Amore of attimo ❺
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翌日──
いつものように、アジトにメンバーが集まり始める。その時、不意にプロシュートがリゾットに呼び止められる。
「プロシュート、ちょっといいか?」
「あぁ、俺も丁度お前に話があったところだ……」
合間を見計らい、2人はリゾットの自室へと入る。そこで唐突に耳にする話の内容に、プロシュートは戸惑いを隠せずにいた。眉間にシワを寄せ、リゾットに詰め寄り再び問い正す。
「──あ? お前、今なんて言った……?」
「あいつの任務は終了した……だからもう、ここへは戻らない──そう言ったんだ。何度も同じ事を言わせるな」
「おい、リゾット! お前は何でそんなにあっさりと受け入れられんだ!? もう来ないってよォ、俺達に顔さえ合わせず、一言もなしかよ!?」
プロシュートが思わず近くの机を蹴り上げる。そして、今度はリゾットに鋭い視線を差し向ける。
「それにだ、リゾット……その事を知っているって事はだ、アイツが最後に会いたかったのは、俺じゃあなくてお前だった……そう言うことかよ!?」
「おい、プロシュート、これには訳が──」
続きを話そうにも、少し興奮気味のプロシュートは聞く耳を持たず、そのまま話し続ける。
「リゾットよォ……俺は本気だったんだ。本気でキアラの事が好きだった。でも──アイツは、俺の事を選んじゃあいなかったんだな……」
「プロシュート、それは違う!」
「何が違うんだ……? だってそうだろう!? 形はどうであれ、1番近くにいたのは俺じゃあねぇ……お前だろ、リゾット!」
「…………」
「やっぱり俺は、アイツの心はものには出来なかった……いくらアイツを抱いたとしても心までは俺の物には出来なかったんだ……そんなのはよォ……ただ虚しいだけだな……」
普段は見せないような憂いを帯びたその表情は、リゾットでさえも痛々しく映る。そして、すぐさま反論を突き立てる。
「プロシュート、ちゃんと話を聞け」
「あぁ!? 何を聞けってんだよ!」
「キアラは確かにお前を愛していた……」
「ハンッ、何を根拠に──」
「アイツはわざとお前に会わなかったんだ……会ってしまうと気持ちが揺らぐ……お前の顔を見るとここに留 まりたくなるからと、そう俺に話した。だから、アイツは──」
「今更んな事──あー、どいつもこいつも勝手なことばかり言いやがるぜ!」
「おい、どこへ行くんだ? 話はまだ終わっていない」
「もう話すことなんてねーよ。アイツはもういない……それだけだ」
そう吐き捨てたプロシュートが、徐に入り口のドアへと向かう。そしてバンッとドアを荒っぽく閉めて出て行ってしまった。
後に残されたリゾットは、椅子に座り直し、ただ呆然と天井を仰ぎ見た。
***
アジトを後にしたプロシュートは、ただ当てもなく街を彷徨 っていた。
確かあの時の残りが──そう思い出し、胸ポケットからタバコを取り出し、火をつける。そして荒々しく紫煙をため息と共に吐き出した。
アイツが紫煙を煙たがっていたことがあったから、ずっとやめていた……だが、今はもうそんな事に気を使う必要もねーってこった……チクショー……
その時不意にとある事を思い出す。それは、アジトでの何気ない出来事──
***
「おい、お前そんなところで何やってんだ?」
植木の近くにしゃがみ込み、何かをしているキアラに話しかける。言われたアイツは、歯切れ悪くこう続けた。
「べ、別に……」
「? そうか……」
「プロシュート、あのさ……もし、またタバコが吸いたくなったら、この植木のところに来て──」
「あ? なんでまたここなんだ?」
「えっ!? ほ、ほら、浄化してくれるから!」
***
その事を思い出したプロシュートは、しばらくしてアジトに帰り着く。ちょうど誰もいない閑散としたリビングに、一瞬キアラの影をみたような気がして、すぐさまあの植木の元へと向かう。
言われた通りに来てはみたが……なんかあるのか?──と少し周りを見てみると、そこに見つけたのは、小さなメモの切れ端。広げて中を見ると、そこには殴り書きでこう書かれていた。
Voglio che mi dimentichi
(私の事は忘れて)
Ma se riesci a vederlo di nuovo, allora
(でも、未来でまた会えたなら、その時は)
Trovarmi
(私を見つけて)
「なんだよ、これ……本当勝手だな……本当によォ……」
翌日──
プロシュートは、ポッカリと大切だった“何か”が欠けている……そんな気がしてならなかった。それは何か、ワスレテイルような虚無感にも似た感情だった。
その日を境に、徐々にあの日々の記憶が薄れつつある……そんな気さえしていた。そして──
キアラが彼らの前から姿を消してから、いくつかの月日が流れた。それから再びまた彼らの元に現れることになるとは──
あの日あの場所でまた再び彼と──いや彼らと出会うことになるなんて──
***
昔を懐かしむようなプロシュートの口ぶりに、ペッシが思わず口走る。
「その人……兄貴にとって“特別な人”ってわけですねィ」
「あぁ?」
「えっ、いや、すいやせん! 余計なことでしたね!」
そんな様子を横目に、プロシュートがハンッと笑いながら「くだらねー」と行く足を早めた。後ろを追うペッシをしり目に、また会えたなら──そう思うプロシュートの元に、この先再開するでだろう彼女との話がまた始まろうとしていた。
