Amore of attimo ❶
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
これは、昔話──
キアラが暗殺チームにいた一時の物語──
その日は、とある任務をやる予定だった。仕込みも事前にやっていたので文字通り完璧だった。
しかし早朝、いきなりリゾットの部屋に呼びつけられ、その内容におもわず食ってかかる。
「あぁ!? どういう事だよ!? 今回の任務は、俺1人で十分だと言ったのはオメーだろうが、リゾットよォ!?」
「そうなんだが…… 幹部 からの命令だ」
「上からって……だいたい助っ人なんざ必要ねーだろ!? 俺らだけじゃあ役不足だっつー事かよ!?」
幹部のそういう所が気に食わねぇと、イライラの吐口にガンッ──と、机を蹴り上げる。
それを 宥 めるかのように、リゾットが話を続ける。
「意図は分からん……ターゲットが特殊な奴なのかもしれん……とにかく、幹部からの命令と言う事は、つまりはボスからの命令と言っても過言じゃあないからな……まぁ、ここは大人しく素直に従った方が身の為──」
「…………」
不意に口をつぐむ。
些か不満はあるものの“ボス”の名が出た以上、その命令に下っ端は従わざるおえない……舌打ちを1つして、それからゆっくりとリゾットに問いかける。
「で、そいつはどんな野郎だ? つまりは、新人って事だろ? まぁ、暗殺チームに来るって事は、まともな奴じゃあないって事だけは分かるがなァ……」
ここで言う、“まともじゃあない”──この言葉はつまり“スタンド使い”を意味する。スタンド使いにはスタンド使いでしか対抗し難い。
スタンド能力には、互いに相性もあるし、 拮抗 しうる状況を回避する為にも、相手の能力は知っておきたいところ──しかし、まだ得体の知れない奴に、そう易々と自らの能力は郊外したくはない──誰だって手の内はそう簡単に明かしたくはないものだ。
そんな思惑の問いかけに、リゾットが渋い表情を浮かべている。
「さぁな……」
「あ? どーゆーことだ? まさか知らねーんじゃあねーだろうな……?」
「とりあえず、このカフェで待ち合わせみたいだな……」
こっちの問いかけを後目に、リゾットが待ち合わせ場所を地図にて指し示す。
「待ち合わせ……? 野郎とかよ⁉︎ 随分ふざけてるじゃあねーか?」
「とりあえず、組織が俺達チームに差し向けた人物には、用心するに越した事はない」
「あぁ、分かってるぜ。とりあえず、俺が見極めてくりゃあいいって事だな」
「ターゲットを始末するのは今夜だ……まだ時間はある。それまでに ストラテジー を伝えておけ」
「あぁ……」
しばらくして、地図の場所へと向かった。その道中、なんとなく見張られているような……妙な感覚を覚える。
一応周囲を警戒しつつ、目的地へと辿り着く。
結構目立つテラス席へといざな誘われ、ドカりと椅子に腰掛ける。そして再び周囲を警戒し始める。
現在、待ち合わせ時間の10分前。今のところ、特に変わった様子はないな……そう思いながら、タバコに火を付けようとした時、1人の女が話しかけてきた。
「ここ……相席してもいいかしら?」
女に目線を当ててみる。スラットした体系、目鼻立ちもスッとしていて、容姿はなかなかの bella だ……色気を放つぽってりとした口元を上げて、ニコリと微笑むその表情は、どこかあどけなさがあり、少し幼く見えなくもない。
普段なら、相席を許すところだが……今は状況が状況だ。だから、いつにも増して張り詰めた雰囲気を漂わせ、無愛想に振る舞う。
「あ? 席は他にも空いてるだろ? 悪いが向こうに行ってくれ……」
「別にいいでしょう? それに……現にここは空いてるじゃあない?」
そう言いながら、女は強引に向かい側の椅子に座る。その行動に舌打ちをして、さっき来たばかりの飲み物を口にする。
そしてあからさまに、怪訝そうな表情を浮かべたが、女はそんな事を物ともせず、再び話しかけてくる。
「ねぇ、それ何飲んでるの? エスプレッソ?」
「…………」
「ねぇ、ちょっと聞いてるんだけど──」
「あ? そうだ……」
ごちゃごちゃウルセー女だな……だが、冷たくあしらえばそのうちどこかに行くだろう──そう思ったのが浅はかだった。
女は一向に立ち去る気配もなく、下らない質問を次々と投げかけてくる。
「お兄さん、男前ね」
「そりゃ、どーも」
「モテるでしょう?」
「まぁ、それなりに」
「自分で認めちゃってるし……ねぇ、仕事は何してるの?」
「さぁな」
「ふーん……スーツだから、商社マンとか? でも、平日の昼間からカフェにいるなんて──」
女はテーブルに頬杖をつきながら、こちらに視線を当てている。職業を真面目に考えているのか……チラリと目を向けると、時折眉間にシワを寄せている。
