、わかった。そしたら、来いよ? 迷わず俺のところに──」
「えぇ、会いにいくわ」
「キアラ」
名前を呼ばれて振り向く私に、あなたが手を差し伸べる。
「来いよ──」
普段見せない甘いその表情を、今だけ私のものにできるのなら、そのラファエルの瞳に映し出して欲しい──淡く溶けそうなこの想いを──
「ねぇ……キスして」
私がそう甘えると、鼻で笑いながら頬に手を添える。
「Ti adoro……」
愛の言葉を添えて、ゆっくりと歯列をなぞり、糸を引きながら舌を絡ませる。
それは次第に深くなり、指と指の間を絡ませながら、重心をかけられたなら──全身があなた色に染められていく──
「ねぇ──」
こっちを向いて、また微笑みかけてよ──
もう一度私に触れて汚して……もう白には戻れないように──
今はただ失った心のカケラを埋めるように、キスを煽り身体を求めさまようのは、あの日からずっと、あなたの面影を求めている私の空虚な心だけだ。
今でもなお忘れることはできないから、今もまだ、私はあなただけの物──
***
「ねぇ──」
「……なんだ?」
「名前を呼んで……?」
「名前……?」
「そう、私の名をちゃんと呼んで? “おい”とか“お前”とか“アイツ”じゃあなくて、私の本当の名前を呼んでよ──」
「あぁ、わかった。そしたら、来いよ? 迷わず俺のところに──」
「えぇ、会いにいくわ」
「キアラ」
名前を呼ばれて振り向く私に、あなたが手を差し伸べる。
「来いよ──」
普段見せない甘いその表情を、今だけ私のものにできるのなら、そのラファエルの瞳に映し出して欲しい──淡く溶けそうなこの想いを──
「ねぇ……キスして」
私がそう甘えると、鼻で笑いながら頬に手を添える。
「Ti adoro……」
愛の言葉を添えて、ゆっくりと歯列をなぞり、糸を引きながら舌を絡ませる。
それは次第に深くなり、指と指の間を絡ませながら、重心をかけられたなら──全身があなた色に染められていく──
「ねぇ──」
こっちを向いて、また微笑みかけてよ──
もう一度私に触れて汚して……もう白には戻れないように──
今はただ失った心のカケラを埋めるように、キスを煽り身体を求めさまようのは、あの日からずっと、あなたの面影を求めている私の空虚な心だけだ。
the END