Amore of attimo ❷
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これは、私がプロシュートとあんな形で出会う……少し前の出来事──
あの時の私は、私であって私じゃあなかった──
とあるホテルの一室。
朝──眩しい日差しを煩 わしく感じながら目覚めた私は、両手のひらを天井に向けて、大きく背伸びをする。
不意にベッド傍の 窓外 をぼんやり眺めると、空は雲一つない快晴。見下ろす先には、羨ましいくらいの光景が広がっていた。
まず目に飛び込んできたのは、大空を自由に飛び回る小鳥達。そして、木漏れ日を浴びながら煌 めく木々の緑。それから──
その時、窓枠に置いていたスマートフォンが音を立てる。取ろうと手を伸ばしたが、うまく掴めず床に落としてしまった。
物臭 せずにちゃんと起き上がってとれば良かった……そう思いながら、拾い上げて画面に目を向ける。さっきの着信音は、メッセージが届いた事を知らせるもの。
「…………ッ!?」
私は思わず眉を潜めた。届いたのは、ボスからの指令──その内容はこうだ。
“今日から、暗殺チームを取り仕切ろ”
そして最後に、『奴ら、暗殺チームについての詳細は、追って連絡する』とだけ 綴 られていた。
メッセージを読み終えると、おもむろにスマートフォンを床へと放り投げ、再びシーツの中へと潜り込む──
暗殺チームって……何!? 私に人殺しを命じろって事……!? そんなの冗談じゃあない! ……けれど、上からの命令には従わなければならない──それが組織と言うもの。
そんな風に思う傍ら、ずっと疑問に思っている事がある。それは、なぜ自分がギャング組織にいるのかという事──
しかも幹部の地位まで与えられているなんて……何かの間違えなんじゃないかと不意に思わされる。
きっとこれには、何らかの思惑があるに間違いない……しかし、その事を知るのは、きっと謎のボスただ一人だけだろう──
その時、再びメッセージが送られてきた。
次から次へと……少し苛立った気持ちを抑える為、私はシャワールームへと向かう。
衣服を脱いで鏡に映る自分の姿に、ふと違和感を覚える。
左腕……丁度肩下あたりが線状に赤くなっている。元からあったあざか、はたまたどこかでぶつけたのか……その時はあまり気にはしなかった。
それよりさっきから、時折頭が痛い気がする……
シャワールームから出た私は、とりあえず薬を飲んで、投げ捨てたスマートフォンを再び拾い上げる。
さっきのメッセージは、幹部のペリーコロからだった。
内容は指定場所へのお呼び出し。おそらく、さっきの“暗殺チーム”に関する情報提供と言ったところか──
暗殺チーム──
私のイメージは、残虐、極悪、冷酷──
でも、彼らは 無闇 に人を殺すような 猟奇 的な殺人者ではないとも思う。彼らにとって殺しはあくまでもビジネス。命令されるからやっているだけ。以前から、そんな彼らには興味はあったが、今まで一度も会った事がなかった。
しかし“リゾット・ネエロ” ──彼の名前は耳にしたことがあった。暗殺チームのリーダーにして、今まで行った任務は、一度たりとも失敗した事のない、凄腕の暗殺者だ。
折角の機会だから、彼の仲間とやらを見定めてみるとするかな……そう思った。
***
私はクローゼットの中から、1着の黒いドレスを手にする。指定された場所は、ネアポリスにある、パッショーネ御用達の高級リストランテ。もちろん場所が場所なだけに、ドレスコードがあるのだ。
一応それに応じた身なりとして、そのドレスに着替えて指定の場所へと出かけた。
リストランテについた私は、中に入るなり最上階に 誘 われる。見晴らしのいい窓際の指定席には、既にペリーコロが待ち構えていた。私はわざと不機嫌を装い、無言のまま店員にエスコートされた席へと座る。
「幹部のわしに、挨拶もなしか……?」
「…………」
