PARTY IS OVER
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これは昼過ぎのとある出来事──
窓ガラスに雨粒の当たる音がし始める。この時期には珍しく、予報通り降ってきたのかと窓外に目を向ける。
そう言えば、朝から姿を見ていないキアラの事が気にかかる。出かけているのは間違いないが、傘なんて持ち合わせてなさそうだなァと思っていた矢先、案の定ずぶ濡れになったキアラが戻ってきた。
「急に降ってきてさ──ねぇ、タオルどこ?」
リビングのソファーに1人で腰掛けていた俺に、キアラがそう投げかける。
そんなアイツに目を向けると、薄着なうえに淡い色合いの上着を合わせているもんだから、雨に濡れてうっすらと下着が透けて見える。しっとりと濡れた髪からポタリと滴り落ちた雫が、首筋から胸元にゆっくりと流れていく。その様子がやけに艶っぽく映った。
そんな内心を知られないように、俺は口角を吊り上げながら問いかける。
「見えてるぜ……そんな格好を晒して帰ってきたのかよ……?」
「えっ!?」
気付いたキアラが慌てて手で覆い隠す。
「オメーもしかして、誘ってんのか……?」
「ハァ? そんなわけないでしょう? あのさ〜、前から思ってたんだけど、女が全員アンタに色目を使うなんて思わないでよね? 少なくとも私は絶対にあり得ないから!」
はっきりそう言われて、正直頭にきた。それは図星だったから。他の女じゃあダメなんだ。俺が振り向いて欲しいのは──
思った時にはキアラを壁際に追い詰めていた。ジリジリと更に距離を詰めていく。そんな俺の行動に、キアラが目を丸させている。背に壁……逃げ場がなくなり、キアラが俺を見上げて口を開く。
「何……? これは一体なんの真似?」
「──もうすぐリゾットらが戻ってくる……早く着替えとけ」
そう吐き捨てると、シャワールームからバスタオルを引っ張り出してキアラに投げつけた。それからリビングを出て行こうとする俺に、『どこに行くの?』と問いかけるキアラを1人残して、俺はアジトを後にする。
雨はまだ降り続いていたが、傘は持たずに歩き出す。
***
オメーはいつも俺には無関心で──その目で追うのは違う相手。本当に好きな奴の心ってのは、こっちの思い通りにはいかない。
ここにオメーがいないと、俺の恋は始まらないってのによォ……
そんな事を思いながら、1人で歩く雨フラレの空。
窓ガラスに雨粒の当たる音がし始める。この時期には珍しく、予報通り降ってきたのかと窓外に目を向ける。
そう言えば、朝から姿を見ていないキアラの事が気にかかる。出かけているのは間違いないが、傘なんて持ち合わせてなさそうだなァと思っていた矢先、案の定ずぶ濡れになったキアラが戻ってきた。
「急に降ってきてさ──ねぇ、タオルどこ?」
リビングのソファーに1人で腰掛けていた俺に、キアラがそう投げかける。
そんなアイツに目を向けると、薄着なうえに淡い色合いの上着を合わせているもんだから、雨に濡れてうっすらと下着が透けて見える。しっとりと濡れた髪からポタリと滴り落ちた雫が、首筋から胸元にゆっくりと流れていく。その様子がやけに艶っぽく映った。
そんな内心を知られないように、俺は口角を吊り上げながら問いかける。
「見えてるぜ……そんな格好を晒して帰ってきたのかよ……?」
「えっ!?」
気付いたキアラが慌てて手で覆い隠す。
「オメーもしかして、誘ってんのか……?」
「ハァ? そんなわけないでしょう? あのさ〜、前から思ってたんだけど、女が全員アンタに色目を使うなんて思わないでよね? 少なくとも私は絶対にあり得ないから!」
はっきりそう言われて、正直頭にきた。それは図星だったから。他の女じゃあダメなんだ。俺が振り向いて欲しいのは──
思った時にはキアラを壁際に追い詰めていた。ジリジリと更に距離を詰めていく。そんな俺の行動に、キアラが目を丸させている。背に壁……逃げ場がなくなり、キアラが俺を見上げて口を開く。
「何……? これは一体なんの真似?」
「──もうすぐリゾットらが戻ってくる……早く着替えとけ」
そう吐き捨てると、シャワールームからバスタオルを引っ張り出してキアラに投げつけた。それからリビングを出て行こうとする俺に、『どこに行くの?』と問いかけるキアラを1人残して、俺はアジトを後にする。
雨はまだ降り続いていたが、傘は持たずに歩き出す。
***
オメーはいつも俺には無関心で──その目で追うのは違う相手。本当に好きな奴の心ってのは、こっちの思い通りにはいかない。
ここにオメーがいないと、俺の恋は始まらないってのによォ……
そんな事を思いながら、1人で歩く雨フラレの空。
the END