全く、暇な奴だな……と思ったその時、女が急に思わぬ言葉を口にする。
「じゃあそろそろ、お兄さんの正体……当てちゃおっかな〜?」
そう言った女の目つきが妙に鋭く映り、思わず息を呑んでしまう。
『今、俺の“正体”って言わなかったか? 一体どういう意味だ……?』と、些か疑問に思いもしたが、言い当てる事なんぞ出来るはずが無い……無論そう思っていた。
しかし、女の口から出たのは予想外の言葉。
「お兄さん……ギャング、でしょう? パッショーネの。所属は暗殺チーム──名前はプロシュート」
「──ッ!?」
『当たってる?』と言って、女はニヒルな笑みを浮かべる。その傍らで、思わず目を見開いてしまう。当然だ……言っている事全てが的を射ていた。何もかもが──
これが口からの出まかせには到底思えない。確実にコイツは知っている……組織を……そして俺の事を──
さっきとは打って変わり、鋭い視線を女に差し向ける。
「テメー……、何者だァッ!?」
そう言うが早いか──女が小声で何やら呟いた。何だかヤバイ気がする──勘を働かせてスタンド能力を発動させた。
「〈ジッター・バグ〉」
「〈ザ・グレート・フルデッド──〉」
しかし、一足遅かったようだ。一瞬にして周囲が真っ暗闇に包まれる……さっきまで聞こえていた街の雑踏さえも遮られている。
つまりここは、異空間──完全に閉じ込められてしまった。
「こ、ここは、どこだ⁉︎ テメー、一体何をした!?」
しばらくすると、周りが薄っすら見えてくる──段々と目が慣れてきたようだ。
その時、コツコツコツ──と、ヒールが地面を叩く音がし始める。その音が徐々に自分の方へと近付いて来るのが分かった。
その音がピタリと止んだ時、急に身動きがとれないくらいの圧力に襲われ、床にねじ伏せられてしまう。
「クッ……、テ、テメー……ッ──」
見上げる俺と見下ろす女……2つの視線がぶつかる。
本当にさっきの女か……? と 見紛 う程に、冷酷な雰囲気を漂わせている。そう思った矢先、女が話しかけてきた。
「それ、あなたのスタンドよね? 確か〈ザ・グレート・フルデッド〉──」
「おい、何でその事を知っている⁉︎ それに──どうして俺のスタンド能力が効かねーんだ⁉︎」
「それは私の能力が発動しているから……この異空間に入ったら最後──スタンドは使えない……それに、この歳でおばあちゃんになるなんて、ごめんだわ……いいから早くそれ、しまってるくれない? ……ね?」
〈ザ・グレート・フルデッド〉を指差しながら、女はこの場に似つかわしくない程の和 かな笑みを俺に差し向ける。そのあまりにもあどけなく可憐な表情に、思わず見惚れてしまう。全く……こんな状況なのにどうかしちまってるぜ──と、自分自身に呆れてしまった。
それにしてもこの女……一体何者なのか?
これがこの女──
キアラとの、一見最悪な出会いだった。
キアラが暗殺チームにいた一時の物語──
その日は、とある任務をやる予定だった。仕込みも事前にやっていたので文字通り完璧だった。
しかし早朝、いきなりリゾットの部屋に呼びつけられ、その内容におもわず食ってかかる。
「あぁ!? どういう事だよ!? 今回の任務は、俺1人で十分だと言ったのはオメーだろうが、リゾットよォ!?」
「そうなんだが……
「上からって……だいたい助っ人なんざ必要ねーだろ!? 俺らだけじゃあ役不足だっつー事かよ!?」
幹部のそういう所が気に食わねぇと、イライラの吐口にガンッ──と、机を蹴り上げる。
それを
「意図は分からん……ターゲットが特殊な奴なのかもしれん……とにかく、幹部からの命令と言う事は、つまりはボスからの命令と言っても過言じゃあないからな……まぁ、ここは大人しく素直に従った方が身の為──」
「…………」
不意に口をつぐむ。
些か不満はあるものの“ボス”の名が出た以上、その命令に下っ端は従わざるおえない……舌打ちを1つして、それからゆっくりとリゾットに問いかける。
「で、そいつはどんな野郎だ? つまりは、新人って事だろ? まぁ、暗殺チームに来るって事は、まともな奴じゃあないって事だけは分かるがなァ……」
ここで言う、“まともじゃあない”──この言葉はつまり“スタンド使い”を意味する。スタンド使いにはスタンド使いでしか対抗し難い。
スタンド能力には、互いに相性もあるし、
そんな思惑の問いかけに、リゾットが渋い表情を浮かべている。
「さぁな……」
「あ? どーゆーことだ? まさか知らねーんじゃあねーだろうな……?」
「とりあえず、このカフェで待ち合わせみたいだな……」
こっちの問いかけを後目に、リゾットが待ち合わせ場所を地図にて指し示す。
「待ち合わせ……? 野郎とかよ⁉︎ 随分ふざけてるじゃあねーか?」
「とりあえず、組織が俺達チームに差し向けた人物には、用心するに越した事はない」
