チョコレート
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そして、1年後のサン・バレンティーノ──
「戻った」
「ただいま〜」
疲れたと言わんばかりにプロシュートがドカリとソファーに腰掛ける。
「ペッシ、エスプレッソ」
「ヘィ、兄貴ッ!」
ペッシがキッチンに向かう。
いつもの光景だが……去年とは違うことが一つ
毎年貰っていた大量のプレゼントが見当たらない。
そんな手ぶらのプロシュートを見て、他のメンバーが目を丸くする。
「おいおい、今日はサン・バレンティーノだぜ? あのえげつねーくらいのチョコはどーしたんだよォ⁉︎」
「あ? 要らねーから貰わなかっただけだ」
「兄貴ィ〜簡単に言わねぇで下せェよ〜あれ全部断るの大変だったんすよ〜いや、マジで……」
プロシュートにエスプレッソを運んできたペッシが、疲労感たっぷりな様子で答える。
そんなペッシを捕まえ、頭を撫で回しながらプロシュートが話す。
「ペッシ、ペッシ、ペッシよォォ〜、俺はたった1つさえ貰えればそれでいいんだよ」
「たった1つだけでいいんですかィ?」
「あぁ……」
その声はリビングに向かおうとしていたリゾットとキアラにも聞こえたみたいで──
「だとよ、キアラ……お前も聞こえただろ? プロシュートの奴があんな事を言うとはな…よっぽどお前に惚れてんだなァ……」
「ちょっ、リゾット、やめてよ! そんなわけないじゃん!」
そう言うキアラは、顔はおろか耳まで赤くしている。
ちょっと言い過ぎたかと思いながらも、リゾットの表情は穏やかだ。
そして一呼吸置き、気持ちを落ち着かせながらキアラが堂々とリビングに入る。
「お帰り、プロシュート」
「あぁ……」
「つーかよォ〜お前ら1年前のサン・バレンティーノから付き合ってんだろォ〜? 堂々と見せつけやがって、ムカつくんだよ! リア充○ね──ッ!」
後方でギァッチョが妬みたっぷりにギャーギャー騒ぐ。
「ハンッ、ほざいてろ!」
「ちょっと、プロシュート! 何、余裕ぶってんのよ? もう……はいこれ──」
キアラがポイッとチョコレートを投げつける。
とっさにパッと受け取ったプロシュートは、どことなく嬉しそうだ。
「おいおい、随分な扱いじゃあねーかよ?」
「別に〜。あっ、一応言っておくけど、チョコレートあげたのはプロシュートだけじゃないからね?」
「あ……? それ、どーゆー事だ……⁉︎」
プロシュートの表情が徐々に険しい物に変わっていく。
キアラが自分以外にもチョコを渡しているなんて、露ほども思わなかったのだろう。
そんな様子を見たギアッチョが勝ち誇ったように言い放つ。
「今年も俺ら全員貰ったに決まってんだろォがよ、ボケがァ──ッ!」
「そーゆー事!」
「ギアッチョ……落ち着け……それにキアラ、お前もだぞ?」
思わずリゾットが止めに入る。
しかしいつもの如く、ギアッチョは舌を出して中指をおっ立てている。
キアラもギアッチョの真似をして、べっと舌を出した。
「キアラ、テメー……」
「だって、プロシュートには渡してなかったけど、みんなには毎年あげてたし、それを今更やめるのも変でしょ?」
「キアラ、オメーは今日が何の日かちゃんと分かってねーなァ」
「えっ……?」
「今日は、“チョコレートを配る日”じゃあねーよ……恋人が互いの愛を確認し合い祝う日……だぜ?」
「う、うん……?」
「恋人がよォ、互いの愛を確認し合う方法つったら1つしかねーよなァ……?」
そう言って、プロシュートがニヤリと口角を上げる。
プロシュートが言わんとする事にピンと来たキアラが、徐々に顔を赤く染める。
「ちょっ、プロシュート、何言ってんのッ⁉︎」
「あ? 俺ァ、別に何も言ってねーぜ? お前が何を想像したかは知らねーが……何ならその方法で今から愛を確かめ合ってみるか?」
「えっ⁉︎」
「決まりだな……じゃあそーゆー事だから、オメーら邪魔すんじゃあねーよ……?」
「えっ、ちょっ、マジでッ⁉︎ 待って、ちょっと待ってってば──ッ!」
ジタバタするキアラをヒョイっと担ぎながら、プロシュートは自室へと消えて行った。
「アジトで盛んのはやめろって言ってんだろうが、ナメてんのか──ッ⁉︎……いや、そーゆー意味じゃあねーしッ⁉︎ なんやかんや、ラブラブっぷり見せつけやがってよォ〜チクショオ──! ムカつくんだよ、クソが──ッ!」
ギァッチョの心の叫びはこだましましたが……
何はともあれ、素敵なサン・バレンティーノになりました……?
