ミスター・ブルースカイ
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「ねぇ、泣いてもいい?」
なんて、あの子が聞くから──
「泣けよ、いくらでもよォ……それであんたを泣かしたソイツを忘れられるなら……いいんじゃあねーの?」
俺はいつもの口調で軽く返した。
「じゃあ、ちょっと貸してよ」
なんて、俺の胸元に顔を埋めるから、頭を優しく撫でた後、肩に腕を回して抱き寄せた。
ここで甘い言葉の一つや二つ囁けば、あわよくば見つめ合い、キスの一つや二つもできちゃいそうかもなんて、そんな下心丸出しであの子に寄り添ってはみたものの──
あの子の肩が小さく震えている。本当に泣いている──そうわかると、なんであの子がこんな思いをしなきゃあならねーんだよ──と、心底思う。本当はそんな涙なんて、流さないでほしい。あの子に涙は似合わないから──
俺はただ、あの子の笑顔を見ていたいだけ──だから俺は、おちゃらけて言ったんだ。
「泣くのはいいけどよォ、鼻水はつけんなよなァ。それはさすがに引くからよォ」
すると、言ったそばから鋭い視線を向けられて、さらには“最低”だと吐き捨てられた。
「おいおい、冗談だぜ、冗談! まぁ、あんたにはよォ、泣き顔も怒り顔も似合わねーよ。笑っとけって……なァ? Gente allegra il ciel l'aiuta.(神は陽気な人を助ける)って言うだろ? 今すぐには笑えないかもしれねーがよォ……この先は、俺があんたを笑わせる──なんてなァ」
ニカっと白い歯を見せたなら、その馬鹿馬鹿しさに、あの子も思わず笑顔になるから、俺はこのスタンスをやめない。
湿っぽいのは合わない性分。だから、この涙は夜のせいにして、明日を笑顔でむかえてほしい──
その為なら、一晩中でもその涙に付き合ってやろうじゃあねーか──と、俺はそう思った。
なんて、あの子が聞くから──
「泣けよ、いくらでもよォ……それであんたを泣かしたソイツを忘れられるなら……いいんじゃあねーの?」
俺はいつもの口調で軽く返した。
「じゃあ、ちょっと貸してよ」
なんて、俺の胸元に顔を埋めるから、頭を優しく撫でた後、肩に腕を回して抱き寄せた。
ここで甘い言葉の一つや二つ囁けば、あわよくば見つめ合い、キスの一つや二つもできちゃいそうかもなんて、そんな下心丸出しであの子に寄り添ってはみたものの──
あの子の肩が小さく震えている。本当に泣いている──そうわかると、なんであの子がこんな思いをしなきゃあならねーんだよ──と、心底思う。本当はそんな涙なんて、流さないでほしい。あの子に涙は似合わないから──
俺はただ、あの子の笑顔を見ていたいだけ──だから俺は、おちゃらけて言ったんだ。
「泣くのはいいけどよォ、鼻水はつけんなよなァ。それはさすがに引くからよォ」
すると、言ったそばから鋭い視線を向けられて、さらには“最低”だと吐き捨てられた。
「おいおい、冗談だぜ、冗談! まぁ、あんたにはよォ、泣き顔も怒り顔も似合わねーよ。笑っとけって……なァ? Gente allegra il ciel l'aiuta.(神は陽気な人を助ける)って言うだろ? 今すぐには笑えないかもしれねーがよォ……この先は、俺があんたを笑わせる──なんてなァ」
ニカっと白い歯を見せたなら、その馬鹿馬鹿しさに、あの子も思わず笑顔になるから、俺はこのスタンスをやめない。
湿っぽいのは合わない性分。だから、この涙は夜のせいにして、明日を笑顔でむかえてほしい──
その為なら、一晩中でもその涙に付き合ってやろうじゃあねーか──と、俺はそう思った。
the END
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