Amore of attimo ❹
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この部屋は、窓際にベッドが配置されている。少しだけカーテンが開いていたのか……その隙間から光が差し込む──
朝か……? 丁度顔に当たる陽の光を煩わしく思いながら、徐 に目を開ける。若干頭が痛む……昨日飲み過ぎたか──そう思い起こし、額を押さえながらゆっくりと上体を起こす。ふと隣に目を向けると、そこには一矢纏 わぬキアラの姿がある……無論、俺自身も。
俺は昨日、キアラと──
何故こうなったのか……もちろん記憶はある。確かに酒は入っていたが、決して酔った勢いじゃあない、これだけは確かだ。俺は、キアラを抱きたい──そう思ったから抱いたんだ。それはアイツも合意の上──つまり俺は、柄にもなく気持ちを打ち明けちまったのか……? キアラの事が好きだと──
隣のアイツはまだ眠っていやがる。そっと梳 かすようにキアラの髪に触れながら、指で頰を優しく撫でる──こんなにも赤の他人を愛しく思うなんざ、本当らしくねぇ……と、思いながら、軽く触れるように額にキスを落とす。
チラリと覗く透き通るような白い肌に、赤く跡が残されている。無論、昨日俺がつけたやつだ。背中からのゆるやかな曲線を横目に、何てエロい体してやがるんだと思わずにはいられない……無性にまた抱きたくなる──そんな衝動を抑えるかの如く、一旦視線を逸 らした。ったく、セックスを覚えたばかりのガキかっつーんだよ? ……本当、どうかしちまってるな、俺──
そんな事を思っていると、隣でごそっと体が動く──キアラが目覚めた様だ。
「んっ……朝……?」
「あぁ……ようやくお目覚めか?Principessa よォ……?」
「プロシュート……お、おはよ……」
そう言ったかと思うと、キアラが徐にシーツに包まる。そして、俺に背を向ける。
「おいおい、昨日の大胆さはどうしたァ? 何急にしおらしくしてんだよ?」
「ち、違うし……別に、そんなんじゃ──」
「じゃあ、もっとよく見せろよ……?」
シーツを剥ぎ取り、再びキアラを組み敷こうとした次の瞬間──ドアを激しく叩く音が聞こえてきた。その激しさに、思わず動きが止まる。コイツはまさか──
「おい、キアラ──ッ! テメー、いつまで寝てんだァ!? 今日は、朝から出かけるって言ってただろうが、クソが──ッ! 起きてんだったらよォ〜、とっとと早く来やがれェ!」
やって来たのは予想通り、ギアッチョだ。尋常じゃない勢いでドアを蹴りまくっている。壊れるんじゃあないのか……それには流石のキアラも青ざめる。
「やばい……そうだった……今日は朝からターゲットの身辺調査に行くんだった! 忘れてた──ッ!」
とりあえずギアッチョを宥 めるようにドアに向かって『着替えたら直ぐ行くから、ちょっと待ってて!』と、大声で叫ぶ。それが聞こえたのか……『早くしろよ』とだけ言い残し、ギアッチョの足音が遠ざかる。その傍ら、キアラが素早く着替えて、準備を整える。
「プロシュート、ごめん……タイミングを見計らって出て! じゃあ──」
「──おい、ちょっと待てよ」
あっさり出ていこうとするキアラを思わず呼び止めてしまう。俺の声に振り返ったアイツを、衝動的にも引き寄せ口付ける。そして、唐突な出来事に目を丸くするアイツに言い放つ。
「……また後で」
「う、うん……」
部屋を出て行くキアラの後ろ姿を見送りながら、残された俺は再びベッドへと伏した。そして、改めて状況を整理してみる。
合意の上とは言え……組織の幹部に手を出したってのは、流石にちょっとまずいかもな……俺自身はいいとしても、チームの境遇が悪くなるのは避けたいところだな──
そんな事を考えていた矢先、今度は静かにドアをノックする音が聞こえる。次から次へと……今度は誰だ? 面倒ごとにはなりたくないと思い、声を殺して息を潜める。
「プロシュート、そこにいるんだろう? 俺だ、出てこい」
やって来たのはリゾットだった。名指しされてしまったからには、もう隠れても無駄だと悟り、とりあえずさっと身なりを整え部屋の外へと出る。リゾットに一瞬眼を当てるが、何となく視線を逸らす。昨晩から自分がキアラと一緒だった事を見透かされていた事が、少し気まずく思えた。
