Dandelion
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「あっ、たんぽぽ──」
アスファルトの隙間から生えている黄色い花を見下ろしながら、キアラがポツリと呟く。
「あ? なんだよ、急に……? そんな珍しいもんでもねーだろ?」
「そうだけどさ──」
その花を踏まないように、ヒョイっと飛び越えてキアラは再び歩き出す──
その傍らを歩くのはアバッキオだ。
2人は、ブチャラティから買い出しを頼まれて街に来ていた。
キアラは、アバッキオとチームを同じくしている。時折こんな風に、一緒に街に出かけることもよくあるみたいだ。
しばらくして、ふと思い出したかのようにキアラが問いかける。
「ねぇ、知ってる……? たんぽぽって、英語で“ダンデライオン”って言うんだよ」
「ダンデライオン……?」
「そう! 葉っぱとか花びらの尖とがったところがさ、“ライオンの歯”みたいだから、そう呼ぶんだって」
急にたんぽぽのウンチクを語り出すキアラに、アバッキオが眉を潜めひそめる。
誰からそんな話を聞いたのか……それには一つだけ思い当たる節があるようで──
「詳しいじゃあねーか……もしかして、ジョルノの受け売りか?」
「……当たり。何で分かったの?」
キアラが唇を尖らせながら問いかける。
それに対し、アバッキオが『お前の手の内は知れてんだよ?』と言わんばかりに、フンッと鼻を鳴らす。
「それより何で英語なんだ? ここはイタリアだぜ?」
「イタリア語……」
キアラがうわ言のように呟く。
そして今度は、少しニヒルな笑みを浮かべながら、アバッキオに視線を送る。
「確かイタリア語だと── ウン デンテ ディ レオーネ ……だったっかな?」
そこには、アバッキオのファーストネームの“レオーネ”の言葉が含まれている。
それを知りながら敢 えて話を続ける。
「なーんだ。アバッキオってば、名前で呼んで欲しいんなら、そう素直に言えばいいじゃん? だって私たち、付き合ってるんだし──」
『ねっ?』と、上目遣いに微笑んだかと思うと、おもむろに腕を組んでみせる。
そう、最近キアラとアバッキオは付き合い出したのだ──無論、チームメンバーにはまだ秘密にしている。
だから、こんな風に買い出しと称して出かけている時は、ほぼデート気分と化しているようだ。
「ちょっ、おい! いきなり引っ付くなよ⁉︎ 歩きにくいだろォがよォ」
『やめろ』と言いつつも、アバッキオの表情は満更でもない──キアラを横目に頰を緩ませる。
絡めた腕も振り払うことはなく、そのまま歩き出す。
「なぁ──」
「何……?」
「もう一回呼んでくれねーか……?」
「えっ……?」
「……名前だよ」
吐き捨てるようにそう呟くと、アバッキオは不意に顔を背ける。
「いいよ……Ti amo 、レオーネ──」
「──ッ⁉︎」
不意打ちの告白。
アバッキオは柄にもなく、顔が赤くなるのを感じた。
それに対し、キアラが悪戯 な笑みを浮かべて、さらにはやし立てる。
「あっ、赤くなってる〜」
「う、うるせーよ! いいからもう黙ってろ! じゃねーとその生意気な口をよォ、今から塞いでやるからな……?」
そう言うが早いか──アバッキオが口付ける。
角度を変えながら次第に深く──
「ん…ッ……んっ── ……」
甘い吐息の後に、ゆっくり唇を離す。
「ち、ちょっと! 外でするのはやめてよ! 見られてるし……恥ずかしいじゃん……ってか、リップうつってない⁉︎」
「あ? 知ったことかよ?」
軽くあしらわれ、焦るキアラを後目に、アバッキオは満足そうに歩き出す。
後方からは、『ちょっと、待ってよ』──と、キアラが呼びかける。
その声にやおら振り向き、『早く来いよ』と促しながらも、ちゃんと待ってくれている。
そして、再びしっかりと腕組みしながら歩き出す。
