一方、街に着いたキアラとブチャラティは──

「Xmasプレゼントをみんなに？」
「あぁ、Xmasと言えばプレゼントが付き物だろう？　俺も子供の時には貰っていたからな」
「まぁ、部下を労うのも幹部の役目かもね」
「特にナランチャやジョルノにはそういう雰囲気を味合わせてやりたいと思ってな──」
「ブチャラティ……」

　そう言ってブチャラティは遠くを見据えた。

「ところで、みんなへのプレゼントは何にするか決めてるの？」
「いや、それはこれから──」
「ブチャラティ、そーゆーの選ぶセンスなさそうだね……しょうがない！　私も一緒に選ぶの、付き合ってあげるよ！」
「そうしてくれると、助かる」

　と言う事で、ツリーの飾りの他に、皆のXmasプレゼントも探す事になった。

「何がいいかなぁ〜？　あっ、普段身につけているものとはどうかな？」
「そうだな」
「じゃあ、ミスタはとりあえずニット帽とか？　フーゴはネクタイかな〜？　ナランチャは〜」
「…なんだか楽しそうだな」

　ブチャラティがキアラを見て目を細める。

「えっ、そう？」
「あぁ」
「まぁ、喜んでくれる姿を想像しながら選ぶのはちょっと楽しいかな〜初めは色々あったけどさ、今は私にとってチームのみんなは、大切な仲間だから──」
「そうか……」
「ってか、ブチャラティも何がいいか考てよ！」
「あぁ、分かった」

　しばらくして、皆ヘのプレゼントの準備がほぼ完了した。

「後は、トリッシュのプレゼントか……ん〜何がいいかな〜？」
「トリッシュのプレゼントは、同性のキアラが選んだ方がハズレはないだろう」
「……いや、トリッシュへのプレゼントはブチャラティが選んであげて！」
「俺が選ぶのか？」
「その方がきっと喜ぶはずだからさ──」

　キアラがぽつりと呟く。

「ん、今何か言ったか……？」
「ううん……ほら、さっきから私ばかり選んでるから、次はブチャラティの番って言ったの！」
「分かった、分かった」

　その後、ツリーの飾りも買い終わり、アジトに戻る帰り道──
ふとブチャラティがキアラに問いかける。

「そう言えば、キアラならどんなプレゼントをサンタにお願いするんだ？」
「えっ、もしかして私もプレゼント貰えるの！？　ブチャラティサンタさん〜？」

　キアラが瞳を輝かせながら、ブチャラティを見つめる。

「さぁな……良い子にしてたら貰えるかもな」
「いい子……か……」

　急にキアラの声色が下がる。


「じゃあ、無理かな〜だって私はこの手で──」

　そう呟きながら、キアラは両手を見つめる。

「キアラ……？」
「えっ、そ、そうだな〜とりあえず今寒いから、マフラーが欲しいかな〜？」
「おい、そうじゃいう事じゃあなくて──」

　ブチャラティが言いかけた時、キアラがくしゃみをする。

「大丈夫か？」
「大丈夫、大丈夫！」
「全く……」

　そう言って、ブチャラティが自分のマフラーをとりキアラの首にかける。

「俺ので悪いが、今はそれを巻いておけ」
「あ、ありがとう」

　巻いてもらったマフラーからは、微かにブチャラティの香水が香る。

「ねぇ、ブチャラティはプレゼントには何か欲しい？」
「そうだな、俺なら──」

その時、ブチャラティは今朝のある会話を思い出した。