第8章 Salamander
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時を同じくして、場所はブチャラティチームのアジト──
(怪しいぜ……実によォ……)
ソファーに座りながらカプチーノを飲んでいるキアラを横目に、1人悶々 としている人物が──ミスタだ。
何故その様に思うのか──
それはトリッシュが学校に行った日の帰り道に遡 る。
***
下校時刻より一足先に、ジョルノはトリッシュと帰ることにした。
日中のようにむやみに目立つのを避ける為だ。
「あの、ジョルノ……昼間の事なんだけど──」
「昼間……? あ〜あれなら特に深い意味なんてないと、あの時言ったじゃあないですか?……気にしないでください」
そう……午前の出来事には続きがあった。
***
「この意味、分かります?」
そう問いかけたジョルノに、少し間をおいてトリッシュが話し出す。
「わ、分からないわ……」
「でしょうね。さっきの……あの言葉には意味なんてありませんよ?」
「えっ…?」
「もし、僕があんな事を言い出したら……貴女がどんな反応をするか……ちょっと興味があっただけです」
「何それ? 私をからかったの……?」
トリッシュがジョルノをキッと睨む。
「いいえ……でも……男はブチャラティだけじゃないって事です……あっ、そろそろ授業が始まるので、教室に案内しますね」
その時の事を思いながら、ジョルノはふと案ずる。
(トリッシュ……今の貴方の心にいるのはブチャラティだ……でも、これで少なからず僕を意識するはず……ここからが始まり……それと……直球で攻めてくる相手を交わすには、浅知恵さえも使いますよ……)
その時後方から呼び止められる。
「トリッシュとジョルノか……?」
現れたのはミスタだ。
「どーしたんです? こんな所で会うなんて珍しいじゃあないですか?」
「あ〜たまたまよォ、近くまできたからよォ〜ちょっと様子を見にな……もう帰るのか?」
「えぇ……」
「俺もアジトに戻る所だからよォ〜……トリッシュは俺と帰るか?」
唐突な問いかけに、思わずジョルノが反応してしまう。
「ダメです!」
咄嗟 に口からついて出た言葉だった。
「えっ、だ、だめ? 何でだよ? お前は寮に戻るんだろ? だったら、わざわざアジトまで行くのは時間の無駄じゃあねーの?」
ミスタが正論をさらっと言ってのける。
確かにそれは筋の通った正論だ──だが、それは避けたい……トリッシュとミスタを2人きりにするのはあまりいい気がしないと言う感が働く。
「あっ、い、いや……今日の事は一応僕の口からブチャラティに報告義務があるかと──」
「あ〜そうだなァ〜……じゃあ、3人で帰るとするか〜、なっ!」
ミスタが2人の間に入って肩を組み、ニカッと微笑む。
「えぇ、そうしましょう」
トリッシュは2人のやり取りに、少しばかり違和感を覚えた。
一方ジョルノは、今後注意を向けなきゃならないのは、ミスタだと確信する。
道中も他愛のない会話の中、3人でアジトに帰り着いた。
「戻ったぜ! ……あれ?」
ミスタが不意に辺りを見回す。
「キアラはいねーのかよォ?」
「あぁ、キアラなら、今日はもうここには戻らない」
「えっ!? マジかよ……じゃあやっぱり──」
「ん? どうかしたのか、ミスタ?」
「い、いや〜、別に何でもねーよ?」
「そうか……? あっ、ミスタ──」
「な、何だよ、ブチャラティ?」
急に引き止められたミスタが慌てて答える。
少し吃 り気味に答えたミスタの表情をブチャラティがジッと伺う。
「お前……嘘をついてるな?」
「え、えぇッ!?」
ブチャラティに下手な嘘は通じない……このままではどの道バツが悪くなる──そう思ったミスタは、腹をくくってブチャラティを皆から少し離れた場所へと誘う。
「どうした? 何があったんだ、ミスタ?」
「こんなプライベートな事を言うのは、ちょっとあれなんだがよォ……俺、見ちゃったんだよね……さっきキアラがよォ、男と一緒だったのを……」
「──ッ!」
「アジトに戻ったら冗談半分に聞こうと思ってたんだが……今日はもう戻ってこないって聞いたらよォ、変に勘ぐっちまっただろーがよォ!?」