「アイツは既に、ギアッチョと出かけた。アジトには俺以外誰もいないが……とりあえず、俺の部屋に来い──」
そう言われて、黙って後について行く。リゾットの後ろ姿に、若干の違和感を感じる。その理由に気付くのは、もう少し後のことだが──
とりあえず、言われた通りにリゾットの部屋へと入る。
「どうした? わざわざ場所まで変えてよォ?」
「──お前に聞きたいことがある」
「何だよ?」
「お前、どう思った……? 先日のキアラの話を──」
そこまで言って、リゾットは口をつぐむ。昨夜の事を問われるかと思っていた分、妙な安堵感が込み上げる。
「アイツが口にした“ソルベとジェラート”の事か? そうだな……アイツら元々いかれてやがるからなァ……だが、今のところ特に不穏な動きはない……そうだろ?」
「あぁ……俺が見ている限りはな……」
そう言ったリゾットが徐に遠くを見据える。その言葉の先に何か含みを持たせるかの如く。
「まぁ、特にアイツらは、元々どこで何をしているかなんざ、そんな事まで細かく把握しちゃあいねーしよォ……だが、幹部のアイツがわざわざ公言したってのは引っかかるな……それにアイツはボスへ裏切りを口にしている……だからと言うわけじゃあねーが、アイツは俺達を“仲間”だと言った……俺はその言葉を信じたい……なんてな」
思わず口にしてしまった言葉に、リゾットは若干呆れているのか……軽くため息付く。
「随分と、肩入れしてるな……キアラに──」
「あぁ?」
「俺達は、必要な時だけこき使われ……信用などされるはずがない……だが、アイツはそうじゃないとでも……? プロシュート、お前……本気でそう思っているのか……?」
リゾットが薄ら笑いを浮かべながら俺を見据える。だが、その瞳は笑っちゃいない。言い草にも若干の刺を感じながら、口籠る俺にリゾットが更に続ける。
「お前は受けたのだろう……キアラの能力を──俺の知る限り……アイツは、自分の異空間内を自由に支配することができる……そこに入ったら最後……空気をなくせば窒息死、圧を加えて圧死させる事もできる、空気から水や火薬をも作り出してしまうから、溺死や焼死も可能……本当に末恐ろしい能力だな……そんな奴を信用するだと……?」
「じゃあ、逆に聞かせてもらうがよォ、リゾット……お前こそどうなんだ?」
「──どうとは何がだ?」
「キアラの事……本当に何とも思ってねーのか? 警戒心の強いお前が、なぜアイツの事はすんなり受け入れた……?」
「俺はただ、幹部命令に従ったまでだ──」
「ハンッ、そうかよ……じゃあよォ、もし俺が、アイツをここから連れて行きたい──そう言ったらお前……どうする?」
俺の無鉄砲な問いかけにも表情一つ変えず、リゾットが言い放つ。
「俺は別に構わん……だが、アイツの意見は尊重しろ……もし、アイツがらここにいると言った時はそうしてもらう」
「リゾット、お前──」
「何だ……?」
「いや……オメーの言いたい事は大体分かった。この話は、また後でだ」
そう告げると、俺は一旦アジトから家へと帰る。
リゾット……オメーは気付いているのか……? 自分がどんな顔して、アイツの事を口にしていたのかを──
朝か……? 丁度顔に当たる陽の光を煩わしく思いながら、
俺は昨日、キアラと──
何故こうなったのか……もちろん記憶はある。確かに酒は入っていたが、決して酔った勢いじゃあない、これだけは確かだ。俺は、キアラを抱きたい──そう思ったから抱いたんだ。それはアイツも合意の上──つまり俺は、柄にもなく気持ちを打ち明けちまったのか……? キアラの事が好きだと──
隣のアイツはまだ眠っていやがる。そっと
チラリと覗く透き通るような白い肌に、赤く跡が残されている。無論、昨日俺がつけたやつだ。背中からのゆるやかな曲線を横目に、何てエロい体してやがるんだと思わずにはいられない……無性にまた抱きたくなる──そんな衝動を抑えるかの如く、一旦視線を
そんな事を思っていると、隣でごそっと体が動く──キアラが目覚めた様だ。
「んっ……朝……?」
「あぁ……ようやくお目覚めか?
