言え
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「えっ……」
いきなり組み敷かれたアイツが目を丸くする。
なぜこうなったのか──俺は自分自身にこう言い聞かせた。オメーが悪い。オメーが俺の気持ちに気付かないからだ──と。でも、実際はそうじゃあない。俺自身がどうしようもなくオメーに惹かれている……ただそれだけだ。
***
「な、何!? ちょっと、やめてよ……」
「やめる……? ハンッ、この期に及んで何言ってんだ?」
「私、プロシュートとそんなことする気なんてない!」
「そんな事ってよォ……こういうことかァ?」
言ったそばから、アイツの唇を塞ぐ。逃れられないように両手を掴み拘束しながら。
「ンッ……やっ…んんっ──」
そして、空いてる片手をするりと上着へ滑り込ませ、胸を弄ぶ。
「あっ……ンっ、あんッ……」
少し酔いが回っているせいか、アイツの身体が熱を帯び、少しばかり敏感になっている様だ。このままヤってしまおうかなと、よこしまな思考が頭をよぎるも、そこまで落ちちゃあいないなと、俺は唇を離し、見下ろしながら吐き捨てる。
「オメーはよォ、男女の友情なんてもんを本気で信じてんのか? 全く……おめでたい奴だな……んなもんはなァ、はなから成立しねーもんだ。それにオメーは男を舐めてやがる。男の家にノコノコついてきて、酒まで飲んで何もないなんざ、普通ありえねーだろ? 全く……油断し過ぎだろ」
「そんな……なんで? 今までだって普通にただ楽しく飲んでたじゃない?」
「普通に楽しくねぇ……まぁ、そう思ってたのは、オメーだけだったってこった」
「じゃあ何? プロシュートもやっぱり、私とただヤリたかっただけなの?」
アイツの目に薄っすら涙が浮かぶ。普段、泣き面をそう簡単に見せるような奴じゃなあない。だからこそ、それを見せまいと必死に堪えているのが分かった。
俺もと言っていたが……過去にもこんな風にこいつを手駒にしようとした奴がいたってことか? 全く……反吐が出そうだな……いや、今まさに俺も、アイツにとってそんなクズの1人に成り下がっちまったわけか……でも、本当はこんな風にしたかったわけじゃあない。
そう思うと一瞬力が抜けてしまったもんだから、緩んだ隙を突かれて、一気に押しのけられてしまう。多分アイツは、俺に軽蔑の眼差しを向けているだろう。柄にもなく、俺はアイツの顔を見る事が出来なかった。
当然、このまま部屋を出て行くと思っていたが、いつまで経ってもその気配がない。そう思っていた矢先、アイツが口を開く。
「好きなのに……」
「──!?」
「私はプロシュート事が好きだから、だから──でも、この想いを伝えたらきっと、遊ばれて捨てられるだけだって……そう思ったから、だから私はプロシュートとは今のままで、何も無い今のままの関係でいようとしてた」
突然の告白に、俺は思わず言葉を詰まらせる。そんな事を気に止めることもなく、アイツは話を続ける。
「でも、その他大勢と一緒なんて嫌。他に目移りなんてしないで欲しい。私だけを見ていて欲しい──ずっとそう思ってた。でも、それは叶わない……だって、そうでしょう? あなたの隣にはいつも知らない綺麗な人がいるから」
「──そうだな……全く……俺は最低だな。お前にそんな思いをさせちまっていたとはな──」
俺は、ずっと勘違いしていたのか……? でもこいつがそれを望むなら、このまま想いを閉じ込めようとしたその時──確かにそう聞こえたような気がした。
“言え! 今しかない、言ってしまえ!”
