恋愛ジャンキー
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私の日常は──
リビングでうとうとしながら、夜更過ぎに帰宅する彼を部屋で待つこと。
彼が何の仕事をしているのか──私はそれを知る由もない……
いつも玄関の開く音がすると、リビングのテーブルに伏している私は、目を擦りながら顔を上げる。そしてやって来た彼に目を向けながら、『お帰り……』と声をかけると、そんな私を目にした彼の表情が、フッと緩んだようにも見える。
そう思ったのも束の間……すぐに唇を奪われ、寝室のベッド上へと 誘 われる。
彼は結っていたブロンドの髪を解き、上着を脱ぎ捨てると、私に覆いかぶさる。そして再び深く口付ける──
彼とのセックスは嫌いじゃない……いや、むしろ身体の相性は良い方だ。でも、それだけじゃあ足りない……いや、それだけなんじゃないかと不安になる。
だから、今日は──
玄関先でキスをしようとする彼を、やんわりと拒絶するように両手で突き放す。
「あ? どうした……?」
「……嫌」
私の言葉に彼は眉間にシワをよせ、 怪訝 そうな表情を浮かべる。
「何だ……? 気分じゃねーってことか?」
「そうじゃないけど……今日は、帰るね」
次の言葉が出てこなかった。もう、逃げてしまいたい──
そう思った私は、荷物もそのままに、玄関扉のドアノブに手をかけた。そんな私を彼が呼び止める。
「おい──ッ」
「な、何……?」
「どうしても帰るっつーなら……送る。こんな夜更に、女1人で帰らせるわけにはいかねーからなァ」
目線を外しながらそう話す彼の声色は、少しばかり低く聞こえる。
帰ってきたばかりなのに……疲れているであろう彼の手を煩わせてしまった。でも、不安だった……言葉もなく、身体だけの関係に思えてしまったから──
私じゃなくても、彼に言いよる女性なんてごまんといるはずだ。相手なんて本当は誰でもいいんじゃないか──と。
でも、そんな 天邪鬼 な私の思考を本当は塗りつぶして欲しい──そう思いながら、隣を歩く彼に問いかける。
「ねぇ──」
「何だ……?」
「手を……繋いでもいい?」
私がそう言うと、彼は優しく手を握りしめてくれる。
「ねぇ──」
「あ?」
「やっぱり、腕組みしてもいい?」
「あぁ……」
返事の後に、私は一旦繋いだ手を解き、腕を絡めてわざとギュッとしがみつく。
歩きにくいかもしれない……しかし、彼は何も言わずにそのまま一緒に隣を歩く──
正直驚いた。邪険に扱われると、そう思っていたから──
***
しばらくして、アパートにたどり着く。部屋の前まで送ってもらい、そこで絡めていた腕を解いた。
「またな……」
彼はポツリと呟くと、背を後ろに向ける。懲りない私は、やっぱり彼を呼び止める。
「ねぇ──」
「あ?」
「……上がってく?」
その言葉を聞いた彼はやるせなくため息を 溢 す。そして、再び私に向き直る。
「オメー、その言葉……今俺を家に上げる意味、分かってんのか? さっきと言ってる事が違ってんじゃあねーかよ?」
「そう、だけど……」
とりあえず、玄関扉を閉める。
不安な気持ちを打ち明けてしまおうか──でも、重たい女だとも思われたくない。
そんな事を思案し、黙ったままの私を彼が優しく抱きしめる。
「俺が帰るのは、お前のところだけだ……お前が居ないと眠れない……もちろん、セックスもするだろ? 惚れてるからなァ……お前の全てを俺の物にしたいから……」
「…………!」
スッと目が合ったかと思うと、彼から軽く口付けられる。
「キアラ、 Ti amo ……」
言わせてしまった……本当は分かっていた……でも、確認せずにはいられない──
そんなあなたの愛情に……
私は毒されているのかもしれない──
リビングでうとうとしながら、夜更過ぎに帰宅する彼を部屋で待つこと。
彼が何の仕事をしているのか──私はそれを知る由もない……
いつも玄関の開く音がすると、リビングのテーブルに伏している私は、目を擦りながら顔を上げる。そしてやって来た彼に目を向けながら、『お帰り……』と声をかけると、そんな私を目にした彼の表情が、フッと緩んだようにも見える。
そう思ったのも束の間……すぐに唇を奪われ、寝室のベッド上へと
彼は結っていたブロンドの髪を解き、上着を脱ぎ捨てると、私に覆いかぶさる。そして再び深く口付ける──
彼とのセックスは嫌いじゃない……いや、むしろ身体の相性は良い方だ。でも、それだけじゃあ足りない……いや、それだけなんじゃないかと不安になる。
だから、今日は──
玄関先でキスをしようとする彼を、やんわりと拒絶するように両手で突き放す。
「あ? どうした……?」
「……嫌」
私の言葉に彼は眉間にシワをよせ、
「何だ……? 気分じゃねーってことか?」
「そうじゃないけど……今日は、帰るね」
次の言葉が出てこなかった。もう、逃げてしまいたい──
そう思った私は、荷物もそのままに、玄関扉のドアノブに手をかけた。そんな私を彼が呼び止める。
「おい──ッ」
「な、何……?」
「どうしても帰るっつーなら……送る。こんな夜更に、女1人で帰らせるわけにはいかねーからなァ」
目線を外しながらそう話す彼の声色は、少しばかり低く聞こえる。
帰ってきたばかりなのに……疲れているであろう彼の手を煩わせてしまった。でも、不安だった……言葉もなく、身体だけの関係に思えてしまったから──
私じゃなくても、彼に言いよる女性なんてごまんといるはずだ。相手なんて本当は誰でもいいんじゃないか──と。
でも、そんな
「ねぇ──」
「何だ……?」
「手を……繋いでもいい?」
私がそう言うと、彼は優しく手を握りしめてくれる。
「ねぇ──」
「あ?」
「やっぱり、腕組みしてもいい?」
「あぁ……」
返事の後に、私は一旦繋いだ手を解き、腕を絡めてわざとギュッとしがみつく。
歩きにくいかもしれない……しかし、彼は何も言わずにそのまま一緒に隣を歩く──
正直驚いた。邪険に扱われると、そう思っていたから──
***
しばらくして、アパートにたどり着く。部屋の前まで送ってもらい、そこで絡めていた腕を解いた。
「またな……」
彼はポツリと呟くと、背を後ろに向ける。懲りない私は、やっぱり彼を呼び止める。
「ねぇ──」
「あ?」
「……上がってく?」
その言葉を聞いた彼はやるせなくため息を
「オメー、その言葉……今俺を家に上げる意味、分かってんのか? さっきと言ってる事が違ってんじゃあねーかよ?」
「そう、だけど……」
とりあえず、玄関扉を閉める。
不安な気持ちを打ち明けてしまおうか──でも、重たい女だとも思われたくない。
そんな事を思案し、黙ったままの私を彼が優しく抱きしめる。
「俺が帰るのは、お前のところだけだ……お前が居ないと眠れない……もちろん、セックスもするだろ? 惚れてるからなァ……お前の全てを俺の物にしたいから……」
「…………!」
スッと目が合ったかと思うと、彼から軽く口付けられる。
「キアラ、
言わせてしまった……本当は分かっていた……でも、確認せずにはいられない──
そんなあなたの愛情に……
私は毒されているのかもしれない──
the END