アイラブユー
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今日のリベッチオはいつもとは違う装いだ。多くの人が集まりいわゆる“パーティー”が開かれている。そう、今日は創業記念日なのだ。
もちろん私も、ブチャラティ達と一緒にお招きに預かり、パーティーに参加していた。
実は今日、私は誕生日だ。でも、その事は誰も知らない。メンバーには特に自分の誕生日なんて話した事はなかったし、聞かれもしないのに自分から言うのもおかしな話だと思ったからだ。でも、こうして美味しい食事に美味しいお酒を堪能できるなんて、まるで自分もお祝いしてもらっているかような気分を味わっていた。
料理をとりにふと席を立ったその時、不意に背後からミスタに話しかけられる。
「なぁ、なぁ……」
「ん、何?」
「ちょっと抜け出さね?」
「えっ──」
そう思った時には腕を掴まれて、周囲に気付かれないようにリストランテを抜け出していた。そして、近くの広場まで来た時にミスタに問いかける。
「ねぇ、いきなりどうしたの!?」
「どうしたってよォ……ちょっとだけ、お前と2人きにりなりたくてよォ……」
“2人きりになりたい”──その言葉に心臓がドキッと高鳴る。
そうこうしていると、突如として目の前に小箱を差し出される。
「……ん?」
「お前……今日誕生日だろ? だから、プレゼント! さっさと受けとれよ」
照れ隠しからか……ぶっきら棒に言い放つミスタから、プレゼントを受け取る。
「あ、ありがとう……ってか私、ミスタに話してたっけ? 誕生日──」
「前に俺から聞いた。お前の事、少しでも知りたくてよォ……覚えてねぇの?」
「そ、そうだっけ? あっ、それより開けてもいいかな?」
「あぁ……でも、最初に言っとくけどよォ、あんま期待すんなよ? プレゼントなんて知っての通り自分で選ぶ事めったにねーんだからよォ……つーかお前、ピアスの穴開いてるよな?」
「うん」
少し心配そうに問いかけるミスタを横目に、私は貰った小箱のリボンをゆっくり紐解き、蓋を開けてみる。中に入っていたのは、小花の付いたピアスだった。取り出してみると花が小さく左右に揺れた。その色は赤青白……まるでミスタの帽子をイメージしているように見えるのだ。そのピアスには、見覚えがあった。と言うのも──
「これって……私が欲しかったやつ……! どうしてミスタが──」
目を丸くする私を見て、ミスタが得意げに微笑む。
「喜んでくれたなら良かったぜ!」
「ありがとう……あ、でも私、ミスタの誕生日に何もプレゼントしてないや……」
「えっ、ちゃんとプレゼントしてくれたじゃあねーか! お前、ワインくれただろ?」
「あれは……確かに私が渡したけど、チームのみんなからだし……だから、もう過ぎちゃったけど、改めて何かプレゼントさせて?」
その言葉を受けて少し間をあけてから、ミスタがゆっくり口を開く。
「じゃあよォ……あれが欲しいかな〜」
「えっ、あれって──」
と言いかけた時には、既にミスタと唇が重なっていた。私は思わず目を見開く。
「えっ、ちょっ、ミスタ、今──!?」
「確かに誕生日プレゼント、今貰ったぜ……さてと、そろそろ戻んねーと怪しまれちまうな」
少しだけ照れ笑いを浮かべるミスタに、ちょっと自惚れてもいいのかな? なんて自問自答しながらも、ついに想いを打ち明けようと思った。ようやく決心を付けた私は、ミスタをスッと見据えた。
「ねぇ──」
「ん、なんだよ?」
「私……ミスタの事が──」
「あ! ち、ちょっと待て! その先は俺に言わせてくれ! ……これでようやくちゃんと気持ちを伝えられる」
そう言ってこっちに向ける表情は、いつもと違って真剣さが垣間見れた。私は大きく息を吸い込み、一気に吐き出すと真っ直ぐにミスタを見据えた。
「……好きだ、付き合って欲しい」
