第4章 Addicted
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そしてそれは突然やってきた。
ピカッと稲妻が走るのが見えたと同時に大きな音が鳴り響く……雷だ。
「キャッ!」
「キアラ……大丈夫か?」
「う、うん……私さ、苦手なんだよね……雷が──ッ!?」
雷鳴に驚いた拍子に、勢い余ってブチャラティにしがみ付く様な態勢になっていた。
「あっ、ご、ごめん……」
「いや、別に俺は構わんが……」
キアラが慌ててブチャラティから離れる。それに対しブチャラティがフッと笑みを浮かべる。
「ちょっと、何笑ってるの……?」
「いや、すまない……ただ、キアラにも苦手なものがあるんだなと思ってな」
「何それ? 私にだって苦手なものくらいあるわよ!」
話の最中にもまた稲妻が走る。さっきよりも激しい雷鳴が響いたかと思うと、次の瞬間──パッと部屋の明かりが消え辺りが暗くなった。
そして雨は徐々に激しさを増す。
「こりゃ停電だな……」
「えっ、う、嘘……」
夜ではないので真っ暗ではないものの、夕暮れ時なこともあり、室内は薄暗く不気味な雰囲気を醸し出している。
「……」
「キアラ……?」
キアラが小刻みに震えているのを感じ取ったブチャラティが、優しくキアラを包み込むように抱き寄せる。
「──ッ!?」
「……少しは落ち着いたか?」
「……う、うん……で、でも──」
「それなら、しばらくこのままでいたらいい……?」
「うん……」
キアラがゆっくりブチャラティの胸に頭をもたれる。
ドクンっドクンっとブチャラティの鼓動が聞こえる。その心音が微かだが早くなるのを感じた。
(ブチャラティ──?)
顔を見上げるも薄暗い為、その表情は読み取れない。
しばらくしてブチャラティが話し始める。
「キアラ、お前の好きな食べ物は何だ?」
「えっ、好きな食べ物? ん〜リモーネのジェラードにモッツァレラとハムのカルツォーネ、あとは〜……ってか、いきなりどうしたの?」
「いや……」
少し間を空けてブチャラティが続ける。
「俺は……その……お前の好きな食べ物すら知らない……だから、そのくらいは知っておこうと思ってな──」
そう話すブチャラティの声色は、どこか切なげだ。
「リモーネのジェラードにモッツァレラとハムのカルツォーネか……覚えておこう」
「じゃあ、今度買ってきてね!」
「あぁ、分かった」
「ねぇ、ブチャラティはさ、からすみのパスタとポルチーニ茸とホタテ貝のオーブン焼き……好きでしょ?」
「あぁ、そうだか……どうして知っているんだ? 話したことあったか?」
驚いた様子のブチャラティに対し、キアラはちょっと呆れ気味に話し始める。
「だってブチャラティ、リストランテでいつもよく注文してるじゃん?」
「そうだったか?」
「そうだよ〜私だけじゃなくて、み〜んな知ってると思うよ? それに……ちゃんと見てれば分かるよ……」
キアラがスッとブチャラティの方に視線を向ける。
「その人の本質ってものはさ、見かけなんかじゃあなくて、行動とか話す事とか……全部含めてちゃんと見てれば分かるよ。例えばさ、ちょっと変態ちっくな特技持ってて天然だとか、無神経で女心も分からないとか……でも、こんな世界であっても正義を見出していて……ある意味自分の信念に真っ直ぐ正直……仲間想いで……そして誰よりも優しい……とか──」
キアラが言い終わるか否か、再び雷が鳴り、それと同時にブチャラティがキアラの肩を抱く腕に力をこめる。
「ブ、ブチャラティ……?」
「分かった……よく分かったんだがよォ……誰の事を言ってるのか知らねぇが、そいつの事ばかり聞きたくねぇ……だから──」
不意にブチャラティの気配が近くなる。
「少し黙ってろ……」
