Amore of attimo ❺
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あれから──
私を追ってきたプロシュート共に、彼の家へと戻る。プロシュートが『上がれよ』と、そう誘 うも……部屋へと踏み入れようとした瞬間、足が止まってしまう。ついさっきまであの“猫撫で声の女性”と一緒にいた……そう思うと、やはりいい気はしないものだ。
そんな私の気持ちを知ってか知らでか──背後から問いかけられる。
「どうした……?」
「……やっぱり、今日は帰るね……じゃあ、明日またアジトで──」
部屋には上がらず、そのまま外へ出ようとした瞬間に「キアラ──」と、名前を呼ばれ、それと同時に後ろから抱きすくめられる。
「えっ、ちょっ……」
驚く私とは裏腹に、プロシュートの抱き締める両手が徐々にキツくなるのを感じる──
私が『痛い』と告げると少し力が緩む。それでも離してくれようとはせず、ゆっくり耳元に寄せた唇が問いかける。
「何でそんな事言うんだ……?」
「何でって……元々これを渡しに来ただけだし、それに……ほら、リゾットに何も言ってこなかったから、一応心配させちゃ悪いかなって──」
「…………」
「プロシュート……?」
私の問いかけに、プロシュートは何も答えない。しかし、しばらくして聞こえてきた問いかけに、私は言葉を失った。
「お前……リゾットとも寝たのか?」
「──ッ!?」
その言葉を聞いた瞬間、私は力一杯プロシュートの手を振り払う。そして、振り返り鋭い視線を射し向けた。さっきまでの甘い雰囲気を一瞬にして消し去る。私は若干頭にきていた。
「は? 何それ? 私が誰とでもすぐに寝るとでも思ってんの……? ましてやリゾットとだなんて……ホント、悪い冗談──」
「──そうだな……だがよォ、お前のアイツを見る目がそう思わせんだよ……」
そう言ったプロシュートは、罰が悪そうに目線を下に落とす。私も少し冷静さを取り戻しつつ、プロシュートの次の言葉を待った。
「──リゾットは、俺から見てもいい男だ。まぁ、この俺が見込んだ男だからなァ。もちろん、信頼はしている……だが、惚れた女が一つ屋根の下、男と一緒にいるっていうのはよォ……やっぱりいい気はしねぇなァ……」
「なにそれ、やきもち?」
「──あぁ、そうかもな」
そう言ったプロシュートに口付けられそうになるのを、ひらりとかわす。肩透かしを喰らったプロシュートは、眉間にしわを寄せながら、怪訝そうな表情を浮かべる。そんな彼をよそに、私はあっさりと告げる。
「意外だわ……プロシュートって、案外独占欲が強いのね……もっとドライなのかと思ってた」
「ハンッ、言ってくれるじゃあねぇか? だが……自分でも無自覚だったが、案外相手を縛りたいと、そう思ってんのかもしれねぇなァ……いや、相手がオメーに限ってだな──」
そう言うプロシュートの瞳は、少し憂いを帯びて見える。彼がそんなにも悲しい表情を浮かべているのは、私のせいなのだろうか……?
「なぁ、キアラ……俺のところにな来いよ……」
「えっ……またまた〜、冗談でしょう? どうせさっきみたいに女の人を家に連れ込むか、もしくは自分が行っちゃうか……結局ここになんて戻って来ないくせに──」
「いや、お前がいる所なら俺は──で、どうするよ?」
プロシュートが問いかける。その表情からして、彼の言葉には誠意を感じる……しかし私は、自分の本当の思いとは裏腹な言葉を返す。何故なら、私は──
「そう言ってくれてありがとう……でも、私は今のままでいい……まぁ、その方が早く行動もできるし、それに──」
「……やっぱりか……あぁ、分かった……送る」
「ううん、大丈夫。1人で帰れるわ……じゃあ──」
『あぁ』とだけ呟いたプロシュートは、それ以外何も言わなかった。私は彼の顔をあまり見ないようにして、入り口のドアを閉める。
これでいい……何故だか私は、そう確信していた。そして、何も考えないように、足早にアジトへと急ぐ。少し息を切らしながらアジトに帰りついた私は、ゆっくりと入り口のドアを開けて中へ入る。リビングでは、リゾットが1人書類に目を通しているところだった。
「ただいま……」
そう言って、ソファーに腰を下ろす。そんな私の姿を見たリゾットが目を見開く。
「お前……戻って来たのか?」
「えっ、どうして? ここに戻ってくるのは当たり前でしょう?」
「いや、今日はてっきりプロシュートの所に泊まるのかと……そう思っていたからな──」
「プロシュートなら、家に女性を連れ込んでいたわ……まぁ、情報屋だって言ってだけどそんな事は、日常茶飯事なんでしょうね……」
気持ちを悟られないように、さらりと答えるも、ため息付いた事に気付かれてしまったのか……リゾットが眉間にシワを寄せている。そして、一旦書類を読む手を止めて、私の隣に腰を下ろして問いかける。
「キアラ……お前はそれでいいのか?」
「え……」
「本来なら、俺が口出しすることじゃあないが……アイツはお前に本気みたいだからな」
「まさかそんな事は──」
「今まではそうだったかもしれない……だが、お前が望めばアイツはすぐにでも他の女を全て切るだろう……お前だけの物にできるんだぞ?」
「何を言い出すかと思えば……」
「ん?」
「私はプロシュートの事をそんな風には思ってないわ。単なる遊び……彼だってそうでしょう?」
「キアラ、お前──」
「──ッ!」
その時だ──急にまた頭が割れる様な頭痛に襲われる。私は表情を歪めて、そのまま頭を押さえてうずくまる。
「どうした!? おい、キアラ!?」
「だ、大丈夫、だから……」
***
ここはどこだろうか……?