ペリーコロの問いかけに、フンッと大袈裟に顔を背ける。それを目の当たりにした彼が、大きなため息をつく。
「その態度は直した方がいいな……今回お前が付く暗殺チーム……リーダーはリゾット・ネエロ……お前も名前と業績くらいは聞いた事があるじゃろう。奴は暗殺においては完璧じゃ。ボスですら、奴の能力は明確には知り得ていないんじゃからな……例え相手が幹部だとしても、奴の懐に入り込めなければ、容赦なく殺されてしまうかもしれんな……」
「ご忠告どーも。まぁ、こんな命……今更──」
私の投げやりな態度に見切りをつけたのか、ペリーコロはそれ以上口を挟む事はなく、本題に入る。
早速、目の前に数枚の写真が置かれた。
「奴のチームは、全部で7人……これが顔と名前、そしてスタンド能力じゃ」
「ふ〜ん……スタンド能力も個性的ね〜、にしても、結構みんなイケメンじゃん! ……ねぇ、暗殺チームに選ばれる基準って何……?」
「そんな事は、お前が気にすることじゃあない」
「あっそ……」
期待外れの返答に、少しヘソを曲げた私が料理を啄 み始めたのを横目に、ペリーコロはさらに重い口調で話を続ける。
「今回お前が送り込まれたのは、彼らの粛清の為──」
「粛清って……まさか──」
粛清されるに値する事──それはすなわち、ボスの正体を探る行為。殊更、“ソリッド・ナーゾ”の名を探す事がそれに当たる。
「目星はついてるの?」
「いや、今の段階だとあくまで噂じゃ……まだそうとは決まってない……だが、妙な動きをしている奴が居るとの情報を耳にしてなァ……その動きを監視し、報告しろとの事だ。粛清自体はこちらでする……お前は奴らの中に紛れ込み、情報を伝える様にとの御達しだ」
「簡単に言えば、“スパイ”をしろってことね?」
「そうだ……期間は3ヶ月程度……まぁ、お前の能力をもってすれば、相手が 奴ら だとしても、そう簡単にやられたりはしないだろうが……しかし、向こうは8人……用心はするように。情報は頭に入ったな? これはもう処分するぞ」
そう言って、ペリーコロは彼らの写真とスタンド情報をその場で焼却した。
「とりあえず、リゾットに話は通してある。まずは、この指定したカフェで落ち合う事だな」
それだけ言うと、ペリーコロは行ってしまう。残された私は、運ばれてきた料理には口をつけず、飲み物だけを一気に流し込んだ。
正直……今の話を聞いて気乗りしなくなった。スパイは1番嫌な任務だ。仲間のふりをして内情を探るわけだから、ある意味騙しているようなものだ。まぁ、いい……私は私の好きなようにやってやる──
内容からすると本当はツイている。だって、私の目的は──
そして話は、プロシュートとの最悪の出会いへと繋がる。
あの時の私は、私であって私じゃあなかった──
とあるホテルの一室。
朝──眩しい日差しを
不意にベッド傍の
まず目に飛び込んできたのは、大空を自由に飛び回る小鳥達。そして、木漏れ日を浴びながら
その時、窓枠に置いていたスマートフォンが音を立てる。取ろうと手を伸ばしたが、うまく掴めず床に落としてしまった。
「…………ッ!?」
私は思わず眉を潜めた。届いたのは、ボスからの指令──その内容はこうだ。
“今日から、暗殺チームを取り仕切ろ”
そして最後に、『奴ら、暗殺チームについての詳細は、追って連絡する』とだけ
メッセージを読み終えると、おもむろにスマートフォンを床へと放り投げ、再びシーツの中へと潜り込む──
暗殺チームって……何!? 私に人殺しを命じろって事……!? そんなの冗談じゃあない! ……けれど、上からの命令には従わなければならない──それが組織と言うもの。
そんな風に思う傍ら、ずっと疑問に思っている事がある。それは、なぜ自分がギャング組織にいるのかという事──
しかも幹部の地位まで与えられているなんて……何かの間違えなんじゃないかと不意に思わされる。
きっとこれには、何らかの思惑があるに間違いない……しかし、その事を知るのは、きっと謎のボスただ一人だけだろう──
