群青
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夜更け過ぎ──
俺はとある部屋を訪れる。入り口のドアが開き、中から女が現れる。どうぞと 誘 われ、いつものように中へと通された。
「任務の帰り? じゃあ先にシャワー浴びる?」
「あぁ、そうだなァ──」
そんな会話の最中、俺はふと気付く。
「──なぁ」
「何?」
「オメー、魚なんて飼ってたか?」
窓際に水槽が置かれている。中には美しい色彩の大きなヒレを持つ魚が1匹──ゆったりと水槽内を泳いでいた。
「最近飼い始めたの……“ベタ”っていう熱帯魚──綺麗でしょう?」
「あぁ……1匹だけか?」
「そう……優雅に見えて「闘魚」なの。だから、オス同士はもちろん、繁殖時以外はメスにも攻撃してしまう……だから、1匹だけ──」
一瞬物悲しい様な表情を浮かべ、『似てるでしょう?』と、振り返り微笑む。
『勝気な性格がか?』と言った俺の軽口を、いつもなら適当に受け流すはずのアイツが、ポツリと呟く。
「私の世界は この水槽 の中だけ……一生ここからは出られない……」
「──何言ってやがんだ、オメーはよォ?」
「え……」
「少なくとも、お前は能力を使えばいつでもここから出れるんだろ? だが、そうはしない──お前はわざとここにいるんだ」
「──えぇ、そうよ。ここを出るつもりなんてないわ……だってもう、あなた無しの自分なんてありえない──」
そう言って、アイツは俺を誘惑する……その唇で──
ゆっくりと口付けてきたアイツをソファーへと押し倒す。
「よく言うぜ……」
見下ろす俺に『来て……』と言って、手を差し伸べるその姿は、まるで華やかにヒレを広げる水槽の魚の様で──
その美しい姿は、きっと誰もを魅了する──
執心 しているのは、この俺なのかもしれない……
俺はとある部屋を訪れる。入り口のドアが開き、中から女が現れる。どうぞと
「任務の帰り? じゃあ先にシャワー浴びる?」
「あぁ、そうだなァ──」
そんな会話の最中、俺はふと気付く。
「──なぁ」
「何?」
「オメー、魚なんて飼ってたか?」
窓際に水槽が置かれている。中には美しい色彩の大きなヒレを持つ魚が1匹──ゆったりと水槽内を泳いでいた。
「最近飼い始めたの……“ベタ”っていう熱帯魚──綺麗でしょう?」
「あぁ……1匹だけか?」
「そう……優雅に見えて「闘魚」なの。だから、オス同士はもちろん、繁殖時以外はメスにも攻撃してしまう……だから、1匹だけ──」
一瞬物悲しい様な表情を浮かべ、『似てるでしょう?』と、振り返り微笑む。
『勝気な性格がか?』と言った俺の軽口を、いつもなら適当に受け流すはずのアイツが、ポツリと呟く。
「私の世界は
「──何言ってやがんだ、オメーはよォ?」
「え……」
「少なくとも、お前は能力を使えばいつでもここから出れるんだろ? だが、そうはしない──お前はわざとここにいるんだ」
「──えぇ、そうよ。ここを出るつもりなんてないわ……だってもう、あなた無しの自分なんてありえない──」
そう言って、アイツは俺を誘惑する……その唇で──
ゆっくりと口付けてきたアイツをソファーへと押し倒す。
「よく言うぜ……」
見下ろす俺に『来て……』と言って、手を差し伸べるその姿は、まるで華やかにヒレを広げる水槽の魚の様で──
その美しい姿は、きっと誰もを魅了する──
the END