勘違いの恋模様
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここはいつものリストランテ──
やってくるなり俺はアイツの姿を探す。
どこに行ったのか──店内を見渡すも姿は見当たらない。俺は仕方なくブチャラティに問いかけた。
「ブチャラティ──」
「何だ、アバッキオ?」
「アイツ──どこ行ったか、知らねーか?」
「あ〜、アイツならさっき出かけて行ったが──」
「あ? 1人でか?」
「そうだが……?」
「ったく……俺もちょっと出かけてくる」
そう言って俺は、リストランテを後にする。その時ブチャラティが──
“アバッキオの奴──アイツの事になると、過保護っつーか……全く分かりやすい奴だ”と、そう思っていたなんて、知る由もない。
***
街に出てアイツが行きそうな所を回る。その勘が的中したようで、前方にアイツの姿を発見する──が、俺は思わず眉間にシワを寄せた。アイツを取り囲むようにして男が2人──世間話をしているようには見えなかった。俺は足早にアイツの元へと向かう。
「それともう一つ、言っておきたいことがあるんだがよォ──」
その会話の続きを待たずして、俺は言葉を投げつけた。
「お前……俺のツレになんか用か……?」
背後からの声に、アイツがバッと振り返る。
「ア、アバッキオ!? どうしてここに……?」
目を丸くするアイツの事はひとまず後に──俺は相手の出方を伺った。すると返ってきたのは意外な言葉。
「ツレ……か……オメー、いつのまにこんな用心棒みてぇな相手見つけたんだよ?」
「えっ!? こ、これは──」
しどろもどろするアイツをよそに、男は俺に向かって話を続ける。
「お連れさんよォ、俺は別にこいつをナンパしてたわけじゃあねぇよ。ただ連絡事項を伝えてただけだ。それとさっきの続きだが、オメー、アジトに顔を出すのは勝手だがよォ、買い置きしてある酒を持ってくな! 何度言ったらわかんだよ!」
2人の会話の趣旨が読み取れないと、俺は眉間にシワを寄せる。それに構うことなく2人の会話が続けられる。
「いや、それは……みんながお土産に持っていけって言うから──」
「アイツら……自分らの酒はひた隠しにしやがって、勝手に俺のだけ渡しやがってよォ」
俺は思った。こいつは痴話喧嘩か……? 何で他の男と仲良くしてる様を見せつけられなきゃあならねーんだ?──と。
そんな険悪な空気を読み取ったのか、オドオドしながら、緑髪の男が話を切り出した。
「あ、兄貴ィ……とりあえず、こっちの彼氏さんからもガツンと言ってもらった方がいいんじゃあないですかィ?」
「あぁ、そうだな……あんたからもコイツに言い聞かせてくれや……男がいるなら尚のこと、もう他で油売るなってよォ」
そう言って男等は立ち去って行った。
俺はゆっくりとアイツに視線を送る。そして、目が合ったタイミングで問いかける。
「あの男──お前の昔の男か……?」
「えっ、まさか〜、全然違うから。彼らも組織の──まぁ、悪友みたいな感じ?」
「組織の奴ら──そうか……」
「ところでさ、アバッキオはどうしてここに……?」
覗き込むようにして見つめられた俺は、思わず顔を背ける。最近のコイツの行動──コイツはいつも自分はモテないから大丈夫だと言って街を闊歩する。でも、そんな事はなく、今のように絡まれているのをよく見かける。だから、心配になっちまっただなんて、言えるわけはないが──
「別に……ちょっと野暮用で外に出てただけだ。まぁ、お前に話もあったからなァ。それによォ、お前の行きそうなところは、大体目星がついている」
「ふーん……ねぇ、それよりさっきの“ツレ”って……どう言う意味? 仲間? それとも──」
「妙な勘ぐりしてんじゃあねーよ。行くぞ」
「えっ、行くってどこへ?」
「お前、そこの店に行くつもりだったんだろ?」
指差す先は、ジェラートのお店。当たってるだろと今んばかりの視線を差し向ける。
「えっ、何で分かったの!? あ〜、やっぱり“ツレ”って言ってくれるだけのことはあるわ〜」
「あ? なんだそりゃ……?」
「とりあえず、行こう!」
アイツはそう言って、俺の腕に自らの腕を絡ませる。
