Amore of attimo ❶
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これはあの日……街中でキアラと出会 す、数日前の出来事──
時は昼過ぎ──
ネアポリスの街並みを様々な人々が行き交う。その中に、例えば“暗殺者”が紛れていたとしても、誰もその事に気付きはしないだろう……
今、巷を牛耳っているギャング組織 パッショーネ。
中でも最も“ヤバイ奴ら”が集まるのが、 暗殺 チームだ。
今まさにそのメンバーの2人……プロシュートとその弟分のペッシが街を 闊歩 していた──
不意にプロシュートが、ペッシの髪に目を向ける。
「あ……」
「どーしたんです、兄貴ィ……?」
「オメー、今日アジトの植木に水やったか?」
「……え? あ〜それなら確か、リーダーがあげてやしたけど──」
「そうか……」
「ってか、兄貴……今、俺の髪を見て思い出しやせんでした……?」
「あ? それがどうした?」
問いかけに対し、プロシュートがあっけらかんと言ってのける。その答えを聞いたペッシは、 怪訝 そうな表情を浮かべた。
「えっ……俺の髪型、そんなに植物っぽいですかィ!? 毎朝一生懸命にセットしてるのに……いくら兄貴でも、それはちょっとひどくないですかィ⁉︎」
ペッシは半ベソをかきながら、プロシュートを問い詰める。それを軽く受け流し、プロシュートはやや呆れ気味にため息を溢す。
「そんな事より、あの植木の水遣り、絶対忘れんじゃあねーぞ?」
「は、はい! でも、大概はリーダーがお世話してますよね」
「リゾットの奴……」
ポツリとそう呟くプロシュートは、どこか憂いを帯びたその視線を、遠くへと向けた。
「まぁ、他のみんなも結構お世話してますけど……あれ、俺が来る前からありましたよね? 誰が持ってきたんですかィ? やっぱりリーダーですかィ?」
『前から気になってたんですよね〜』と言って、ペッシはちょっと先を歩く。
その時、プロシュートが花屋の前で急に足を止めた。視線の先には、さっきから話題としている観葉植物──
プロシュートが来ていない事に気付いたペッシが振り返ると、彼はそれを指差しながら問いかける。
「なぁ、ペッシ──」
「ん? 何です、兄貴ィ?」
「オメー、あの植木の名前、知ってるか?」
「名前、ですかィ? 俺、植物には詳しくないから、そんなの知らねーよ、兄貴ィ」
「そうだよなァ……ありゃあ“アレカヤシ”っつーんだ。なんでも部屋の空気を浄化するんだとよ。後、癒し効果もあるとかなんとか──」
「へぇ〜……」
「汚れた血液も浄化してくれるらしいから、メタリカの調子もよくなるみたいでよォ、だから、リゾットも重宝してんじゃあねぇのか?」
「さすが兄貴、詳しいッスね! ……でも、兄貴って、そんなに植物好きでしたっけ? あっ、もしかしてあの木、誰かからのプレゼントですかィ? 例えば……兄貴の彼女だったりして──でも兄貴って、特定の女いましたっけ……?」
「…………」
ベラベラ1人で喋っていたことに、ペッシが不意に気付く。そして、隣で押し黙るプロシュートを横目に、徐々に青ざめ始める。『余計な事を口走ってしまった……!』と、言わんばかりに、いきなり頭を下げて謝罪する。
「あっ、あ──ッ! す、すいません! 何かプライベートな事にまで突っ込んで聞いてしまって……」
「別に……それよりペッシ、ペッシ、ペッシよォ〜、やっぱりお前は勘がいいな」
「へ……?」
「オメーが言った事……あながち間違っちゃあいねーかもなァ……」
プロシュートは不意に目線を落とし、再び歩き出す。『待ってくだせィ』と、ペッシがその後に続く。
「とにかく……あれは、絶対に枯らすんじゃあねーぞ! あれがあるから、俺達……いや、少なくとも俺は──」
「兄貴……?」
「いや、ちょっと昔の事をな……オメーがチームに来る前にいたアイツの事を──」
プロシュートは思い出していた。いや、この状況では、思い出さざる終えなかったのかもしれない……あの観葉植物がある限り、どうしても忘れる事の出来ないあの女の事を──
アジトにあの観葉植物を置いたのは、キアラという女。ある一時だけ、チームの仲間として同じ時を過ごした。
ギャング組織に身を置きながらも、キアラは、そこら辺にいるようなごく普通の女と何ら変わらなかった……そして、柄にもなくこの俺の一目惚れだったのかもしれない──
