イノセントワールド
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アジトのソファー、傍に座るプロシュートにふと目を向ける。
長いまつげに高い鼻──思わず見惚れてしまいそうになるくらい、本当に整った顔立ちだなと、そう思っていると、私の視線に気付いたのか──プロシュートと目が合ってしまった。
「あ、なんだよ?」
「別に〜、ただ、ホント顔だけは良いなぁって思って──」
「顔だけって……なんだその棘のある言い方はよォ」
棘のある言い方……確かにそう、その自覚はあった。いつもそうだ。プロシュートには突っかかる様な物言いをしてしまう。
「その容姿で甘い言葉を囁かれたら、どんな女でも落ちちゃうんでしょうね」
そう言って私は顔を背けた。だって、そんな言葉は私には届かないから。そう思っていたのに──
「なんだ、オメー、もしかしてヤキモチかよ?」
“ヤキモチ”──私は思わず動きを止める。
「は? そんなわけないでしょう?」
「そう言うと思ったぜ……でもよォ、もしオメーがヤキモチを焼くくらい、俺を独占したいと望むならよォ……俺はオメーだけのもんになってやってもいいんだぜ…?」
そう言って視線を差し向けるプロシュートに、私は心臓の高鳴りを悟られないよう冷たく質問を返す。
「私だけなものって……どう言うこと?」
「そうだなァ……今後、この目に映すのはオメーだけ……この手が触れるのも、愛を囁くのも、オメーただ1人だけだって事だ。そう……この唇に触れるのだってなァ──」
そう言ったプロシュートが私の顎に手を添えて、徐々に気配が近くなっていく。
後少しで唇が触れそうになったその時、声がかかる。
「おいおい、そう言うのはよォ、他でやれよ!」
ハッと、目が覚める思いがした。気付くのが遅かった。そう言えばここはアジト。真横には鏡──映るのはもちろんイルーゾォだ。
2人して思わず固まってしまうも、時すでに遅し……続け様にお決まりの台詞を吐かれた。
「お前ら……デキてんだろ?」
「デキてるわけないでしょう!?」
否定するセリフと共に、プロシュートと距離を取ろうとしたその時、グッと後頭部抑えつけられて口付けられてしまう。
いきなりの事に頭が真っ白になりつつもイルーゾォの手前、私は思い切りプロシュートを突き放した。
「ちょっと、いきなり何すんの!? もう、最低!」
そう吐き捨てて、思わずアジトを飛び出した。
***
やっちまった──と思った。
アイツが出て行った後、ガラリとしたアジトで、俺はため息を一つこぼし、タバコに火を付ける。
その傍らで呆れているのはイルーゾォだ。
「おいおい、見せつけてくれるじゃあねーか、まったくよォ」
「あ? こっぴどく振られたさまをかよ……?」
「お前、ホント不器用だよなァ……アイツも言ってただろ? 普通に誘って気持ち伝えりゃあそれでいいのによォ、だってアイツは──」
「それができりゃあ俺だって、苦労しねーよ」
そう言って、再びため息混じりに紫煙を吐き捨てた。
***
アイツがヤキモチを焼こうが焼くまいが──俺の目に映っているのは、最初からアイツ以外の誰でもないってのによォ……
とにかく、出て行ったアイツに今後、どのツラ下げて会えばいいのか──
途方に暮れそうな、そんな物憂げな梅雨空だ。
長いまつげに高い鼻──思わず見惚れてしまいそうになるくらい、本当に整った顔立ちだなと、そう思っていると、私の視線に気付いたのか──プロシュートと目が合ってしまった。
「あ、なんだよ?」
「別に〜、ただ、ホント顔だけは良いなぁって思って──」
「顔だけって……なんだその棘のある言い方はよォ」
棘のある言い方……確かにそう、その自覚はあった。いつもそうだ。プロシュートには突っかかる様な物言いをしてしまう。
「その容姿で甘い言葉を囁かれたら、どんな女でも落ちちゃうんでしょうね」
そう言って私は顔を背けた。だって、そんな言葉は私には届かないから。そう思っていたのに──
「なんだ、オメー、もしかしてヤキモチかよ?」
“ヤキモチ”──私は思わず動きを止める。
「は? そんなわけないでしょう?」
「そう言うと思ったぜ……でもよォ、もしオメーがヤキモチを焼くくらい、俺を独占したいと望むならよォ……俺はオメーだけのもんになってやってもいいんだぜ…?」
そう言って視線を差し向けるプロシュートに、私は心臓の高鳴りを悟られないよう冷たく質問を返す。
「私だけなものって……どう言うこと?」
「そうだなァ……今後、この目に映すのはオメーだけ……この手が触れるのも、愛を囁くのも、オメーただ1人だけだって事だ。そう……この唇に触れるのだってなァ──」
そう言ったプロシュートが私の顎に手を添えて、徐々に気配が近くなっていく。
後少しで唇が触れそうになったその時、声がかかる。
「おいおい、そう言うのはよォ、他でやれよ!」
ハッと、目が覚める思いがした。気付くのが遅かった。そう言えばここはアジト。真横には鏡──映るのはもちろんイルーゾォだ。
2人して思わず固まってしまうも、時すでに遅し……続け様にお決まりの台詞を吐かれた。
「お前ら……デキてんだろ?」
「デキてるわけないでしょう!?」
否定するセリフと共に、プロシュートと距離を取ろうとしたその時、グッと後頭部抑えつけられて口付けられてしまう。
いきなりの事に頭が真っ白になりつつもイルーゾォの手前、私は思い切りプロシュートを突き放した。
「ちょっと、いきなり何すんの!? もう、最低!」
そう吐き捨てて、思わずアジトを飛び出した。
***
やっちまった──と思った。
アイツが出て行った後、ガラリとしたアジトで、俺はため息を一つこぼし、タバコに火を付ける。
その傍らで呆れているのはイルーゾォだ。
「おいおい、見せつけてくれるじゃあねーか、まったくよォ」
「あ? こっぴどく振られたさまをかよ……?」
「お前、ホント不器用だよなァ……アイツも言ってただろ? 普通に誘って気持ち伝えりゃあそれでいいのによォ、だってアイツは──」
「それができりゃあ俺だって、苦労しねーよ」
そう言って、再びため息混じりに紫煙を吐き捨てた。
***
アイツがヤキモチを焼こうが焼くまいが──俺の目に映っているのは、最初からアイツ以外の誰でもないってのによォ……
とにかく、出て行ったアイツに今後、どのツラ下げて会えばいいのか──
途方に暮れそうな、そんな物憂げな梅雨空だ。
the END