ニコリと笑みを向けるアイツを横目に、まんまと乗せられるのもたまにはいいなと思いながら、歩く午後のひと時。
やってくるなり俺はアイツの姿を探す。
どこに行ったのか──店内を見渡すも姿は見当たらない。俺は仕方なくブチャラティに問いかけた。
「ブチャラティ──」
「何だ、アバッキオ?」
「アイツ──どこ行ったか、知らねーか?」
「あ〜、アイツならさっき出かけて行ったが──」
「あ? 1人でか?」
「そうだが……?」
「ったく……俺もちょっと出かけてくる」
そう言って俺は、リストランテを後にする。その時ブチャラティが──
“アバッキオの奴──アイツの事になると、過保護っつーか……全く分かりやすい奴だ”と、そう思っていたなんて、知る由もない。
***
街に出てアイツが行きそうな所を回る。その勘が的中したようで、前方にアイツの姿を発見する──が、俺は思わず眉間にシワを寄せた。アイツを取り囲むようにして男が2人──世間話をしているようには見えなかった。俺は足早にアイツの元へと向かう。
「それともう一つ、言っておきたいことがあるんだがよォ──」
その会話の続きを待たずして、俺は言葉を投げつけた。
「お前……俺のツレになんか用か……?」
背後からの声に、アイツがバッと振り返る。
「ア、アバッキオ!? どうしてここに……?」
目を丸くするアイツの事はひとまず後に──俺は相手の出方を伺った。すると返ってきたのは意外な言葉。
「ツレ……か……オメー、いつのまにこんな用心棒みてぇな相手見つけたんだよ?」
「えっ!? こ、これは──」
しどろもどろするアイツをよそに、男は俺に向かって話を続ける。
「お連れさんよォ、俺は別にこいつをナンパしてたわけじゃあねぇよ。ただ連絡事項を伝えてただけだ。それとさっきの続きだが、オメー、アジトに顔を出すのは勝手だがよォ、買い置きしてある酒を持ってくな! 何度言ったらわかんだよ!」
2人の会話の趣旨が読み取れないと、俺は眉間にシワを寄せる。それに構うことなく2人の会話が続けられる。
「いや、それは……みんながお土産に持っていけって言うから──」
「アイツら……自分らの酒はひた隠しにしやがって、勝手に俺のだけ渡しやがってよォ」
俺は思った。こいつは痴話喧嘩か……? 何で他の男と仲良くしてる様を見せつけられなきゃあならねーんだ?──と。
そんな険悪な空気を読み取ったのか、オドオドしながら、緑髪の男が話を切り出した。
「あ、兄貴ィ……とりあえず、こっちの彼氏さんからもガツンと言ってもらった方がいいんじゃあないですかィ?」
「あぁ、そうだな……あんたからもコイツに言い聞かせてくれや……男がいるなら尚のこと、もう他で油売るなってよォ」
そう言って男等は立ち去って行った。
俺はゆっくりとアイツに視線を送る。そして、目が合ったタイミングで問いかける。
「あの男──お前の昔の男か……?」
「えっ、まさか〜、全然違うから。彼らも組織の──まぁ、悪友みたいな感じ?」
「組織の奴ら──そうか……」
「ところでさ、アバッキオはどうしてここに……?」
覗き込むようにして見つめられた俺は、思わず顔を背ける。最近のコイツの行動──コイツはいつも自分はモテないから大丈夫だと言って街を闊歩する。でも、そんな事はなく、今のように絡まれているのをよく見かける。だから、心配になっちまっただなんて、言えるわけはないが──
「別に……ちょっと野暮用で外に出てただけだ。まぁ、お前に話もあったからなァ。それによォ、お前の行きそうなところは、大体目星がついている」
「ふーん……ねぇ、それよりさっきの“ツレ”って……どう言う意味? 仲間? それとも──」
「妙な勘ぐりしてんじゃあねーよ。行くぞ」
「えっ、行くってどこへ?」
「お前、そこの店に行くつもりだったんだろ?」
指差す先は、ジェラートのお店。当たってるだろと今んばかりの視線を差し向ける。
「えっ、何で分かったの!? あ〜、やっぱり“ツレ”って言ってくれるだけのことはあるわ〜」
「あ? なんだそりゃ……?」
「とりあえず、行こう!」
アイツはそう言って、俺の腕に自らの腕を絡ませる。
ニコリと笑みを向けるアイツを横目に、まんまと乗せられるのもたまにはいいなと思いながら、歩く午後のひと時。
the END
1/1ページ