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そして、ホワイトデー当日──
ペッシはプロシュートが来るよりも早くアジトにやって来て、キアラにこっそりプレゼントを手渡す。
「キアラ、これホワイトデーのお返し──」
「ありがとう、ペッシ!……ねぇ、開けてみてもいい?」
「う、うん……でも、兄貴が居ない今の内にしてくれよ?見つかるとあたりが強くなるんでよォ……」
「う、うん…… ?あっ、これ、欲しかったスマホケース! やっぱり、ペッシは私の事分かってる〜ありがとう!」
「い、いや〜……」
ペッシが少し照れくさそうに鼻の下を指で擦る。
その時背後に気配を感じ、ハッと振り向く──だが、そこに居たのはギアッチョだった。
プロシュートじゃないと分かったペッシは、ホッと胸を撫で下ろす。
「キアラ、これやる……」
そう言ってギアッチョが差し出したのはレモン味のキャンディー。
「ありがとう、ギアッチョ!」
キアラがそう答えると、照れ隠しもあるのかちょっとうつむき加減に『あぁ』とだけ呟いて行ってしまう。
一方で、コソッと話をしているのはイルーゾォとホルマジオだ。
「ギアッチョの奴、今年もキャンディー渡しやがったぜ……お前よォ、知ってるか? キャンディーのお返しってのはよォ〜“あなたが好きです”だぜ? あいつ、意外にストレートに表現するよなァ」
「ただ報われねーのは、キアラがその意味を多分知らないって事だな……毎年ギアッチョはキャンディーだもんなァ」
そこへテンション高めのメローネが現れた。
「キアラ〜! いつもディモールト、グラッツェ! 俺からはこれを──」
「ありがとう、メローネ!……ところでさ……それ何……?」
キアラはメローネが手にしている物を見た瞬間、困惑した表情を浮かべる。
それは、一応食べ物の様ではあるが……紫色と黄色のマーブル模様のなんとも不気味な色合いをしている。
「それはマカロンだよ! 間に挟んであるクリームの材料は── ピ──ッ! 」
「おい、メローネ──ッ! オメーは一体何をキアラに渡そうとしてんだよッ⁉︎」
ようやくやって来たプロシュートが、不気味な色のマカロンをひょいと取り上げると、即座にゴミ箱へ投げ捨てる。
「あぁ──ッ! 何すんだよ、プロシュート──ッ! せっかく作ったのに……」
「何じゃあねーよ! あんな得体の知れねーもん、よくもキアラに食わそうとしてくれたなァ、おい……9?」
プロシュートの背後に〈ザ・グレイトフル・デッド〉が薄ら見える。
それに気付いたメローネが、身の危機を感じて距離をとる。
「おいキアラ、よく聞けよ……? メローネからは今後一切何も貰うな!いいな……?」
「う、うん……メローネ、気持ちだけ受け取っておくね! ありがとう」
「つーかキアラ、今から出かけっぞ!」
「えっ、今から⁉︎」
「そうだ! モタモタすんな、行くぞ!」
「ちょっ、待ってよ〜」
キアラとプロシュートの2人がバタバタとアジトを出て行く。
そして、連れてこられたのは高級宝石店。
「え……?」
「どれが欲しいんだ? お前の好きなやつを買ってやるよ」
「い、いやいやいや、いいよ、こんな高いもの!」
「あ?金なら気にすんな。好きに選べよ?」
「私……宝石なんていらない……」
「あぁ? だったら、バッグか?それとも時計か?」
「ううん……何もいらない……」
「いらねーって……ちょっ、おい──」
キアラが無言のまま店を出て行く。
それを慌ててプロシュートが追いかける。
「何怒ってんだ? つーか、買ってやるって言ってんのによォ、怒るのもおかしくねーか? おい、聞ィてんのかよ⁈」
プロシュートが先行くキアラの腕を掴む。
その拍子にキアラが持っていた鍵を落とす。
慌てて出て来たから、ずっと握りしめたままだったのだ。
その鍵に付いている“あるモノ”に目が止まる。
「あっ……」
「お前、それ──」
プロシュートがキアラの落とした鍵を拾う。
「こんなガラクタ……まだ付けてたのかよ……?」
「だって、これは──」
プロシュートから鍵を受け取ると、キアラは1人歩いて行ってしまう。
私はただ──
キアラが落とした鍵にはキーホルダーがついていた。
どこかの店のノベルティーのようだが、別にキアラがよく行く店の物というわけではない。
鍵をなくさないよう目印にとプロシュートがくれた物だった。
プロシュートが自分にくれた初めてのプレゼント……だから、キアラにとっては“特別な物”になっていた。