「えっ──」
そう言いながらブチャラティはゆっくりキアラとの距離を詰める。
ピカッと稲妻が走るのが見えたと同時に大きな音が鳴り響く……雷だ。
「キャッ!」
「キアラ……大丈夫か?」
「う、うん……私さ、苦手なんだよね……雷が──ッ!?」
雷鳴に驚いた拍子に、勢い余ってブチャラティにしがみ付く様な態勢になっていた。
「あっ、ご、ごめん……」
「いや、別に俺は構わんが……」
キアラが慌ててブチャラティから離れる。それに対しブチャラティがフッと笑みを浮かべる。
「ちょっと、何笑ってるの……?」
「いや、すまない……ただ、キアラにも苦手なものがあるんだなと思ってな」
「何それ? 私にだって苦手なものくらいあるわよ!」
話の最中にもまた稲妻が走る。さっきよりも激しい雷鳴が響いたかと思うと、次の瞬間──パッと部屋の明かりが消え辺りが暗くなった。
そして雨は徐々に激しさを増す。
「こりゃ停電だな……」
「えっ、う、嘘……」
夜ではないので真っ暗ではないものの、夕暮れ時なこともあり、室内は薄暗く不気味な雰囲気を醸し出している。
「……」
「キアラ……?」
キアラが小刻みに震えているのを感じ取ったブチャラティが、優しくキアラを包み込むように抱き寄せる。
「──ッ!?」
「……少しは落ち着いたか?」
「……う、うん……で、でも──」
「それなら、しばらくこのままでいたらいい……?」
「うん……」
キアラがゆっくりブチャラティの胸に頭をもたれる。
ドクンっドクンっとブチャラティの鼓動が聞こえる。その心音が微かだが早くなるのを感じた。
(ブチャラティ──?)
顔を見上げるも薄暗い為、その表情は読み取れない。
しばらくしてブチャラティが話し始める。
「キアラ、お前の好きな食べ物は何だ?」
「えっ、好きな食べ物? ん〜リモーネのジェラードにモッツァレラとハムのカルツォーネ、あとは〜……ってか、いきなりどうしたの?」
「いや……」
少し間を空けてブチャラティが続ける。
「俺は……その……お前の好きな食べ物すら知らない……だから、そのくらいは知っておこうと思ってな──」
そう話すブチャラティの声色は、どこか切なげだ。
「リモーネのジェラードにモッツァレラとハムのカルツォーネか……覚えておこう」
「じゃあ、今度買ってきてね!」
「あぁ、分かった」
「ねぇ、ブチャラティはさ、からすみのパスタとポルチーニ茸とホタテ貝のオーブン焼き……好きでしょ?」
「あぁ、そうだか……どうして知っているんだ? 話したことあったか?」
驚いた様子のブチャラティに対し、キアラはちょっと呆れ気味に話し始める。
「だってブチャラティ、リストランテでいつもよく注文してるじゃん?」
「そうだったか?」
「そうだよ〜私だけじゃなくて、み〜んな知ってると思うよ? それに……ちゃんと見てれば分かるよ……」
キアラがスッとブチャラティの方に視線を向ける。
「その人の本質ってものはさ、見かけなんかじゃあなくて、行動とか話す事とか……全部含めてちゃんと見てれば分かるよ。例えばさ、ちょっと変態ちっくな特技持ってて天然だとか、無神経で女心も分からないとか……でも、こんな世界であっても正義を見出していて……ある意味自分の信念に真っ直ぐ正直……仲間想いで……そして誰よりも優しい……とか──」
キアラが言い終わるか否か、再び雷が鳴り、それと同時にブチャラティがキアラの肩を抱く腕に力をこめる。
「ブ、ブチャラティ……?」
「分かった……よく分かったんだがよォ……誰の事を言ってるのか知らねぇが、そいつの事ばかり聞きたくねぇ……だから──」
不意にブチャラティの気配が近くなる。
「少し黙ってろ……」
「えっ──」
そう言いながらブチャラティはゆっくりキアラとの距離を詰める。