「あぁ、分かってるぜ。とりあえず、俺が見極めてくりゃあいいって事だな」
「ターゲットを始末するのは今夜だ……まだ時間はある。それまでに
「あぁ……」
しばらくして、地図の場所へと向かった。その道中、なんとなく見張られているような……妙な感覚を覚える。
一応周囲を警戒しつつ、目的地へと辿り着く。
結構目立つテラス席へといざな誘われ、ドカりと椅子に腰掛ける。そして再び周囲を警戒し始める。
現在、待ち合わせ時間の10分前。今のところ、特に変わった様子はないな……そう思いながら、タバコに火を付けようとした時、1人の女が話しかけてきた。
「ここ……相席してもいいかしら?」
女に目線を当ててみる。スラットした体系、目鼻立ちもスッとしていて、容姿はなかなかの
普段なら、相席を許すところだが……今は状況が状況だ。だから、いつにも増して張り詰めた雰囲気を漂わせ、無愛想に振る舞う。
「あ? 席は他にも空いてるだろ? 悪いが向こうに行ってくれ……」
「別にいいでしょう? それに……現にここは空いてるじゃあない?」
そう言いながら、女は強引に向かい側の椅子に座る。その行動に舌打ちをして、さっき来たばかりの飲み物を口にする。
そしてあからさまに、怪訝そうな表情を浮かべたが、女はそんな事を物ともせず、再び話しかけてくる。
「ねぇ、それ何飲んでるの? エスプレッソ?」
「…………」
「ねぇ、ちょっと聞いてるんだけど──」
「あ? そうだ……」
ごちゃごちゃウルセー女だな……だが、冷たくあしらえばそのうちどこかに行くだろう──そう思ったのが浅はかだった。
女は一向に立ち去る気配もなく、下らない質問を次々と投げかけてくる。
「お兄さん、男前ね」
「そりゃ、どーも」
「モテるでしょう?」
「まぁ、それなりに」
「自分で認めちゃってるし……ねぇ、仕事は何してるの?」
「さぁな」
「ふーん……スーツだから、商社マンとか? でも、平日の昼間からカフェにいるなんて──」
女はテーブルに頬杖をつきながら、こちらに視線を当てている。職業を真面目に考えているのか……チラリと目を向けると、時折眉間にシワを寄せている。
全く、暇な奴だな……と思ったその時、女が急に思わぬ言葉を口にする。
「じゃあそろそろ、お兄さんの正体……当てちゃおっかな〜?」
そう言った女の目つきが妙に鋭く映り、思わず息を呑んでしまう。
『今、俺の“正体”って言わなかったか? 一体どういう意味だ……?』と、些か疑問に思いもしたが、言い当てる事なんぞ出来るはずが無い……無論そう思っていた。
しかし、女の口から出たのは予想外の言葉。
「お兄さん……ギャング、でしょう? パッショーネの。所属は暗殺チーム──名前はプロシュート」
「──ッ!?」
『当たってる?』と言って、女はニヒルな笑みを浮かべる。その傍らで、思わず目を見開いてしまう。当然だ……言っている事全てが的を射ていた。何もかもが──
これが口からの出まかせには到底思えない。確実にコイツは知っている……組織を……そして俺の事を──
さっきとは打って変わり、鋭い視線を女に差し向ける。
「テメー……、何者だァッ!?」
そう言うが早いか──女が小声で何やら呟いた。何だかヤバイ気がする──勘を働かせてスタンド能力を発動させた。
「〈ジッター・バグ〉」
「〈ザ・グレート・フルデッド──〉」
しかし、一足遅かったようだ。一瞬にして周囲が真っ暗闇に包まれる……さっきまで聞こえていた街の雑踏さえも遮られている。
つまりここは、異空間──完全に閉じ込められてしまった。
「こ、ここは、どこだ⁉︎ テメー、一体何をした!?」
しばらくすると、周りが薄っすら見えてくる──段々と目が慣れてきたようだ。
その時、コツコツコツ──と、ヒールが地面を叩く音がし始める。その音が徐々に自分の方へと近付いて来るのが分かった。
その音がピタリと止んだ時、急に身動きがとれないくらいの圧力に襲われ、床にねじ伏せられてしまう。
「クッ……、テ、テメー……ッ──」
見上げる俺と見下ろす女……2つの視線がぶつかる。
本当にさっきの女か……? と
「それ、あなたのスタンドよね? 確か〈ザ・グレート・フルデッド〉──」
「おい、何でその事を知っている⁉︎ それに──どうして俺のスタンド能力が効かねーんだ⁉︎」
「それは私の能力が発動しているから……この異空間に入ったら最後──スタンドは使えない……それに、この歳でおばあちゃんになるなんて、ごめんだわ……いいから早くそれ、しまってるくれない? ……ね?」
〈ザ・グレート・フルデッド〉を指差しながら、女はこの場に似つかわしくない程の
それにしてもこの女……一体何者なのか?
これがこの女──
キアラとの、一見最悪な出会いだった。
←To Be Continued…|/