「戻った」
「ただいま〜」
疲れたと言わんばかりにプロシュートがドカリとソファーに腰掛ける。
「ペッシ、エスプレッソ」
「ヘィ、兄貴ッ!」
ペッシがキッチンに向かう。
いつもの光景だが……去年とは違うことが一つ
毎年貰っていた大量のプレゼントが見当たらない。
そんな手ぶらのプロシュートを見て、他のメンバーが目を丸くする。
「おいおい、今日はサン・バレンティーノだぜ? あのえげつねーくらいのチョコはどーしたんだよォ⁉︎」
「あ? 要らねーから貰わなかっただけだ」
「兄貴ィ〜簡単に言わねぇで下せェよ〜あれ全部断るの大変だったんすよ〜いや、マジで……」
プロシュートにエスプレッソを運んできたペッシが、疲労感たっぷりな様子で答える。
そんなペッシを捕まえ、頭を撫で回しながらプロシュートが話す。
「ペッシ、ペッシ、ペッシよォォ〜、俺はたった1つさえ貰えればそれでいいんだよ」
「たった1つだけでいいんですかィ?」
「あぁ……」
その声はリビングに向かおうとしていたリゾットとキアラにも聞こえたみたいで──
「だとよ、キアラ……お前も聞こえただろ? プロシュートの奴があんな事を言うとはな…よっぽどお前に惚れてんだなァ……」
「ちょっ、リゾット、やめてよ! そんなわけないじゃん!」
そう言うキアラは、顔はおろか耳まで赤くしている。
ちょっと言い過ぎたかと思いながらも、リゾットの表情は穏やかだ。
そして一呼吸置き、気持ちを落ち着かせながらキアラが堂々とリビングに入る。
「お帰り、プロシュート」
「あぁ……」
「つーかよォ〜お前ら1年前のサン・バレンティーノから付き合ってんだろォ〜? 堂々と見せつけやがって、ムカつくんだよ! リア充○ね──ッ!」
後方でギァッチョが妬みたっぷりにギャーギャー騒ぐ。
「ハンッ、ほざいてろ!」
「ちょっと、プロシュート! 何、余裕ぶってんのよ? もう……はいこれ──」
キアラがポイッとチョコレートを投げつける。
とっさにパッと受け取ったプロシュートは、どことなく嬉しそうだ。
「おいおい、随分な扱いじゃあねーかよ?」
「別に〜。あっ、一応言っておくけど、チョコレートあげたのはプロシュートだけじゃないからね?」
「あ……? それ、どーゆー事だ……⁉︎」
プロシュートの表情が徐々に険しい物に変わっていく。
キアラが自分以外にもチョコを渡しているなんて、露ほども思わなかったのだろう。
そんな様子を見たギアッチョが勝ち誇ったように言い放つ。
「今年も俺ら全員貰ったに決まってんだろォがよ、ボケがァ──ッ!」
「そーゆー事!」
「ギアッチョ……落ち着け……それにキアラ、お前もだぞ?」
思わずリゾットが止めに入る。
しかしいつもの如く、ギアッチョは舌を出して中指をおっ立てている。
キアラもギアッチョの真似をして、べっと舌を出した。
「キアラ、テメー……」
「だって、プロシュートには渡してなかったけど、みんなには毎年あげてたし、それを今更やめるのも変でしょ?」
「キアラ、オメーは今日が何の日かちゃんと分かってねーなァ」
「えっ……?」
「今日は、“チョコレートを配る日”じゃあねーよ……恋人が互いの愛を確認し合い祝う日……だぜ?」
「う、うん……?」
「恋人がよォ、互いの愛を確認し合う方法つったら1つしかねーよなァ……?」
そう言って、プロシュートがニヤリと口角を上げる。
プロシュートが言わんとする事にピンと来たキアラが、徐々に顔を赤く染める。
「ちょっ、プロシュート、何言ってんのッ⁉︎」
「あ? 俺ァ、別に何も言ってねーぜ? お前が何を想像したかは知らねーが……何ならその方法で今から愛を確かめ合ってみるか?」
「えっ⁉︎」
「決まりだな……じゃあそーゆー事だから、オメーら邪魔すんじゃあねーよ……?」
「えっ、ちょっ、マジでッ⁉︎ 待って、ちょっと待ってってば──ッ!」
ジタバタするキアラをヒョイっと担ぎながら、プロシュートは自室へと消えて行った。
「アジトで盛んのはやめろって言ってんだろうが、ナメてんのか──ッ⁉︎……いや、そーゆー意味じゃあねーしッ⁉︎ なんやかんや、ラブラブっぷり見せつけやがってよォ〜チクショオ──! ムカつくんだよ、クソが──ッ!」
ギァッチョの心の叫びはこだましましたが……
何はともあれ、素敵なサン・バレンティーノになりました……?
the END
おまけ→