「……分かった」
ブチャラティが急に静かになる。
「そうと決まったわけじゃあねーがあの金髪 の男……妙に引っかかるぜ」
ミスタが頬杖 をつく。
双方で、こんなやりとりが行われていたのだ。
(怪しいぜ……実によォ……)
ソファーに座りながらカプチーノを飲んでいるキアラを横目に、1人
何故その様に思うのか──
それはトリッシュが学校に行った日の帰り道に
***
下校時刻より一足先に、ジョルノはトリッシュと帰ることにした。
日中のようにむやみに目立つのを避ける為だ。
「あの、ジョルノ……昼間の事なんだけど──」
「昼間……? あ〜あれなら特に深い意味なんてないと、あの時言ったじゃあないですか?……気にしないでください」
そう……午前の出来事には続きがあった。
***
「この意味、分かります?」
そう問いかけたジョルノに、少し間をおいてトリッシュが話し出す。
「わ、分からないわ……」
「でしょうね。さっきの……あの言葉には意味なんてありませんよ?」
「えっ…?」
「もし、僕があんな事を言い出したら……貴女がどんな反応をするか……ちょっと興味があっただけです」
「何それ? 私をからかったの……?」
トリッシュがジョルノをキッと睨む。
「いいえ……でも……男はブチャラティだけじゃないって事です……あっ、そろそろ授業が始まるので、教室に案内しますね」
その時の事を思いながら、ジョルノはふと案ずる。
(トリッシュ……今の貴方の心にいるのはブチャラティだ……でも、これで少なからず僕を意識するはず……ここからが始まり……それと……直球で攻めてくる相手を交わすには、浅知恵さえも使いますよ……)
その時後方から呼び止められる。
「トリッシュとジョルノか……?」
現れたのはミスタだ。
「どーしたんです? こんな所で会うなんて珍しいじゃあないですか?」
「あ〜たまたまよォ、近くまできたからよォ〜ちょっと様子を見にな……もう帰るのか?」
「えぇ……」
「俺もアジトに戻る所だからよォ〜……トリッシュは俺と帰るか?」
唐突な問いかけに、思わずジョルノが反応してしまう。
「ダメです!」
「えっ、だ、だめ? 何でだよ? お前は寮に戻るんだろ? だったら、わざわざアジトまで行くのは時間の無駄じゃあねーの?」
ミスタが正論をさらっと言ってのける。
確かにそれは筋の通った正論だ──だが、それは避けたい……トリッシュとミスタを2人きりにするのはあまりいい気がしないと言う感が働く。
「あっ、い、いや……今日の事は一応僕の口からブチャラティに報告義務があるかと──」
「あ〜そうだなァ〜……じゃあ、3人で帰るとするか〜、なっ!」
ミスタが2人の間に入って肩を組み、ニカッと微笑む。
「えぇ、そうしましょう」
トリッシュは2人のやり取りに、少しばかり違和感を覚えた。
一方ジョルノは、今後注意を向けなきゃならないのは、ミスタだと確信する。
道中も他愛のない会話の中、3人でアジトに帰り着いた。
「戻ったぜ! ……あれ?」
ミスタが不意に辺りを見回す。
「キアラはいねーのかよォ?」
「あぁ、キアラなら、今日はもうここには戻らない」
「えっ!? マジかよ……じゃあやっぱり──」
「ん? どうかしたのか、ミスタ?」
「い、いや〜、別に何でもねーよ?」
「そうか……? あっ、ミスタ──」
「な、何だよ、ブチャラティ?」
急に引き止められたミスタが慌てて答える。
少し
「お前……嘘をついてるな?」
「え、えぇッ!?」
ブチャラティに下手な嘘は通じない……このままではどの道バツが悪くなる──そう思ったミスタは、腹をくくってブチャラティを皆から少し離れた場所へと誘う。
「どうした? 何があったんだ、ミスタ?」
「こんなプライベートな事を言うのは、ちょっとあれなんだがよォ……俺、見ちゃったんだよね……さっきキアラがよォ、男と一緒だったのを……」
「──ッ!」
「アジトに戻ったら冗談半分に聞こうと思ってたんだが……今日はもう戻ってこないって聞いたらよォ、変に勘ぐっちまっただろーがよォ!?」
「……分かった」
ブチャラティが急に静かになる。
「そうと決まったわけじゃあねーがあの
ミスタが
双方で、こんなやりとりが行われていたのだ。