月
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窓外越しに空を仰ぎ見る。そこには、丸く薄黄色の月がぽっかりと浮かんでいた。なんだ、今日は満月か……そう思っていると、近くの雲が月を隠し始める。雲にかげってもなお、ぼんやりと辺りには明るく光がともって見える。
なぜだか不意に、頭に浮かんできたのはアイツの顔だった。その時、タイミングを測ったかのようにして、アイツから電話がかかる。
「あ、出た」
「何だよ……どうかしたのか?」
「月、見てる?」
「あぁ」
「きれいだね……」
「……そうだな」
「ねぇ……好きだよ……」
「……知ってる」
「じゃあ、また明日。おやすみ」
そう言って、一方的に切れた画面を 俯 けて、俺は窓を少し開けてみる。フワッと、カーテンが揺れて心地よい風に頬をなでられる。
おもむろに瞳を閉じると、街の雑踏に混じって、風の吹く音までもが聞こえてきそうな気がした。
「さてと、寝るか……」
ゴロリと横になったベッドの上。再び閉じたまぶたの裏側にアイツの横顔が見える――。
俺の気持ちもアイツと同じ。ただ、あの時は口に出せなかった“愛してる”を 呟 きながら、静かに眠った。
なぜだか不意に、頭に浮かんできたのはアイツの顔だった。その時、タイミングを測ったかのようにして、アイツから電話がかかる。
「あ、出た」
「何だよ……どうかしたのか?」
「月、見てる?」
「あぁ」
「きれいだね……」
「……そうだな」
「ねぇ……好きだよ……」
「……知ってる」
「じゃあ、また明日。おやすみ」
そう言って、一方的に切れた画面を
おもむろに瞳を閉じると、街の雑踏に混じって、風の吹く音までもが聞こえてきそうな気がした。
「さてと、寝るか……」
ゴロリと横になったベッドの上。再び閉じたまぶたの裏側にアイツの横顔が見える――。
俺の気持ちもアイツと同じ。ただ、あの時は口に出せなかった“愛してる”を
the END