恋のワールド
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「プロシュートなんて、大っ嫌い! もう、顔も見たくない!」
「あぁ、そうかよ!」
「ち、ちょっと、2人とも落ち着いてくれよ〜」
「もう帰る! ペッシ、報告は明日するって、リゾットにそう言っといて!」
「えッ……!? ちょっと待って! そんな事言わねぇでよォ──」
***
場所は暗殺チームのアジト。
プロシュートとキアラが言い争いをしている。その傍らで、ペッシがなんとか仲裁を試みているようだ。
「さっさと行けよ、清々するぜ!」
「ちょっ、兄貴ィ!」
そう言い放つプロシュートを睨みつけ、キアラは、バンッ──と、勢いよく入り口のドアを開けて出て行く。途端に静まり返るアジト。
「おいおい、アイツ出てったけどよォ……もしかしてお前らまた喧嘩してんのか? ったく、しょーがねぇなァ」
「ッチ……黙ってろ!」
入れ違いにやって来たホルマジオにそう吐き捨てると、プロシュートはテーブルを蹴りつけながら、ソファーにドカリと腰を下ろす。そして、苛立ちを鎮めるかのごとく、紫煙を吹かし始めた。
プロシュートは内心思っていた。またやってしまった……と。売り言葉に買い言葉──本心とは裏腹な言葉が口先を突いて出る。
“大嫌い”
面と向かって言われると地味にへこむ言葉だなと、天井を仰ぎ見ながら、再び紫煙を吐き捨てた。
その様子をしばらく見ていたペッシが恐る恐る話しかける。
「あ、兄貴ィ……なんでキアラにまたあんな言い方したんですかィ? これじゃあ、この間の二の舞ですぜィ?」
「──おい、ペッシ、ペッシ、ペッシよォォ〜、オメー、随分と偉そうな物言いをするようになったじゃあねーかよ?……んんッ!?」
「だ、だってよォ〜、ありゃあどうみても兄貴が悪ィですぜィ?」
「そんな事よりいいのか、追いかけなくてよォ? キアラの奴……また“例の野郎”の所に泣きつきに行くぜ、きっと──」
割り込んできたホルマジオの言葉に、プロシュートの眉がピクリと動く。“例の野郎”と言う言葉が癇に障った様だ。
「確かブチャラティん所の奴だよなァ? ほら、拳銃使いの──この間もそいつの所に行ってたんだろ? まぁこのままだと、寝取られちまうのも時間の問題だなァ……色男さんよォ……?」
ニヒルな笑みを浮かべながら、ホルマジオが問いかける。それにペッシが輪をかける。
「兄貴ィ、ホルマジオの言う通りですぜィ? このままキアラが戻ってこなくても、本当にいいんですかィ……? 早く追いかけてくだせェ!」
そう言われても尚、プロシュートは全く動こうとしない。
「しかしよォ、これで何度目だ? 全く……お前ら互いに引かねーからなァ……ったくしょーがねぇなァ、毎回同じ過ちを繰り返してると、仕舞いにはマジで愛想尽かされかねねーぜ?」
「ほっとけ!」
そう言い放つと、プロシュートはようやくタバコを灰皿に押し付けてアジトを後にする。
***
キアラが行きそうな場所は何となく目星がついている。そこはアジト近くの公園。喧嘩をした後は、そこにあるブランコに座っていることが多い。その事を分かりきっているプロシュートは、ゆっくりとキアラの元へと歩み寄る。彼女もまたその気配に気付き、一瞬顔を上げるも、すぐ横に背けた。
「……何しに来たの?」
「ハンッ、決まってんだろ? 迎えにきてやった」
「なによ……さっきは出てけって言ったくせに──」
「オメーだって、ここで俺が来るのを待ってたくせしてよォ」
「別にそんなわけじゃあ──」
キアラがそう言いかけた瞬間、プロシュートがふわりと彼女を抱きしめる。
「俺が悪かった……言い過ぎたって……──ンッ!?」
何が起こったのか──プロシュートが顔を歪め、腹を押さえてうずくまる。キアラがプロシュートのみぞおちに、一発パンチをお見舞いしたようだ。
「テ、テメー、迎えに来てやったのによォ、全力で腹パンする奴がどこにいんだよ!?」
「──遅い!」
そう言った唇がプロシュートのと重なる。チュッ──と、リップ音を立てて唇を離し、キアラがうつむきかげんにポツリと呟く。
「じゃあ……帰ろっか」
「帰るってよォ……どこに?」
「どこって……アジトに決まってるじゃん?」
「ハンッ、んな所……今更戻るかよ? 行くなら俺ん家だろ?」
ニヒルな笑みを浮かべたプロシュートに、勘の働いたキアラが“バカ……”とだけ小さく呟く──
全くこれで何度目だろうか──
