第7章 Space Sonic 【後編】
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翌日──
朝からキアラがブチャラティを尋ねる
コンコンコンッとノックをした後、一呼吸置いて部屋のドアを開けた。
中に入ると山積みの書類が目につく──ブチャラティはそんなディスクに向かっていた。
「ブチャラティ、ちょっといいかしら?」
「あぁ、何だ?」
「ジョルノは今、学校に行ってるのよね?」
「あぁ、そうだな」
「ジョルノとトリッシュは同い年でしょ? トリッシュ、今はナランチャと一緒にフーゴに勉強を教えてもらってるけど、出来れば学校に通って欲しいと思ってるの──」
ブチャラティが書類を書く手を止めて、キアラに目を向ける。
「既にボスには許可をとってあるんだけど……どうかしら?」
「そうだな……少なからず知識は身につけておくに越した事はないからな……じゃあ、何とかならないか俺から聞いてみよう」
「本当ッ!? さっすが、地元でも信頼の厚い幹部様は違うね〜」
キアラが、少し大袈裟にブチャラティを持ち上げる。
「お前も幹部だろ?」
「まぁ私の場合、人望とか特に有るわけじゃあないし……とりあえず、よろしくね!」
「あぁ……」
話が済んだと同時に、ブチャラティはまた忙しそうに書類を書き始めた。
その様子を見て、少し躊躇しながらもキアラが再びブチャラティに話しかける。
「あ、あのさ……ブチャラティ──」
「何だ?」
「昨日、ミスタに誘われてカフェに行ったんだけどさ、そこのカルツォーネとジェラード、すっごく美味しかったの──」
「そうか……それは良かったな」
ブチャラティもまた、再び手を止めてキアラに目を向ける──その眼差しは穏やかだ。
「そのお店なんだけど……ミスタに教えたのって、もしかしてブチャラティ……?」
「──ッ! そ、それは──」
唐突に事実を告げられたブチャラティは、一瞬言葉を詰まらせる。
「お店は教えてもらったって、ミスタが言ってた……カルツォーネとジェラードが美味しいカフェだって……だからその……私の好きな食べ物だったから、前に話した事、覚えてくれてたのかなぁ……なんて──」
「……」
「……あっ、やっぱり私の思い上がりだった? そうだよね〜……」
そう言って、キアラは少しおどけたように笑ってみせる。
「いや、そんな事は──」
「でも美味しかったのは事実だから、よかったら今度一緒に──」
キアラが言いかけた時、ノック音と共にフーゴが部屋に入って来た。
「ブチャラティ、この案件なんですが──」
「あっ、あ〜それじゃあ、私はこれで。さっきの件、よろしくね」
そう言って、キアラが部屋を後にする。冷静を装ってはいたが、内心は今にも心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていた。
(言いそびれちゃったな……)
キアラは、ふと窓の外に目を向ける。
トリッシュは、きっとこの何倍も緊張しながら、ブチャラティに気持ちを打ち明けたのかもしれない……そう思うと、自分には到底できないと途方に暮れる思いがする。
そんな事を考えながら、キアラがトリッシュの元に向かう。
「トリッシュ──」
「何、キアラ?」
「ねぇ、学校に行ってみない? ジョルノが通っている所なんだけど──」
「いきなりどうしたの? 学校なんて……別に興味ないわ。わざわざ行かなくても、ネットで知りたい情報は手に入る……もちろん勉強だって出来るわ」
トリッシュはただ冷静に淡々と答える。
「そんな事言わないでさ〜それに学校は、勉強だけじゃあない。人との繋がりも学べる所よ? 試しに1日だけでも……ねっ?」
「……」
しばらく黙って考えていたトリッシュが、首を縦に振る。
「分かったわ」
「そう、じゃあ決まりね!」
数日後、ブチャラティの計らいで、トリッシュはジョルノと同じ学校に体験として行く事となった。
朝からキアラがブチャラティを尋ねる
コンコンコンッとノックをした後、一呼吸置いて部屋のドアを開けた。
中に入ると山積みの書類が目につく──ブチャラティはそんなディスクに向かっていた。
「ブチャラティ、ちょっといいかしら?」
「あぁ、何だ?」
「ジョルノは今、学校に行ってるのよね?」
「あぁ、そうだな」
「ジョルノとトリッシュは同い年でしょ? トリッシュ、今はナランチャと一緒にフーゴに勉強を教えてもらってるけど、出来れば学校に通って欲しいと思ってるの──」
ブチャラティが書類を書く手を止めて、キアラに目を向ける。
「既にボスには許可をとってあるんだけど……どうかしら?」
「そうだな……少なからず知識は身につけておくに越した事はないからな……じゃあ、何とかならないか俺から聞いてみよう」
「本当ッ!? さっすが、地元でも信頼の厚い幹部様は違うね〜」
キアラが、少し大袈裟にブチャラティを持ち上げる。
「お前も幹部だろ?」
「まぁ私の場合、人望とか特に有るわけじゃあないし……とりあえず、よろしくね!」
「あぁ……」
話が済んだと同時に、ブチャラティはまた忙しそうに書類を書き始めた。
その様子を見て、少し躊躇しながらもキアラが再びブチャラティに話しかける。
「あ、あのさ……ブチャラティ──」
「何だ?」
「昨日、ミスタに誘われてカフェに行ったんだけどさ、そこのカルツォーネとジェラード、すっごく美味しかったの──」
「そうか……それは良かったな」
ブチャラティもまた、再び手を止めてキアラに目を向ける──その眼差しは穏やかだ。
「そのお店なんだけど……ミスタに教えたのって、もしかしてブチャラティ……?」
「──ッ! そ、それは──」
唐突に事実を告げられたブチャラティは、一瞬言葉を詰まらせる。
「お店は教えてもらったって、ミスタが言ってた……カルツォーネとジェラードが美味しいカフェだって……だからその……私の好きな食べ物だったから、前に話した事、覚えてくれてたのかなぁ……なんて──」
「……」
「……あっ、やっぱり私の思い上がりだった? そうだよね〜……」
そう言って、キアラは少しおどけたように笑ってみせる。
「いや、そんな事は──」
「でも美味しかったのは事実だから、よかったら今度一緒に──」
キアラが言いかけた時、ノック音と共にフーゴが部屋に入って来た。
「ブチャラティ、この案件なんですが──」
「あっ、あ〜それじゃあ、私はこれで。さっきの件、よろしくね」
そう言って、キアラが部屋を後にする。冷静を装ってはいたが、内心は今にも心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていた。
(言いそびれちゃったな……)
キアラは、ふと窓の外に目を向ける。
トリッシュは、きっとこの何倍も緊張しながら、ブチャラティに気持ちを打ち明けたのかもしれない……そう思うと、自分には到底できないと途方に暮れる思いがする。
そんな事を考えながら、キアラがトリッシュの元に向かう。
「トリッシュ──」
「何、キアラ?」
「ねぇ、学校に行ってみない? ジョルノが通っている所なんだけど──」
「いきなりどうしたの? 学校なんて……別に興味ないわ。わざわざ行かなくても、ネットで知りたい情報は手に入る……もちろん勉強だって出来るわ」
トリッシュはただ冷静に淡々と答える。
「そんな事言わないでさ〜それに学校は、勉強だけじゃあない。人との繋がりも学べる所よ? 試しに1日だけでも……ねっ?」
「……」
しばらく黙って考えていたトリッシュが、首を縦に振る。
「分かったわ」
「そう、じゃあ決まりね!」
数日後、ブチャラティの計らいで、トリッシュはジョルノと同じ学校に体験として行く事となった。