朦朧 とする意識の中、辺りを見渡す。しかし視界は真っ暗闇だ。その時、誰かが私に問いかける──
『お前がここに来るのは、もう何度目だ……? 時間が迫っていることは分かっているはずだ……失敗はもう許されない……』
その言葉が確信となり、さらに追い討ちをかけてくる。そう……私は──
パッと目を開けると、そこには見覚えのある天井──私は自室のベッドの上にいた。
不意に気配を感じ隣に目を向けると、そこに居たのは──
「リゾット……?」
「ようやく気がついたか……」
「私──」
「どうやらあのまま、ずっと眠っていたみたいだな……疲れが溜まっていたのだろう……いや、それ以前に無理をしていたんじゃあないのか?」
「……心配してくれてるの?」
「──とりあえず寝てろ……明日の任務は俺1人でも事足りる……だから、お前は休め」
「こんな頭痛……大した事ないよ! だから明日は私も──」
そんな私の言葉に、リゾットがため息付きながらやるせなく答える。
「任務の途中で倒れられでもしたら、かなわんからな……明日は休め、いいな……? それに……プロシュートに側にいてもらえばいいだろう……こう言う時にはアイツに甘えてればいい……」
「…………」
「いいな?」
「分かったわ……明日は大事をとる……リゾット──」
「なんだ?」
「……いや、何でもない……おやすみ」
『あぁ』と、小さく呟いたリゾットがパタン──ッと、入り口のドアを閉める。
私はあえてリゾットの言葉に従った。なぜなら任務を外されたことが、私にとっては好都合だったからだ。
時間が作れる──もちろん、プロシュートとは会わずに、私は別の任務を遂行する──
そして、不意に腕の痣に目を向ける。
さっき見た夢──私は思い出したのだ。タイムリミットが迫っている事を──
とりあえず今はこのまま休もう……そして明日──
私を追ってきたプロシュート共に、彼の家へと戻る。プロシュートが『上がれよ』と、そう
そんな私の気持ちを知ってか知らでか──背後から問いかけられる。
「どうした……?」
「……やっぱり、今日は帰るね……じゃあ、明日またアジトで──」
部屋には上がらず、そのまま外へ出ようとした瞬間に「キアラ──」と、名前を呼ばれ、それと同時に後ろから抱きすくめられる。
「えっ、ちょっ……」
驚く私とは裏腹に、プロシュートの抱き締める両手が徐々にキツくなるのを感じる──
私が『痛い』と告げると少し力が緩む。それでも離してくれようとはせず、ゆっくり耳元に寄せた唇が問いかける。
「何でそんな事言うんだ……?」
「何でって……元々これを渡しに来ただけだし、それに……ほら、リゾットに何も言ってこなかったから、一応心配させちゃ悪いかなって──」
「…………」
「プロシュート……?」
私の問いかけに、プロシュートは何も答えない。しかし、しばらくして聞こえてきた問いかけに、私は言葉を失った。
「お前……リゾットとも寝たのか?」
「──ッ!?」
その言葉を聞いた瞬間、私は力一杯プロシュートの手を振り払う。そして、振り返り鋭い視線を射し向けた。さっきまでの甘い雰囲気を一瞬にして消し去る。私は若干頭にきていた。
「は? 何それ? 私が誰とでもすぐに寝るとでも思ってんの……? ましてやリゾットとだなんて……ホント、悪い冗談──」
「──そうだな……だがよォ、お前のアイツを見る目がそう思わせんだよ……」
そう言ったプロシュートは、罰が悪そうに目線を下に落とす。私も少し冷静さを取り戻しつつ、プロシュートの次の言葉を待った。
「──リゾットは、俺から見てもいい男だ。まぁ、この俺が見込んだ男だからなァ。もちろん、信頼はしている……だが、惚れた女が一つ屋根の下、男と一緒にいるっていうのはよォ……やっぱりいい気はしねぇなァ……」
「なにそれ、やきもち?」
「──あぁ、そうかもな」
そう言ったプロシュートに口付けられそうになるのを、ひらりとかわす。肩透かしを喰らったプロシュートは、眉間にしわを寄せながら、怪訝そうな表情を浮かべる。そんな彼をよそに、私はあっさりと告げる。
「意外だわ……プロシュートって、案外独占欲が強いのね……もっとドライなのかと思ってた」
「ハンッ、言ってくれるじゃあねぇか? だが……自分でも無自覚だったが、案外相手を縛りたいと、そう思ってんのかもしれねぇなァ……いや、相手がオメーに限ってだな──」
そう言うプロシュートの瞳は、少し憂いを帯びて見える。彼がそんなにも悲しい表情を浮かべているのは、私のせいなのだろうか……?