「プロシュート……お、おはよ……」
そう言ったかと思うと、キアラが徐にシーツに包まる。そして、俺に背を向ける。
「おいおい、昨日の大胆さはどうしたァ? 何急にしおらしくしてんだよ?」
「ち、違うし……別に、そんなんじゃ──」
「じゃあ、もっとよく見せろよ……?」
シーツを剥ぎ取り、再びキアラを組み敷こうとした次の瞬間──ドアを激しく叩く音が聞こえてきた。その激しさに、思わず動きが止まる。コイツはまさか──
「おい、キアラ──ッ! テメー、いつまで寝てんだァ!? 今日は、朝から出かけるって言ってただろうが、クソが──ッ! 起きてんだったらよォ〜、とっとと早く来やがれェ!」
やって来たのは予想通り、ギアッチョだ。尋常じゃない勢いでドアを蹴りまくっている。壊れるんじゃあないのか……それには流石のキアラも青ざめる。
「やばい……そうだった……今日は朝からターゲットの身辺調査に行くんだった! 忘れてた──ッ!」
とりあえずギアッチョを
「プロシュート、ごめん……タイミングを見計らって出て! じゃあ──」
「──おい、ちょっと待てよ」
あっさり出ていこうとするキアラを思わず呼び止めてしまう。俺の声に振り返ったアイツを、衝動的にも引き寄せ口付ける。そして、唐突な出来事に目を丸くするアイツに言い放つ。
「……また後で」
「う、うん……」
部屋を出て行くキアラの後ろ姿を見送りながら、残された俺は再びベッドへと伏した。そして、改めて状況を整理してみる。
合意の上とは言え……組織の幹部に手を出したってのは、流石にちょっとまずいかもな……俺自身はいいとしても、チームの境遇が悪くなるのは避けたいところだな──
そんな事を考えていた矢先、今度は静かにドアをノックする音が聞こえる。次から次へと……今度は誰だ? 面倒ごとにはなりたくないと思い、声を殺して息を潜める。
「プロシュート、そこにいるんだろう? 俺だ、出てこい」
やって来たのはリゾットだった。名指しされてしまったからには、もう隠れても無駄だと悟り、とりあえずさっと身なりを整え部屋の外へと出る。リゾットに一瞬眼を当てるが、何となく視線を逸らす。昨晩から自分がキアラと一緒だった事を見透かされていた事が、少し気まずく思えた。
「アイツは既に、ギアッチョと出かけた。アジトには俺以外誰もいないが……とりあえず、俺の部屋に来い──」
そう言われて、黙って後について行く。リゾットの後ろ姿に、若干の違和感を感じる。その理由に気付くのは、もう少し後のことだが──
とりあえず、言われた通りにリゾットの部屋へと入る。
「どうした? わざわざ場所まで変えてよォ?」
「──お前に聞きたいことがある」
「何だよ?」
「お前、どう思った……? 先日のキアラの話を──」
そこまで言って、リゾットは口をつぐむ。昨夜の事を問われるかと思っていた分、妙な安堵感が込み上げる。
「アイツが口にした“ソルベとジェラート”の事か? そうだな……アイツら元々いかれてやがるからなァ……だが、今のところ特に不穏な動きはない……そうだろ?」
「あぁ……俺が見ている限りはな……」
そう言ったリゾットが徐に遠くを見据える。その言葉の先に何か含みを持たせるかの如く。
「まぁ、特にアイツらは、元々どこで何をしているかなんざ、そんな事まで細かく把握しちゃあいねーしよォ……だが、幹部のアイツがわざわざ公言したってのは引っかかるな……それにアイツはボスへ裏切りを口にしている……だからと言うわけじゃあねーが、アイツは俺達を“仲間”だと言った……俺はその言葉を信じたい……なんてな」
思わず口にしてしまった言葉に、リゾットは若干呆れているのか……軽くため息付く。
「随分と、肩入れしてるな……キアラに──」
「あぁ?」
「俺達は、必要な時だけこき使われ……信用などされるはずがない……だが、アイツはそうじゃないとでも……? プロシュート、お前……本気でそう思っているのか……?」
リゾットが薄ら笑いを浮かべながら俺を見据える。だが、その瞳は笑っちゃいない。言い草にも若干の刺を感じながら、口籠る俺にリゾットが更に続ける。
「お前は受けたのだろう……キアラの能力を──俺の知る限り……アイツは、自分の異空間内を自由に支配することができる……そこに入ったら最後……空気をなくせば窒息死、圧を加えて圧死させる事もできる、空気から水や火薬をも作り出してしまうから、溺死や焼死も可能……本当に末恐ろしい能力だな……そんな奴を信用するだと……?」
「じゃあ、逆に聞かせてもらうがよォ、リゾット……お前こそどうなんだ?」
「──どうとは何がだ?」
「キアラの事……本当に何とも思ってねーのか? 警戒心の強いお前が、なぜアイツの事はすんなり受け入れた……?」
「俺はただ、幹部命令に従ったまでだ──」
「ハンッ、そうかよ……じゃあよォ、もし俺が、アイツをここから連れて行きたい──そう言ったらお前……どうする?」
俺の無鉄砲な問いかけにも表情一つ変えず、リゾットが言い放つ。
「俺は別に構わん……だが、アイツの意見は尊重しろ……もし、アイツがらここにいると言った時はそうしてもらう」
「リゾット、お前──」
「何だ……?」
「いや……オメーの言いたい事は大体分かった。この話は、また後でだ」
そう告げると、俺は一旦アジトから家へと帰る。
リゾット……オメーは気付いているのか……? 自分がどんな顔して、アイツの事を口にしていたのかを──