『あそこのカフェに寄って帰ろうか?』と、キアラが問えば、アバッキオが2つ返事で答える──
そんな2人の甘いひと時──
アスファルトの隙間から生えている黄色い花を見下ろしながら、キアラがポツリと呟く。
「あ? なんだよ、急に……? そんな珍しいもんでもねーだろ?」
「そうだけどさ──」
その花を踏まないように、ヒョイっと飛び越えてキアラは再び歩き出す──
その傍らを歩くのはアバッキオだ。
2人は、ブチャラティから買い出しを頼まれて街に来ていた。
キアラは、アバッキオとチームを同じくしている。時折こんな風に、一緒に街に出かけることもよくあるみたいだ。
しばらくして、ふと思い出したかのようにキアラが問いかける。
「ねぇ、知ってる……? たんぽぽって、英語で“ダンデライオン”って言うんだよ」
「ダンデライオン……?」
「そう! 葉っぱとか花びらの尖とがったところがさ、“ライオンの歯”みたいだから、そう呼ぶんだって」
急にたんぽぽのウンチクを語り出すキアラに、アバッキオが眉を潜めひそめる。
誰からそんな話を聞いたのか……それには一つだけ思い当たる節があるようで──
「詳しいじゃあねーか……もしかして、ジョルノの受け売りか?」
「……当たり。何で分かったの?」
キアラが唇を尖らせながら問いかける。
それに対し、アバッキオが『お前の手の内は知れてんだよ?』と言わんばかりに、フンッと鼻を鳴らす。
「それより何で英語なんだ? ここはイタリアだぜ?」
「イタリア語……」
キアラがうわ言のように呟く。
そして今度は、少しニヒルな笑みを浮かべながら、アバッキオに視線を送る。
「確かイタリア語だと──
そこには、アバッキオのファーストネームの“レオーネ”の言葉が含まれている。
それを知りながら
「なーんだ。アバッキオってば、名前で呼んで欲しいんなら、そう素直に言えばいいじゃん? だって私たち、付き合ってるんだし──」
『ねっ?』と、上目遣いに微笑んだかと思うと、おもむろに腕を組んでみせる。
そう、最近キアラとアバッキオは付き合い出したのだ──無論、チームメンバーにはまだ秘密にしている。
だから、こんな風に買い出しと称して出かけている時は、ほぼデート気分と化しているようだ。
「ちょっ、おい! いきなり引っ付くなよ⁉︎ 歩きにくいだろォがよォ」
『やめろ』と言いつつも、アバッキオの表情は満更でもない──キアラを横目に頰を緩ませる。
絡めた腕も振り払うことはなく、そのまま歩き出す。
「なぁ──」
「何……?」
「もう一回呼んでくれねーか……?」
「えっ……?」
「……名前だよ」
吐き捨てるようにそう呟くと、アバッキオは不意に顔を背ける。
「いいよ……Ti amo 、レオーネ──」
「──ッ⁉︎」
不意打ちの告白。
アバッキオは柄にもなく、顔が赤くなるのを感じた。
それに対し、キアラが
「あっ、赤くなってる〜」
「う、うるせーよ! いいからもう黙ってろ! じゃねーとその生意気な口をよォ、今から塞いでやるからな……?」
そう言うが早いか──アバッキオが口付ける。
角度を変えながら次第に深く──
「ん…ッ……んっ── ……」
甘い吐息の後に、ゆっくり唇を離す。
「ち、ちょっと! 外でするのはやめてよ! 見られてるし……恥ずかしいじゃん……ってか、リップうつってない⁉︎」
「あ? 知ったことかよ?」
軽くあしらわれ、焦るキアラを後目に、アバッキオは満足そうに歩き出す。
後方からは、『ちょっと、待ってよ』──と、キアラが呼びかける。
その声にやおら振り向き、『早く来いよ』と促しながらも、ちゃんと待ってくれている。
そして、再びしっかりと腕組みしながら歩き出す。
『あそこのカフェに寄って帰ろうか?』と、キアラが問えば、アバッキオが2つ返事で答える──
そんな2人の甘いひと時──
the END