マ・シェリ
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「今日は月が綺麗だなァ……」
珍しくバルコニーに出て夜風に当たりながら、紫煙を吹かすあなたがそう呟く。
“花鳥風月”人は歳を重ねるごとに、その順に良さが分かるようになるらしい。だとすれば、月を愛でるあなたは──
「ねぇ……プロシュートってさ、本当はいくつなの?」
「あ? いきなり不躾になんだよ?」
「別に」
「俺のよォ、この美貌の秘訣が知りたいってか? んんっ?」
そう言って、鼻で笑うあなたの視線が私に向けられる。私は“貸して”と言いながら、奪い取った紫煙を口に咥え、一息吹かす。
「私もあなたもいつかは死ぬ。事故とかに遭わなければ、与えられた寿命をただ全うするだけ──」
「そうだな……」
「でも、あなたの能力は、それを乱す」
「──こんな風にか?」
そう言って、あなたは植木の花を1本紡ぐと、一瞬にして枯らしてしまう。
茶けて正気を失った花びらが、ゆっくり地面へと落ちていく。
「それもまた運命だろ……? 俺と出会ってしまったが為の運命──」
私はそんなあなたの綺麗な頬に手を添える。私もいずれはこの花の様に──
「ねぇ……これって本当のあなたなの?」
「あぁ?」
「ねぇ……見せてよ、本当のあなたを──私だけには曝け出してよ……?」
「あぁ、いいぜ? ただし、オメーもなァ。その身ぐるみ全部剥ぎ取ってよォ……さらけ出せよ、身も心もなァ……」
そう言ってキスをしながら、あなたは私をベッドへと誘う。覆い被さるあなたを前に私は思う。
加速させずとも時は確実に過ぎていくもの。花鳥風月のように、その時々であなたに愛でてもらえるのならば、ああ、老いていくって何て快感なのだろう──
きっとそれは、月色のようなブロンド髪のあなたに魅せられているから──
珍しくバルコニーに出て夜風に当たりながら、紫煙を吹かすあなたがそう呟く。
“花鳥風月”人は歳を重ねるごとに、その順に良さが分かるようになるらしい。だとすれば、月を愛でるあなたは──
「ねぇ……プロシュートってさ、本当はいくつなの?」
「あ? いきなり不躾になんだよ?」
「別に」
「俺のよォ、この美貌の秘訣が知りたいってか? んんっ?」
そう言って、鼻で笑うあなたの視線が私に向けられる。私は“貸して”と言いながら、奪い取った紫煙を口に咥え、一息吹かす。
「私もあなたもいつかは死ぬ。事故とかに遭わなければ、与えられた寿命をただ全うするだけ──」
「そうだな……」
「でも、あなたの能力は、それを乱す」
「──こんな風にか?」
そう言って、あなたは植木の花を1本紡ぐと、一瞬にして枯らしてしまう。
茶けて正気を失った花びらが、ゆっくり地面へと落ちていく。
「それもまた運命だろ……? 俺と出会ってしまったが為の運命──」
私はそんなあなたの綺麗な頬に手を添える。私もいずれはこの花の様に──
「ねぇ……これって本当のあなたなの?」
「あぁ?」
「ねぇ……見せてよ、本当のあなたを──私だけには曝け出してよ……?」
「あぁ、いいぜ? ただし、オメーもなァ。その身ぐるみ全部剥ぎ取ってよォ……さらけ出せよ、身も心もなァ……」
そう言ってキスをしながら、あなたは私をベッドへと誘う。覆い被さるあなたを前に私は思う。
加速させずとも時は確実に過ぎていくもの。花鳥風月のように、その時々であなたに愛でてもらえるのならば、ああ、老いていくって何て快感なのだろう──
きっとそれは、月色のようなブロンド髪のあなたに魅せられているから──
the END