このままずっとアイツが 暗殺チーム にいる事が当たり前になりかけていた時に、突然姿を消してしまった……それはあまりにも唐突過ぎる出来事だった。
だから、俺は今もまだ──
そんなキアラとの出会い──
そう、それはあの日に遡る──
時は昼過ぎ──
ネアポリスの街並みを様々な人々が行き交う。その中に、例えば“暗殺者”が紛れていたとしても、誰もその事に気付きはしないだろう……
今、巷を牛耳っているギャング組織 パッショーネ。
中でも最も“ヤバイ奴ら”が集まるのが、
今まさにそのメンバーの2人……プロシュートとその弟分のペッシが街を
不意にプロシュートが、ペッシの髪に目を向ける。
「あ……」
「どーしたんです、兄貴ィ……?」
「オメー、今日アジトの植木に水やったか?」
「……え? あ〜それなら確か、リーダーがあげてやしたけど──」
「そうか……」
「ってか、兄貴……今、俺の髪を見て思い出しやせんでした……?」
「あ? それがどうした?」
問いかけに対し、プロシュートがあっけらかんと言ってのける。その答えを聞いたペッシは、
「えっ……俺の髪型、そんなに植物っぽいですかィ!? 毎朝一生懸命にセットしてるのに……いくら兄貴でも、それはちょっとひどくないですかィ⁉︎」
ペッシは半ベソをかきながら、プロシュートを問い詰める。それを軽く受け流し、プロシュートはやや呆れ気味にため息を溢す。
「そんな事より、あの植木の水遣り、絶対忘れんじゃあねーぞ?」
「は、はい! でも、大概はリーダーがお世話してますよね」
「リゾットの奴……」
ポツリとそう呟くプロシュートは、どこか憂いを帯びたその視線を、遠くへと向けた。
「まぁ、他のみんなも結構お世話してますけど……あれ、俺が来る前からありましたよね? 誰が持ってきたんですかィ? やっぱりリーダーですかィ?」
『前から気になってたんですよね〜』と言って、ペッシはちょっと先を歩く。
その時、プロシュートが花屋の前で急に足を止めた。視線の先には、さっきから話題としている観葉植物──
プロシュートが来ていない事に気付いたペッシが振り返ると、彼はそれを指差しながら問いかける。
「なぁ、ペッシ──」
「ん? 何です、兄貴ィ?」
「オメー、あの植木の名前、知ってるか?」
「名前、ですかィ? 俺、植物には詳しくないから、そんなの知らねーよ、兄貴ィ」
「そうだよなァ……ありゃあ“アレカヤシ”っつーんだ。なんでも部屋の空気を浄化するんだとよ。後、癒し効果もあるとかなんとか──」
「へぇ〜……」
「汚れた血液も浄化してくれるらしいから、メタリカの調子もよくなるみたいでよォ、だから、リゾットも重宝してんじゃあねぇのか?」
「さすが兄貴、詳しいッスね! ……でも、兄貴って、そんなに植物好きでしたっけ? あっ、もしかしてあの木、誰かからのプレゼントですかィ? 例えば……兄貴の彼女だったりして──でも兄貴って、特定の女いましたっけ……?」
「…………」
ベラベラ1人で喋っていたことに、ペッシが不意に気付く。そして、隣で押し黙るプロシュートを横目に、徐々に青ざめ始める。『余計な事を口走ってしまった……!』と、言わんばかりに、いきなり頭を下げて謝罪する。
「あっ、あ──ッ! す、すいません! 何かプライベートな事にまで突っ込んで聞いてしまって……」
「別に……それよりペッシ、ペッシ、ペッシよォ〜、やっぱりお前は勘がいいな」
「へ……?」
「オメーが言った事……あながち間違っちゃあいねーかもなァ……」
プロシュートは不意に目線を落とし、再び歩き出す。『待ってくだせィ』と、ペッシがその後に続く。
「とにかく……あれは、絶対に枯らすんじゃあねーぞ! あれがあるから、俺達……いや、少なくとも俺は──」
「兄貴……?」
「いや、ちょっと昔の事をな……オメーがチームに来る前にいたアイツの事を──」
プロシュートは思い出していた。いや、この状況では、思い出さざる終えなかったのかもしれない……あの観葉植物がある限り、どうしても忘れる事の出来ないあの女の事を──
アジトにあの観葉植物を置いたのは、キアラという女。ある一時だけ、チームの仲間として同じ時を過ごした。
ギャング組織に身を置きながらも、キアラは、そこら辺にいるようなごく普通の女と何ら変わらなかった……そして、柄にもなくこの俺の一目惚れだったのかもしれない──
このままずっとアイツが
だから、俺は今もまだ──
そんなキアラとの出会い──
そう、それはあの日に遡る──