「なぁ、キアラ……俺のところにな来いよ……」
「えっ……またまた〜、冗談でしょう? どうせさっきみたいに女の人を家に連れ込むか、もしくは自分が行っちゃうか……結局ここになんて戻って来ないくせに──」
「いや、お前がいる所なら俺は──で、どうするよ?」
プロシュートが問いかける。その表情からして、彼の言葉には誠意を感じる……しかし私は、自分の本当の思いとは裏腹な言葉を返す。何故なら、私は──
「そう言ってくれてありがとう……でも、私は今のままでいい……まぁ、その方が早く行動もできるし、それに──」
「……やっぱりか……あぁ、分かった……送る」
「ううん、大丈夫。1人で帰れるわ……じゃあ──」
『あぁ』とだけ呟いたプロシュートは、それ以外何も言わなかった。私は彼の顔をあまり見ないようにして、入り口のドアを閉める。
これでいい……何故だか私は、そう確信していた。そして、何も考えないように、足早にアジトへと急ぐ。少し息を切らしながらアジトに帰りついた私は、ゆっくりと入り口のドアを開けて中へ入る。リビングでは、リゾットが1人書類に目を通しているところだった。
「ただいま……」
そう言って、ソファーに腰を下ろす。そんな私の姿を見たリゾットが目を見開く。
「お前……戻って来たのか?」
「えっ、どうして? ここに戻ってくるのは当たり前でしょう?」
「いや、今日はてっきりプロシュートの所に泊まるのかと……そう思っていたからな──」
「プロシュートなら、家に女性を連れ込んでいたわ……まぁ、情報屋だって言ってだけどそんな事は、日常茶飯事なんでしょうね……」
気持ちを悟られないように、さらりと答えるも、ため息付いた事に気付かれてしまったのか……リゾットが眉間にシワを寄せている。そして、一旦書類を読む手を止めて、私の隣に腰を下ろして問いかける。
「キアラ……お前はそれでいいのか?」
「え……」
「本来なら、俺が口出しすることじゃあないが……アイツはお前に本気みたいだからな」
「まさかそんな事は──」
「今まではそうだったかもしれない……だが、お前が望めばアイツはすぐにでも他の女を全て切るだろう……お前だけの物にできるんだぞ?」
「何を言い出すかと思えば……」
「ん?」
「私はプロシュートの事をそんな風には思ってないわ。単なる遊び……彼だってそうでしょう?」
「キアラ、お前──」
「──ッ!」
その時だ──急にまた頭が割れる様な頭痛に襲われる。私は表情を歪めて、そのまま頭を押さえてうずくまる。
「どうした!? おい、キアラ!?」
「だ、大丈夫、だから……」
***
ここはどこだろうか……?
『お前がここに来るのは、もう何度目だ……? 時間が迫っていることは分かっているはずだ……失敗はもう許されない……』
その言葉が確信となり、さらに追い討ちをかけてくる。そう……私は──
パッと目を開けると、そこには見覚えのある天井──私は自室のベッドの上にいた。
不意に気配を感じ隣に目を向けると、そこに居たのは──
「リゾット……?」
「ようやく気がついたか……」
「私──」
「どうやらあのまま、ずっと眠っていたみたいだな……疲れが溜まっていたのだろう……いや、それ以前に無理をしていたんじゃあないのか?」
「……心配してくれてるの?」
「──とりあえず寝てろ……明日の任務は俺1人でも事足りる……だから、お前は休め」
「こんな頭痛……大した事ないよ! だから明日は私も──」
そんな私の言葉に、リゾットがため息付きながらやるせなく答える。
「任務の途中で倒れられでもしたら、かなわんからな……明日は休め、いいな……? それに……プロシュートに側にいてもらえばいいだろう……こう言う時にはアイツに甘えてればいい……」
「…………」
「いいな?」
「分かったわ……明日は大事をとる……リゾット──」
「なんだ?」
「……いや、何でもない……おやすみ」
『あぁ』と、小さく呟いたリゾットがパタン──ッと、入り口のドアを閉める。
私はあえてリゾットの言葉に従った。なぜなら任務を外されたことが、私にとっては好都合だったからだ。
時間が作れる──もちろん、プロシュートとは会わずに、私は別の任務を遂行する──
そして、不意に腕の痣に目を向ける。
さっき見た夢──私は思い出したのだ。タイムリミットが迫っている事を──
とりあえず今はこのまま休もう……そして明日──