いつものように、アジトにメンバーが集まり始める。その時、不意にプロシュートがリゾットに呼び止められる。
「プロシュート、ちょっといいか?」
「あぁ、俺も丁度お前に話があったところだ……」
合間を見計らい、2人はリゾットの自室へと入る。そこで唐突に耳にする話の内容に、プロシュートは戸惑いを隠せずにいた。眉間にシワを寄せ、リゾットに詰め寄り再び問い正す。
「──あ? お前、今なんて言った……?」
「あいつの任務は終了した……だからもう、ここへは戻らない──そう言ったんだ。何度も同じ事を言わせるな」
「おい、リゾット! お前は何でそんなにあっさりと受け入れられんだ!? もう来ないってよォ、俺達に顔さえ合わせず、一言もなしかよ!?」
プロシュートが思わず近くの机を蹴り上げる。そして、今度はリゾットに鋭い視線を差し向ける。
「それにだ、リゾット……その事を知っているって事はだ、アイツが最後に会いたかったのは、俺じゃあなくてお前だった……そう言うことかよ!?」
「おい、プロシュート、これには訳が──」
続きを話そうにも、少し興奮気味のプロシュートは聞く耳を持たず、そのまま話し続ける。
「リゾットよォ……俺は本気だったんだ。本気でキアラの事が好きだった。でも──アイツは、俺の事を選んじゃあいなかったんだな……」
「プロシュート、それは違う!」
「何が違うんだ……? だってそうだろう!? 形はどうであれ、1番近くにいたのは俺じゃあねぇ……お前だろ、リゾット!」
「…………」
「やっぱり俺は、アイツの心はものには出来なかった……いくらアイツを抱いたとしても心までは俺の物には出来なかったんだ……そんなのはよォ……ただ虚しいだけだな……」
普段は見せないような憂いを帯びたその表情は、リゾットでさえも痛々しく映る。そして、すぐさま反論を突き立てる。
「プロシュート、ちゃんと話を聞け」
「あぁ!? 何を聞けってんだよ!」
「キアラは確かにお前を愛していた……」
「ハンッ、何を根拠に──」
「アイツはわざとお前に会わなかったんだ……会ってしまうと気持ちが揺らぐ……お前の顔を見るとここに
「今更んな事──あー、どいつもこいつも勝手なことばかり言いやがるぜ!」
「おい、どこへ行くんだ? 話はまだ終わっていない」
「もう話すことなんてねーよ。アイツはもういない……それだけだ」
そう吐き捨てたプロシュートが、徐に入り口のドアへと向かう。そしてバンッとドアを荒っぽく閉めて出て行ってしまった。
後に残されたリゾットは、椅子に座り直し、ただ呆然と天井を仰ぎ見た。
***
アジトを後にしたプロシュートは、ただ当てもなく街を
確かあの時の残りが──そう思い出し、胸ポケットからタバコを取り出し、火をつける。そして荒々しく紫煙をため息と共に吐き出した。
アイツが紫煙を煙たがっていたことがあったから、ずっとやめていた……だが、今はもうそんな事に気を使う必要もねーってこった……チクショー……
その時不意にとある事を思い出す。それは、アジトでの何気ない出来事──
***
「おい、お前そんなところで何やってんだ?」
植木の近くにしゃがみ込み、何かをしているキアラに話しかける。言われたアイツは、歯切れ悪くこう続けた。
「べ、別に……」
「? そうか……」
「プロシュート、あのさ……もし、またタバコが吸いたくなったら、この植木のところに来て──」
「あ? なんでまたここなんだ?」
「えっ!? ほ、ほら、浄化してくれるから!」
***
その事を思い出したプロシュートは、しばらくしてアジトに帰り着く。ちょうど誰もいない閑散としたリビングに、一瞬キアラの影をみたような気がして、すぐさまあの植木の元へと向かう。
言われた通りに来てはみたが……なんかあるのか?──と少し周りを見てみると、そこに見つけたのは、小さなメモの切れ端。広げて中を見ると、そこには殴り書きでこう書かれていた。
Voglio che mi dimentichi
(私の事は忘れて)
Ma se riesci a vederlo di nuovo, allora
(でも、未来でまた会えたなら、その時は)
Trovarmi
(私を見つけて)
「なんだよ、これ……本当勝手だな……本当によォ……」
翌日──
プロシュートは、ポッカリと大切だった“何か”が欠けている……そんな気がしてならなかった。それは何か、ワスレテイルような虚無感にも似た感情だった。
その日を境に、徐々にあの日々の記憶が薄れつつある……そんな気さえしていた。そして──
キアラが彼らの前から姿を消してから、いくつかの月日が流れた。それから再びまた彼らの元に現れることになるとは──
あの日あの場所でまた再び彼と──いや彼らと出会うことになるなんて──
***
昔を懐かしむようなプロシュートの口ぶりに、ペッシが思わず口走る。
「その人……兄貴にとって“特別な人”ってわけですねィ」
「あぁ?」
「えっ、いや、すいやせん! 余計なことでしたね!」
そんな様子を横目に、プロシュートがハンッと笑いながら「くだらねー」と行く足を早めた。後ろを追うペッシをしり目に、また会えたなら──そう思うプロシュートの元に、この先再開するでだろう彼女との話がまた始まろうとしていた。
←To Be Continued…|/