チョコレート
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2月14日──
今日はサン・バレンティーノ。
もとよりバレンタインデーはイタリアが発祥の地といわれており、別名『 Festa degli innamorati 』
直訳すると「恋人たちの記念日」とも呼ばれ、恋人たちや夫婦が、互いの愛を確認し合いお祝いする日……らしいが──
「戻ったぜ」
「ただいま〜」
ペッシと共に任務を終えたプロシュートがアジトに戻って来た。
「ペッシ、エスプレッソ」
「へィ、兄貴ッ!」
疲れたと言わんばかりにプロシュートはドカリとソファーに腰掛ける。
ペッシは両手に抱えた荷物を無造作にテーブルにドサっと置いた。
大量のチョコレートやプレゼントの山は、全てプロシュート宛だ。
「毎年えげつねー量だなァ、マジで……これどーすんだよ?」
猫を抱えながら、こちらにやって来たホルマジオが尋ねる。
プロシュートは言わずと知れた暗殺チーム1のモテ男。
サン・バレンティーノにプロシュートが大量のプレゼントを持ち帰るのはいつもの光景だ。
「ハンッ、俺はそんな甘ぇもんは食わねーし、他人から貰ったもんなんざ身につけねーよ。欲しいなら、オメーらにくれてやるぜ?」
「何だァ、その言い方はよォ〜〜⁉︎ だったら貰ってくんじゃあねーよ、クソがッ──!」
「落ち着け、ギアッチョ……プロシュートには後でアレを言ってやればいい……」
ギアッチョがキレ気味に答える傍らで、イルーゾォがなだめる様に小声で呟く。
「聞いてくれよ! 今年は俺も貰ったんだぜ! 兄貴のおこぼれだけどよォ」
ペッシが手に持っているのは小さなハート型のチョコレート。
プロシュートと一緒にちゃっかり貰っていたようだ。
「そんなことねーよ、ペッシ。あの可愛い Bambina は、ちゃんとお前にって言ってたじゃあねーか」
「何だ、ガキからかよ……」
「誰からだろうが、貰ったことには変わりねーだろ? ギアッチョ、オメーは貰えなかったからって、僻んでんじゃあねーよ」
プロシュートがまたギアッチョに挑発的な言い方をする……がしかし、ギアッチョの方はさっきとは打って変わってキレるでもなく、ニヒルな笑みを浮かべている。
それを見たプロシュートが怪訝 そうな表情を浮かべる。
「ヘッ、俺だって貰ったぜ?」
「あ? オメーにチョコをくれるなんざ、相当な物好きだな……一体誰だよ?」
「誰ってよォ〜……キアラだぜ?俺はキアラから貰った」
ギアッチョが勝ち誇 った顔でプロシュートに言い放つ。
その名前を聞いた瞬間、『どーゆー事だ⁈』と言わんばかりにプロシュートの表情が一変する
そう……さっきイルーゾォが言っていた“アレ”とはこの事だ。
「誰かさんはよォ〜今年も本命からは貰えねーんじゃあねーの?」
「あ"ぁ⁉︎ オメー、誰のこと言ってんだ……?」
プロシュートがギロリとギアッチョを睨む。
毎年山のようにプレゼントを貰うプロシュートだが、本当に欲しい相手からは毎年貰えずにいた。
「確かキアラの奴、用意したチョコは全部配り終えたって言ってたからよォ〜」
「配り終えたって──」
「ギアッチョだけじゃねーぜ? 俺ら全員、今朝キアラからチョコ貰ったよなァ」
ホルマジオもキアラから貰ったのであろうチョコを手にしている。
それを見せつけられたプロシュートが思わずペッシに向き直る。
「ペッシ、もしかしてお前も──?」
「す、すいませんッ! 兄貴には黙ってやしたが……じ、実は俺も……」
申し訳なさそうにうつむき小さくなるペッシの傍で『ざまぁーねぇ』と言わんばかりにギアッチョが中指を立てながら、ベッと舌を出してみせる。
安い挑発に乗るかと思いきや……プロシュートは大人の余裕を見せつける。
「あぁ、そーかよそーかよ。そりゃ貰えて良かったなァ……」
不意にギアッチョから顔を背け、ペッシが入れてくれたエスプレッソを口にする。