「……はい」
結局私たちはこの後パーティに戻ることはなかった。
誕生日──今宵は素敵な時を過ごせそうなそんな予感がする。
もちろん私も、ブチャラティ達と一緒にお招きに預かり、パーティーに参加していた。
実は今日、私は誕生日だ。でも、その事は誰も知らない。メンバーには特に自分の誕生日なんて話した事はなかったし、聞かれもしないのに自分から言うのもおかしな話だと思ったからだ。でも、こうして美味しい食事に美味しいお酒を堪能できるなんて、まるで自分もお祝いしてもらっているかような気分を味わっていた。
料理をとりにふと席を立ったその時、不意に背後からミスタに話しかけられる。
「なぁ、なぁ……」
「ん、何?」
「ちょっと抜け出さね?」
「えっ──」
そう思った時には腕を掴まれて、周囲に気付かれないようにリストランテを抜け出していた。そして、近くの広場まで来た時にミスタに問いかける。
「ねぇ、いきなりどうしたの!?」
「どうしたってよォ……ちょっとだけ、お前と2人きにりなりたくてよォ……」
“2人きりになりたい”──その言葉に心臓がドキッと高鳴る。
そうこうしていると、突如として目の前に小箱を差し出される。
「……ん?」
「お前……今日誕生日だろ? だから、プレゼント! さっさと受けとれよ」
照れ隠しからか……ぶっきら棒に言い放つミスタから、プレゼントを受け取る。
「あ、ありがとう……ってか私、ミスタに話してたっけ? 誕生日──」
「前に俺から聞いた。お前の事、少しでも知りたくてよォ……覚えてねぇの?」
「そ、そうだっけ? あっ、それより開けてもいいかな?」
「あぁ……でも、最初に言っとくけどよォ、あんま期待すんなよ? プレゼントなんて知っての通り自分で選ぶ事めったにねーんだからよォ……つーかお前、ピアスの穴開いてるよな?」
「うん」
少し心配そうに問いかけるミスタを横目に、私は貰った小箱のリボンをゆっくり紐解き、蓋を開けてみる。中に入っていたのは、小花の付いたピアスだった。取り出してみると花が小さく左右に揺れた。その色は赤青白……まるでミスタの帽子をイメージしているように見えるのだ。そのピアスには、見覚えがあった。と言うのも──
「これって……私が欲しかったやつ……! どうしてミスタが──」
目を丸くする私を見て、ミスタが得意げに微笑む。
「喜んでくれたなら良かったぜ!」
「ありがとう……あ、でも私、ミスタの誕生日に何もプレゼントしてないや……」
「えっ、ちゃんとプレゼントしてくれたじゃあねーか! お前、ワインくれただろ?」
「あれは……確かに私が渡したけど、チームのみんなからだし……だから、もう過ぎちゃったけど、改めて何かプレゼントさせて?」
その言葉を受けて少し間をあけてから、ミスタがゆっくり口を開く。
「じゃあよォ……あれが欲しいかな〜」
「えっ、あれって──」
と言いかけた時には、既にミスタと唇が重なっていた。私は思わず目を見開く。
「えっ、ちょっ、ミスタ、今──!?」
「確かに誕生日プレゼント、今貰ったぜ……さてと、そろそろ戻んねーと怪しまれちまうな」
少しだけ照れ笑いを浮かべるミスタに、ちょっと自惚れてもいいのかな? なんて自問自答しながらも、ついに想いを打ち明けようと思った。ようやく決心を付けた私は、ミスタをスッと見据えた。
「ねぇ──」
「ん、なんだよ?」
「私……ミスタの事が──」
「あ! ち、ちょっと待て! その先は俺に言わせてくれ! ……これでようやくちゃんと気持ちを伝えられる」
そう言ってこっちに向ける表情は、いつもと違って真剣さが垣間見れた。私は大きく息を吸い込み、一気に吐き出すと真っ直ぐにミスタを見据えた。
「……好きだ、付き合って欲しい」
「……はい」
結局私たちはこの後パーティに戻ることはなかった。
誕生日──今宵は素敵な時を過ごせそうなそんな予感がする。
the END