だから俺は、諦めたかのように言い放つ。
「俺は……オメーの事が好きだ……どうしようもなく好きだ──」
「──何それ? そんなの見え透いた嘘……」
アイツの頬を涙が伝う。その後、やっぱりアイツはここを出て行った。
残された俺は、大きなため息を付きながら天井を仰ぎ見る。やり切れない思いと、アイツの涙を思い浮かべながら、やっぱり悪魔になんざ耳を貸すもんじゃあないなと後悔の念が渦巻くのだった。
いきなり組み敷かれたアイツが目を丸くする。
なぜこうなったのか──俺は自分自身にこう言い聞かせた。オメーが悪い。オメーが俺の気持ちに気付かないからだ──と。でも、実際はそうじゃあない。俺自身がどうしようもなくオメーに惹かれている……ただそれだけだ。
***
「な、何!? ちょっと、やめてよ……」
「やめる……? ハンッ、この期に及んで何言ってんだ?」
「私、プロシュートとそんなことする気なんてない!」
「そんな事ってよォ……こういうことかァ?」
言ったそばから、アイツの唇を塞ぐ。逃れられないように両手を掴み拘束しながら。
「ンッ……やっ…んんっ──」
そして、空いてる片手をするりと上着へ滑り込ませ、胸を弄ぶ。
「あっ……ンっ、あんッ……」
少し酔いが回っているせいか、アイツの身体が熱を帯び、少しばかり敏感になっている様だ。このままヤってしまおうかなと、よこしまな思考が頭をよぎるも、そこまで落ちちゃあいないなと、俺は唇を離し、見下ろしながら吐き捨てる。
「オメーはよォ、男女の友情なんてもんを本気で信じてんのか? 全く……おめでたい奴だな……んなもんはなァ、はなから成立しねーもんだ。それにオメーは男を舐めてやがる。男の家にノコノコついてきて、酒まで飲んで何もないなんざ、普通ありえねーだろ? 全く……油断し過ぎだろ」
「そんな……なんで? 今までだって普通にただ楽しく飲んでたじゃない?」
「普通に楽しくねぇ……まぁ、そう思ってたのは、オメーだけだったってこった」
「じゃあ何? プロシュートもやっぱり、私とただヤリたかっただけなの?」
アイツの目に薄っすら涙が浮かぶ。普段、泣き面をそう簡単に見せるような奴じゃなあない。だからこそ、それを見せまいと必死に堪えているのが分かった。
俺もと言っていたが……過去にもこんな風にこいつを手駒にしようとした奴がいたってことか? 全く……反吐が出そうだな……いや、今まさに俺も、アイツにとってそんなクズの1人に成り下がっちまったわけか……でも、本当はこんな風にしたかったわけじゃあない。
そう思うと一瞬力が抜けてしまったもんだから、緩んだ隙を突かれて、一気に押しのけられてしまう。多分アイツは、俺に軽蔑の眼差しを向けているだろう。柄にもなく、俺はアイツの顔を見る事が出来なかった。
当然、このまま部屋を出て行くと思っていたが、いつまで経ってもその気配がない。そう思っていた矢先、アイツが口を開く。
「好きなのに……」
「──!?」
「私はプロシュート事が好きだから、だから──でも、この想いを伝えたらきっと、遊ばれて捨てられるだけだって……そう思ったから、だから私はプロシュートとは今のままで、何も無い今のままの関係でいようとしてた」
突然の告白に、俺は思わず言葉を詰まらせる。そんな事を気に止めることもなく、アイツは話を続ける。
「でも、その他大勢と一緒なんて嫌。他に目移りなんてしないで欲しい。私だけを見ていて欲しい──ずっとそう思ってた。でも、それは叶わない……だって、そうでしょう? あなたの隣にはいつも知らない綺麗な人がいるから」
「──そうだな……全く……俺は最低だな。お前にそんな思いをさせちまっていたとはな──」
俺は、ずっと勘違いしていたのか……? でもこいつがそれを望むなら、このまま想いを閉じ込めようとしたその時──確かにそう聞こえたような気がした。
“言え! 今しかない、言ってしまえ!”
だから俺は、諦めたかのように言い放つ。
「俺は……オメーの事が好きだ……どうしようもなく好きだ──」
「──何それ? そんなの見え透いた嘘……」
アイツの頬を涙が伝う。その後、やっぱりアイツはここを出て行った。
残された俺は、大きなため息を付きながら天井を仰ぎ見る。やり切れない思いと、アイツの涙を思い浮かべながら、やっぱり悪魔になんざ耳を貸すもんじゃあないなと後悔の念が渦巻くのだった。
the END