「そういやァ、キアラはどこだ?」
ホルマジオがふと辺りを見渡すも、キアラの姿は見当たらない。
さっきまでそこにいなかったか?とイルーゾォ
一体どこへ行ったのか……?いつも肝心な時にアイツはいない──
その時キアラは、リビングから少し離れたリゾットの部屋にいた。
「おい、キアラ……何故そんな所で身を隠しているんだ? 出て来い……プロシュートが呼んでるぞ?」
書類をチェックしているリゾットの傍 らで、まるでプロシュートから逃げているかのようにしゃがみ込んでいる。
「で、どうすんだ?」
「えっ……?」
「今年はちゃんと渡すのか?それ──」
「……」
リゾットの問いかけにキアラが口をつぐむ。
もちろん、リゾットの指す“それ”とはチョコレートの事だ。
キアラが誰が為に用意した物なのか…
しばらくしてキアラはスッと立ち上がり、皆のいるリビングへ向かう。
そこで目の当たりにした山積みのプレゼントに、若干呆れた表情を浮かべる。
「今年も相変わらずすごい量ね……」
「あ? 俺の知ったことかよ……別に欲しかねーよ。でも、俺がモテるっつーことは事実だなァ」
「あっそ……まぁそれだけ貰えば、もうサン・バレンティーノなんてうんざりなんじゃないの?」
キアラが手に持っていたチョコレートを咄嗟 に自分の後ろに隠す。
チョコを持っている手にもおもわず力がこもる。
「ま、まぁ、そうだなァ……これ以上貰っても邪魔なだけだな……プレゼントは使わねーし、チョコみてぇなあんな甘だるっこいもんは食わねーしよォ」
「そうよね……」
キアラの表情は浮かない。
もしかしたら、気持ちとは裏腹な行動をとってしまっているからかもしれない──
「そーゆーお前は、そんなに粧 し込んでどこ行くんだ……?」
キアラの装いは通常とは異なり、いつもは履かないようなスカートを身にまとい、ヘアも軽くアップされている。
「えっ⁉︎ べ、別に私がどこに行こうが、プロシュートには関係ないでしょ⁉︎」
そう言い放つと、フンッとプロシュートに背を向ける。
そして、リゾットに『ちょっと、出かけてくる』と一声かけるとアジトを後にした。
今日はサン・バレンティーノ。
もとよりバレンタインデーはイタリアが発祥の地といわれており、別名『
直訳すると「恋人たちの記念日」とも呼ばれ、恋人たちや夫婦が、互いの愛を確認し合いお祝いする日……らしいが──
「戻ったぜ」
「ただいま〜」
ペッシと共に任務を終えたプロシュートがアジトに戻って来た。
「ペッシ、エスプレッソ」
「へィ、兄貴ッ!」
疲れたと言わんばかりにプロシュートはドカリとソファーに腰掛ける。
ペッシは両手に抱えた荷物を無造作にテーブルにドサっと置いた。
大量のチョコレートやプレゼントの山は、全てプロシュート宛だ。
「毎年えげつねー量だなァ、マジで……これどーすんだよ?」
猫を抱えながら、こちらにやって来たホルマジオが尋ねる。
プロシュートは言わずと知れた暗殺チーム1のモテ男。
サン・バレンティーノにプロシュートが大量のプレゼントを持ち帰るのはいつもの光景だ。
「ハンッ、俺はそんな甘ぇもんは食わねーし、他人から貰ったもんなんざ身につけねーよ。欲しいなら、オメーらにくれてやるぜ?」
「何だァ、その言い方はよォ〜〜⁉︎ だったら貰ってくんじゃあねーよ、クソがッ──!」
「落ち着け、ギアッチョ……プロシュートには後でアレを言ってやればいい……」
ギアッチョがキレ気味に答える傍らで、イルーゾォがなだめる様に小声で呟く。
「聞いてくれよ! 今年は俺も貰ったんだぜ! 兄貴のおこぼれだけどよォ」
ペッシが手に持っているのは小さなハート型のチョコレート。
プロシュートと一緒にちゃっかり貰っていたようだ。
「そんなことねーよ、ペッシ。あの可愛い
「何だ、ガキからかよ……」
「誰からだろうが、貰ったことには変わりねーだろ? ギアッチョ、オメーは貰えなかったからって、僻んでんじゃあねーよ」
