Hand In Hand
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アジトでキアラとすれ違う──
「──!」
一瞬香るのは、甘いシャンプーの香りだ。思わず後を引かれるように、アイツの背中を視線で追う。
「おいおい、どーした、その腑抜けた顔はよォ?」
せせら笑いを浮かべるホルマジオを尻目に、俺の心は穏やかじゃあなかった。それは、髪から同じ香りを漂わせている相手と今朝会っていたから。文字通り、俺はホルマジオと共にある任務を請け負う為に呼び出されていた。そこには新しいボスの側近──いわゆる“幹部”も同席していたのだが──その中の1人……そいつが漂わせてした匂いと同じだった。間違いなく──
俺は思わず、キアラに問いかけた。
「おい──」
俺の声に振り向いたアイツは、ニコリとしながら首を傾げている。
「オメー、昨日──」
そこまで言って、俺は言葉を飲み込んだ。なんて野暮な事を聞こうとしちまったのかと、自分でも呆れてしまう。
「いや、何でもね──」
言われてキアラは、不思議そうにしながらも、再び前を向き行ってしまった。
全くカッコ悪ィったらねーよなァ……だが、それだけ気になっている……いや、好きになっちまっていることなのか? と、天井を仰ぎ見るも、まだ何も始まっちゃあいないのによォと、思わずため息をこぼしてしまう。そして残るは失恋の香りだ。
「──!」
一瞬香るのは、甘いシャンプーの香りだ。思わず後を引かれるように、アイツの背中を視線で追う。
「おいおい、どーした、その腑抜けた顔はよォ?」
せせら笑いを浮かべるホルマジオを尻目に、俺の心は穏やかじゃあなかった。それは、髪から同じ香りを漂わせている相手と今朝会っていたから。文字通り、俺はホルマジオと共にある任務を請け負う為に呼び出されていた。そこには新しいボスの側近──いわゆる“幹部”も同席していたのだが──その中の1人……そいつが漂わせてした匂いと同じだった。間違いなく──
俺は思わず、キアラに問いかけた。
「おい──」
俺の声に振り向いたアイツは、ニコリとしながら首を傾げている。
「オメー、昨日──」
そこまで言って、俺は言葉を飲み込んだ。なんて野暮な事を聞こうとしちまったのかと、自分でも呆れてしまう。
「いや、何でもね──」
言われてキアラは、不思議そうにしながらも、再び前を向き行ってしまった。
全くカッコ悪ィったらねーよなァ……だが、それだけ気になっている……いや、好きになっちまっていることなのか? と、天井を仰ぎ見るも、まだ何も始まっちゃあいないのによォと、思わずため息をこぼしてしまう。そして残るは失恋の香りだ。
the END