My instant song
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「〜〜♪」
不意に聴こえてきたのはアイツの鼻歌──何の曲かは俺には分からねぇが……アイツがこの曲を口ずさむ時は、決まって機嫌が良い時だ。まぁ、それだけじゃあない。表情にもそれは滲み出でちまってる。
「随分と楽しそうだなァ」
「えっ、何で?」
「あ? 何でってよォ、鼻歌──」
「あっ、また歌ってた?」
「オメー、無意識なのかよ、それ?」
少し呆れ気味に問いかける俺の言葉をおざなりに、ご機嫌なアイツは身体の動きまでもが軽やかだ。歩き方が既にスキップしてるみてぇに見える。
「なぁ、それ──なんて曲だ?」
「えっ!? えっと〜、あ、あ〜もう時間だ! 急ごう!」
「あ? あぁ……」
先を急ぐアイツの背中を見ながら、またはぐらかされたと思ってしまう。単に好きな曲なのか……それとも誰かを思っての曲なのか……いずれにしても何の曲なのか興味が湧いた。
***
「おい、ペッシ──」
「何です、兄貴ィ?」
「オメー、アイツの鼻歌──聞いたことあるか?」
「鼻歌……あぁ〜兄貴と一緒の時によく歌ってますねぇ……それがどうかしやしたか?」
首を傾げながら問いかけるペッシに、さりげなく問いかける。
「あれよォ……何の曲だか分かるか?」
「鼻歌ですからねぇ、オイラには……あっ、そう言えばこんな便利なアプリありやすよ! ちょっとスマホ貸してくだせィ!」
俺がスマホを手渡すと、ペッシは何やら操作をしだした。素早く終えたかと思うと、スッと画面を見せてきた。
「これ、鼻歌を検索できるアプリなんですけど……ダウンロードしといたんで、検索してみたらどうです?」
「ハンッ、そんなもんまであんだな……」
「……今やってみねーんですかィ?」
「あ、後でやる……」
相手はぺっしだが──人前で鼻歌……ちょっと気恥ずかしくなっちまったのは事実だ。
そして、後から密かにそのアプリを使って検索してはみたものの……何一つとしてヒットしなかった……結局何の曲かは分からずじまい。全く使えねぇアプリだと思った俺はすぐ様消去してやった。だが、その理由を俺は後ほど知る事となる。それは──
***
「なぁなぁ──」
「何? ペッシ──」
「あんたがたまに口ずさんでる鼻歌──あれって、なんて曲なんだ?」
問いかけられたアイツの目が泳ぐ。そして、目線を下に少し照れ臭そうに呟く。
「あれ……誰の曲でもないの」
「えっ……?」
「あれは、私が作った即興の唄! 楽しい時につい口ずさんじゃうの……なんて言うか……プロシュートといる時は特に……」
アイツの顔が少し赤みを帯びて映る。それを目の当たりにして、ペッシがようやく察する。そうか、アイツは兄貴の事が──と。
そしてアイツは『プロシュートには内緒だよ?』と、人差し指を唇につけながら、そう答えた。
***
「〜〜♬」
アイツは今日も機嫌がいいらしい。聴こえてくるのはいつもの鼻歌。
好きな人と一緒の時についこぼれてしまう──そんな素敵な鼻歌だった。
不意に聴こえてきたのはアイツの鼻歌──何の曲かは俺には分からねぇが……アイツがこの曲を口ずさむ時は、決まって機嫌が良い時だ。まぁ、それだけじゃあない。表情にもそれは滲み出でちまってる。
「随分と楽しそうだなァ」
「えっ、何で?」
「あ? 何でってよォ、鼻歌──」
「あっ、また歌ってた?」
「オメー、無意識なのかよ、それ?」
少し呆れ気味に問いかける俺の言葉をおざなりに、ご機嫌なアイツは身体の動きまでもが軽やかだ。歩き方が既にスキップしてるみてぇに見える。
「なぁ、それ──なんて曲だ?」
「えっ!? えっと〜、あ、あ〜もう時間だ! 急ごう!」
「あ? あぁ……」
先を急ぐアイツの背中を見ながら、またはぐらかされたと思ってしまう。単に好きな曲なのか……それとも誰かを思っての曲なのか……いずれにしても何の曲なのか興味が湧いた。
***
「おい、ペッシ──」
「何です、兄貴ィ?」
「オメー、アイツの鼻歌──聞いたことあるか?」
「鼻歌……あぁ〜兄貴と一緒の時によく歌ってますねぇ……それがどうかしやしたか?」
首を傾げながら問いかけるペッシに、さりげなく問いかける。
「あれよォ……何の曲だか分かるか?」
「鼻歌ですからねぇ、オイラには……あっ、そう言えばこんな便利なアプリありやすよ! ちょっとスマホ貸してくだせィ!」
俺がスマホを手渡すと、ペッシは何やら操作をしだした。素早く終えたかと思うと、スッと画面を見せてきた。
「これ、鼻歌を検索できるアプリなんですけど……ダウンロードしといたんで、検索してみたらどうです?」
「ハンッ、そんなもんまであんだな……」
「……今やってみねーんですかィ?」
「あ、後でやる……」
相手はぺっしだが──人前で鼻歌……ちょっと気恥ずかしくなっちまったのは事実だ。
そして、後から密かにそのアプリを使って検索してはみたものの……何一つとしてヒットしなかった……結局何の曲かは分からずじまい。全く使えねぇアプリだと思った俺はすぐ様消去してやった。だが、その理由を俺は後ほど知る事となる。それは──
***
「なぁなぁ──」
「何? ペッシ──」
「あんたがたまに口ずさんでる鼻歌──あれって、なんて曲なんだ?」
問いかけられたアイツの目が泳ぐ。そして、目線を下に少し照れ臭そうに呟く。
「あれ……誰の曲でもないの」
「えっ……?」
「あれは、私が作った即興の唄! 楽しい時につい口ずさんじゃうの……なんて言うか……プロシュートといる時は特に……」
アイツの顔が少し赤みを帯びて映る。それを目の当たりにして、ペッシがようやく察する。そうか、アイツは兄貴の事が──と。
そしてアイツは『プロシュートには内緒だよ?』と、人差し指を唇につけながら、そう答えた。
***
「〜〜♬」
アイツは今日も機嫌がいいらしい。聴こえてくるのはいつもの鼻歌。
好きな人と一緒の時についこぼれてしまう──そんな素敵な鼻歌だった。
the END