プロシュートがまたギアッチョに挑発的な言い方をする……がしかし、ギアッチョの方はさっきとは打って変わってキレるでもなく、ニヒルな笑みを浮かべている。
それを見たプロシュートが
「ヘッ、俺だって貰ったぜ?」
「あ? オメーにチョコをくれるなんざ、相当な物好きだな……一体誰だよ?」
「誰ってよォ〜……キアラだぜ?俺はキアラから貰った」
ギアッチョが勝ち
その名前を聞いた瞬間、『どーゆー事だ⁈』と言わんばかりにプロシュートの表情が一変する
そう……さっきイルーゾォが言っていた“アレ”とはこの事だ。
「誰かさんはよォ〜今年も本命からは貰えねーんじゃあねーの?」
「あ"ぁ⁉︎ オメー、誰のこと言ってんだ……?」
プロシュートがギロリとギアッチョを睨む。
毎年山のようにプレゼントを貰うプロシュートだが、本当に欲しい相手からは毎年貰えずにいた。
「確かキアラの奴、用意したチョコは全部配り終えたって言ってたからよォ〜」
「配り終えたって──」
「ギアッチョだけじゃねーぜ? 俺ら全員、今朝キアラからチョコ貰ったよなァ」
ホルマジオもキアラから貰ったのであろうチョコを手にしている。
それを見せつけられたプロシュートが思わずペッシに向き直る。
「ペッシ、もしかしてお前も──?」
「す、すいませんッ! 兄貴には黙ってやしたが……じ、実は俺も……」
申し訳なさそうにうつむき小さくなるペッシの傍で『ざまぁーねぇ』と言わんばかりにギアッチョが中指を立てながら、ベッと舌を出してみせる。
安い挑発に乗るかと思いきや……プロシュートは大人の余裕を見せつける。
「あぁ、そーかよそーかよ。そりゃ貰えて良かったなァ……」
不意にギアッチョから顔を背け、ペッシが入れてくれたエスプレッソを口にする。
「そういやァ、キアラはどこだ?」
ホルマジオがふと辺りを見渡すも、キアラの姿は見当たらない。
さっきまでそこにいなかったか?とイルーゾォ
一体どこへ行ったのか……?いつも肝心な時にアイツはいない──
その時キアラは、リビングから少し離れたリゾットの部屋にいた。
「おい、キアラ……何故そんな所で身を隠しているんだ? 出て来い……プロシュートが呼んでるぞ?」
書類をチェックしているリゾットの
「で、どうすんだ?」
「えっ……?」
「今年はちゃんと渡すのか?それ──」
「……」
リゾットの問いかけにキアラが口をつぐむ。
もちろん、リゾットの指す“それ”とはチョコレートの事だ。
キアラが誰が為に用意した物なのか…
しばらくしてキアラはスッと立ち上がり、皆のいるリビングへ向かう。
そこで目の当たりにした山積みのプレゼントに、若干呆れた表情を浮かべる。
「今年も相変わらずすごい量ね……」
「あ? 俺の知ったことかよ……別に欲しかねーよ。でも、俺がモテるっつーことは事実だなァ」
「あっそ……まぁそれだけ貰えば、もうサン・バレンティーノなんてうんざりなんじゃないの?」
キアラが手に持っていたチョコレートを
チョコを持っている手にもおもわず力がこもる。
「ま、まぁ、そうだなァ……これ以上貰っても邪魔なだけだな……プレゼントは使わねーし、チョコみてぇなあんな甘だるっこいもんは食わねーしよォ」
「そうよね……」
キアラの表情は浮かない。
もしかしたら、気持ちとは裏腹な行動をとってしまっているからかもしれない──
「そーゆーお前は、そんなに
キアラの装いは通常とは異なり、いつもは履かないようなスカートを身にまとい、ヘアも軽くアップされている。
「えっ⁉︎ べ、別に私がどこに行こうが、プロシュートには関係ないでしょ⁉︎」
そう言い放つと、フンッとプロシュートに背を向ける。
そして、リゾットに『ちょっと、出かけてくる』と一声かけるとアジトを後にした。
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