その時、再びメッセージが送られてきた。
次から次へと……少し苛立った気持ちを抑える為、私はシャワールームへと向かう。
衣服を脱いで鏡に映る自分の姿に、ふと違和感を覚える。
左腕……丁度肩下あたりが線状に赤くなっている。元からあったあざか、はたまたどこかでぶつけたのか……その時はあまり気にはしなかった。
それよりさっきから、時折頭が痛い気がする……
シャワールームから出た私は、とりあえず薬を飲んで、投げ捨てたスマートフォンを再び拾い上げる。
さっきのメッセージは、幹部のペリーコロからだった。
内容は指定場所へのお呼び出し。おそらく、さっきの“暗殺チーム”に関する情報提供と言ったところか──
暗殺チーム──
私のイメージは、残虐、極悪、冷酷──
でも、彼らは
しかし“リゾット・ネエロ” ──彼の名前は耳にしたことがあった。暗殺チームのリーダーにして、今まで行った任務は、一度たりとも失敗した事のない、凄腕の暗殺者だ。
折角の機会だから、彼の仲間とやらを見定めてみるとするかな……そう思った。
***
私はクローゼットの中から、1着の黒いドレスを手にする。指定された場所は、ネアポリスにある、パッショーネ御用達の高級リストランテ。もちろん場所が場所なだけに、ドレスコードがあるのだ。
一応それに応じた身なりとして、そのドレスに着替えて指定の場所へと出かけた。
リストランテについた私は、中に入るなり最上階に
「幹部のわしに、挨拶もなしか……?」
「…………」
ペリーコロの問いかけに、フンッと大袈裟に顔を背ける。それを目の当たりにした彼が、大きなため息をつく。
「その態度は直した方がいいな……今回お前が付く暗殺チーム……リーダーはリゾット・ネエロ……お前も名前と業績くらいは聞いた事があるじゃろう。奴は暗殺においては完璧じゃ。ボスですら、奴の能力は明確には知り得ていないんじゃからな……例え相手が幹部だとしても、奴の懐に入り込めなければ、容赦なく殺されてしまうかもしれんな……」
「ご忠告どーも。まぁ、こんな命……今更──」
私の投げやりな態度に見切りをつけたのか、ペリーコロはそれ以上口を挟む事はなく、本題に入る。
早速、目の前に数枚の写真が置かれた。
「奴のチームは、全部で7人……これが顔と名前、そしてスタンド能力じゃ」
「ふ〜ん……スタンド能力も個性的ね〜、にしても、結構みんなイケメンじゃん! ……ねぇ、暗殺チームに選ばれる基準って何……?」
「そんな事は、お前が気にすることじゃあない」
「あっそ……」
期待外れの返答に、少しヘソを曲げた私が料理を
「今回お前が送り込まれたのは、彼らの粛清の為──」
「粛清って……まさか──」
粛清されるに値する事──それはすなわち、ボスの正体を探る行為。殊更、“ソリッド・ナーゾ”の名を探す事がそれに当たる。
「目星はついてるの?」
「いや、今の段階だとあくまで噂じゃ……まだそうとは決まってない……だが、妙な動きをしている奴が居るとの情報を耳にしてなァ……その動きを監視し、報告しろとの事だ。粛清自体はこちらでする……お前は奴らの中に紛れ込み、情報を伝える様にとの御達しだ」
「簡単に言えば、“スパイ”をしろってことね?」
「そうだ……期間は3ヶ月程度……まぁ、お前の能力をもってすれば、相手が
そう言って、ペリーコロは彼らの写真とスタンド情報をその場で焼却した。
「とりあえず、リゾットに話は通してある。まずは、この指定したカフェで落ち合う事だな」
それだけ言うと、ペリーコロは行ってしまう。残された私は、運ばれてきた料理には口をつけず、飲み物だけを一気に流し込んだ。
正直……今の話を聞いて気乗りしなくなった。スパイは1番嫌な任務だ。仲間のふりをして内情を探るわけだから、ある意味騙しているようなものだ。まぁ、いい……私は私の好きなようにやってやる──
内容からすると本当はツイている。だって、私の目的は──
そして話は、プロシュートとの最悪の出会いへと繋がる。