相も変わらず俺達は、同じ過ちを繰り返す──
これがある意味“恋の醍醐味”と言う奴なのかもしれない。
「あぁ、そうかよ!」
「ち、ちょっと、2人とも落ち着いてくれよ〜」
「もう帰る! ペッシ、報告は明日するって、リゾットにそう言っといて!」
「えッ……!? ちょっと待って! そんな事言わねぇでよォ──」
***
場所は暗殺チームのアジト。
プロシュートとキアラが言い争いをしている。その傍らで、ペッシがなんとか仲裁を試みているようだ。
「さっさと行けよ、清々するぜ!」
「ちょっ、兄貴ィ!」
そう言い放つプロシュートを睨みつけ、キアラは、バンッ──と、勢いよく入り口のドアを開けて出て行く。途端に静まり返るアジト。
「おいおい、アイツ出てったけどよォ……もしかしてお前らまた喧嘩してんのか? ったく、しょーがねぇなァ」
「ッチ……黙ってろ!」
入れ違いにやって来たホルマジオにそう吐き捨てると、プロシュートはテーブルを蹴りつけながら、ソファーにドカリと腰を下ろす。そして、苛立ちを鎮めるかのごとく、紫煙を吹かし始めた。
プロシュートは内心思っていた。またやってしまった……と。売り言葉に買い言葉──本心とは裏腹な言葉が口先を突いて出る。
“大嫌い”
面と向かって言われると地味にへこむ言葉だなと、天井を仰ぎ見ながら、再び紫煙を吐き捨てた。
その様子をしばらく見ていたペッシが恐る恐る話しかける。
「あ、兄貴ィ……なんでキアラにまたあんな言い方したんですかィ? これじゃあ、この間の二の舞ですぜィ?」
「──おい、ペッシ、ペッシ、ペッシよォォ〜、オメー、随分と偉そうな物言いをするようになったじゃあねーかよ?……んんッ!?」
「だ、だってよォ〜、ありゃあどうみても兄貴が悪ィですぜィ?」
「そんな事よりいいのか、追いかけなくてよォ? キアラの奴……また“例の野郎”の所に泣きつきに行くぜ、きっと──」
割り込んできたホルマジオの言葉に、プロシュートの眉がピクリと動く。“例の野郎”と言う言葉が癇に障った様だ。
「確かブチャラティん所の奴だよなァ? ほら、拳銃使いの──この間もそいつの所に行ってたんだろ? まぁこのままだと、寝取られちまうのも時間の問題だなァ……色男さんよォ……?」
ニヒルな笑みを浮かべながら、ホルマジオが問いかける。それにペッシが輪をかける。
「兄貴ィ、ホルマジオの言う通りですぜィ? このままキアラが戻ってこなくても、本当にいいんですかィ……? 早く追いかけてくだせェ!」
そう言われても尚、プロシュートは全く動こうとしない。
「しかしよォ、これで何度目だ? 全く……お前ら互いに引かねーからなァ……ったくしょーがねぇなァ、毎回同じ過ちを繰り返してると、仕舞いにはマジで愛想尽かされかねねーぜ?」
「ほっとけ!」
そう言い放つと、プロシュートはようやくタバコを灰皿に押し付けてアジトを後にする。
***
キアラが行きそうな場所は何となく目星がついている。そこはアジト近くの公園。喧嘩をした後は、そこにあるブランコに座っていることが多い。その事を分かりきっているプロシュートは、ゆっくりとキアラの元へと歩み寄る。彼女もまたその気配に気付き、一瞬顔を上げるも、すぐ横に背けた。
「……何しに来たの?」
「ハンッ、決まってんだろ? 迎えにきてやった」
「なによ……さっきは出てけって言ったくせに──」
「オメーだって、ここで俺が来るのを待ってたくせしてよォ」
「別にそんなわけじゃあ──」
キアラがそう言いかけた瞬間、プロシュートがふわりと彼女を抱きしめる。
「俺が悪かった……言い過ぎたって……──ンッ!?」
何が起こったのか──プロシュートが顔を歪め、腹を押さえてうずくまる。キアラがプロシュートのみぞおちに、一発パンチをお見舞いしたようだ。
「テ、テメー、迎えに来てやったのによォ、全力で腹パンする奴がどこにいんだよ!?」
「──遅い!」
そう言った唇がプロシュートのと重なる。チュッ──と、リップ音を立てて唇を離し、キアラがうつむきかげんにポツリと呟く。
「じゃあ……帰ろっか」
「帰るってよォ……どこに?」
「どこって……アジトに決まってるじゃん?」
「ハンッ、んな所……今更戻るかよ? 行くなら俺ん家だろ?」
ニヒルな笑みを浮かべたプロシュートに、勘の働いたキアラが“バカ……”とだけ小さく呟く──
全くこれで何度目だろうか──
相も変わらず俺達は、同じ過ちを繰り返す──
これがある意味“恋の醍醐味”と言う奴なのかもしれない。
the END