思えばこの時から、キアラはプロシュートの事が好きだったのかもしれない。
ペッシはプロシュートが来るよりも早くアジトにやって来て、キアラにこっそりプレゼントを手渡す。
「キアラ、これホワイトデーのお返し──」
「ありがとう、ペッシ!……ねぇ、開けてみてもいい?」
「う、うん……でも、兄貴が居ない今の内にしてくれよ?見つかるとあたりが強くなるんでよォ……」
「う、うん…… ?あっ、これ、欲しかったスマホケース! やっぱり、ペッシは私の事分かってる〜ありがとう!」
「い、いや〜……」
ペッシが少し照れくさそうに鼻の下を指で擦る。
その時背後に気配を感じ、ハッと振り向く──だが、そこに居たのはギアッチョだった。
プロシュートじゃないと分かったペッシは、ホッと胸を撫で下ろす。
「キアラ、これやる……」
そう言ってギアッチョが差し出したのはレモン味のキャンディー。
「ありがとう、ギアッチョ!」
キアラがそう答えると、照れ隠しもあるのかちょっとうつむき加減に『あぁ』とだけ呟いて行ってしまう。
一方で、コソッと話をしているのはイルーゾォとホルマジオだ。
「ギアッチョの奴、今年もキャンディー渡しやがったぜ……お前よォ、知ってるか? キャンディーのお返しってのはよォ〜“あなたが好きです”だぜ? あいつ、意外にストレートに表現するよなァ」
「ただ報われねーのは、キアラがその意味を多分知らないって事だな……毎年ギアッチョはキャンディーだもんなァ」
そこへテンション高めのメローネが現れた。
「キアラ〜! いつもディモールト、グラッツェ! 俺からはこれを──」
「ありがとう、メローネ!……ところでさ……それ何……?」
キアラはメローネが手にしている物を見た瞬間、困惑した表情を浮かべる。
それは、一応食べ物の様ではあるが……紫色と黄色のマーブル模様のなんとも不気味な色合いをしている。
「それはマカロンだよ! 間に挟んであるクリームの材料は──
「おい、メローネ──ッ! オメーは一体何をキアラに渡そうとしてんだよッ⁉︎」
ようやくやって来たプロシュートが、不気味な色のマカロンをひょいと取り上げると、即座にゴミ箱へ投げ捨てる。
「あぁ──ッ! 何すんだよ、プロシュート──ッ! せっかく作ったのに……」
「何じゃあねーよ! あんな得体の知れねーもん、よくもキアラに食わそうとしてくれたなァ、おい……9?」
プロシュートの背後に〈ザ・グレイトフル・デッド〉が薄ら見える。
それに気付いたメローネが、身の危機を感じて距離をとる。
「おいキアラ、よく聞けよ……? メローネからは今後一切何も貰うな!いいな……?」
「う、うん……メローネ、気持ちだけ受け取っておくね! ありがとう」
「つーかキアラ、今から出かけっぞ!」
「えっ、今から⁉︎」
「そうだ! モタモタすんな、行くぞ!」
「ちょっ、待ってよ〜」
キアラとプロシュートの2人がバタバタとアジトを出て行く。
そして、連れてこられたのは高級宝石店。
「え……?」
「どれが欲しいんだ? お前の好きなやつを買ってやるよ」
「い、いやいやいや、いいよ、こんな高いもの!」
「あ?金なら気にすんな。好きに選べよ?」
「私……宝石なんていらない……」
「あぁ? だったら、バッグか?それとも時計か?」
「ううん……何もいらない……」
「いらねーって……ちょっ、おい──」
キアラが無言のまま店を出て行く。
それを慌ててプロシュートが追いかける。
「何怒ってんだ? つーか、買ってやるって言ってんのによォ、怒るのもおかしくねーか? おい、聞ィてんのかよ⁈」
プロシュートが先行くキアラの腕を掴む。
その拍子にキアラが持っていた鍵を落とす。
慌てて出て来たから、ずっと握りしめたままだったのだ。
その鍵に付いている“あるモノ”に目が止まる。
「あっ……」
「お前、それ──」
プロシュートがキアラの落とした鍵を拾う。
「こんなガラクタ……まだ付けてたのかよ……?」
「だって、これは──」
プロシュートから鍵を受け取ると、キアラは1人歩いて行ってしまう。
私はただ──
キアラが落とした鍵にはキーホルダーがついていた。
どこかの店のノベルティーのようだが、別にキアラがよく行く店の物というわけではない。
鍵をなくさないよう目印にとプロシュートがくれた物だった。
プロシュートが自分にくれた初めてのプレゼント……だから、キアラにとっては“特別な物”になっていた。
思えばこの時から、キアラはプロシュートの事が好きだったのかもしれない。