第3章 Servant
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一方、残された2人はと言うと──
最初に動いたのはミスタだ。覚悟を決め、トリッシュの元へ。
「出かけるぞ」
ぶっきら棒にミスタが話しかけるが、トリッシュはただ黙ってそっぽを向く。
「あぁ〜ッ、いいから来いって──ッ!」
「えっ、ちょっと──ッ」
ミスタがちょっと強引にトリッシュの手を引いて外に連れ出す。
今日の天気は快晴だ。
「離してよッ! 一体どこに連れてく気!?」
ミスタの手を振り払いながら、トリッシュが問いかける。
「えっ、まぁ旨いもんでも食いに行こうと思ってよォ──つまり、アレだ、デートだ、デート!」
「デートッ!? 冗談じゃあない!」
小競り合いをしながらもちょっと小洒落たカフェまでやって来た。
「何であなたなんかと──」
「そう言わずによォ〜、このカフェ、最近人気みたいだぜ!」
どうにかトリッシュを席に座らせる。
「俺は〜イチゴのショートケーキにすっかなぁ〜……お前は?」
「私は……蟹が食べたい」
「言うと思ってたぜ! ここの毛蟹のサラダ、酸味が効いて旨いらしいぜ! じゃあ、それな」
注文し終わった後、ミスタが何かに気付く。
「お……ッ?」
「何?」
「その……ネイル、変えたのか? キレーな色じゃん、似合ってるぜ」
そう言って、ミスタはニカっと笑みを浮かべる。
「そ、そう? ってか、よく気付いたわね?」
「あ? んなもん、ちゃんと見てれば分かるだろ?」
「ちゃんと……ね」
トリッシュが自分のネイルを見ながら呟く。
しばらくして、料理が運ばれて来た。
「いただきます! ……ん、旨いじゃん!」
「あ、美味しい……」
トリッシュの様子を伺いつつ、ミスタが話し始める。
「あ、あのよォ〜……」
「何?」
「この間は、悪かった……デリカシーがなかったな……いや本当反省してます」
「本当に〜? 何か言い方が軽いような……」
「なッ」
いつもなら言い返してしまう所をぐっと我慢する。
「いや、マジで悪かったって…だから、無視だけは勘弁してくれ、マジで凹むから…なっ?」
「……分かったわ」
トリッシュの返事を聞いて、〈ピストルズ〉が飛び出してきた。
「ヤッタナァ〜ミスタ! ヤット許してモラエタナァ〜」
「コレでモウため息ツカナクテ済ムナ〜」
「おい、ピストルズ!勝手に出てくんな!」
「何〜? そんなに凹んでたの?」
「はぁ!? んなわけねぇだろ──ッ!?」
「凹ンデタ凹ンデタ〜コノ世の終ワリッテクライヨォ」
「あら、意外な所もあるのね」
「ウ、ウルセー!」
トリッシュがクスッと笑みを浮かべる。
一方でミスタは、少し赤くなった顔を見せないよう節目がちになる。そして話を逸らすように質問を投げかける。
「ところでよォ、お前さ〜いつからなの?ブチャラティの事?」
「い、いきなり何ッ!?」
「いや〜ちょっと…?」
「まぁ……ブチャラティとは1番一緒に居る事が多かったし、その……彼は私に居場所をくれた……それに私が不安な時、手を握り安心させてくれたこともあった──そこから、なんとなく──」
「ふ〜ん」
ミスタは、ケーキの苺をフォークで転がしながら話を聞いている。
「でも、気持ちに気付いたのはごく最近の事……この前、みんなが任務で少ししくじってしまった時、それぞれが結構負傷していたにも関わらず、ブチャラティは任務の遂行を優先して、みんなの身体をちっとも心配もしなかった……その時私、彼の事を冷たい人だと言ったのよ、そしたらナランチャにこう言われたわ──」
トリッシュは遠くを見据える。
「君は、その場に一緒にいた君自身がブチャラティに大丈夫かと、気にかけてもらいたかったんじゃあないのか……って──自分は、ブチャラティの事はよく知ってる……だから、その行動も理解できる……だが君は、これからブチャラティの事を知りたくて仕方ないって思ってるんじゃあないのか……ってね……」
ミスタはただ黙って話を聞いている。
「その時はまだナランチャの言葉の意味が理解できなかった……だけど、最近分かったの……これが“好き”って気持ちなのかなって──」
「そうか……」
「でも、目で追う事も多くなれば、否が応にも気付く事がある……」
トリッシュの声色が低くなる。
「人間って、本当に欲深いわね……ただ一緒に居れるだけで良かったのに、次第に独占したくなる……醜いものね」
「そうか?」
「え?」
ミスタの反応は意外な程にあっさりとしていた。
「そんなもんだろ? 好きになったら独り占めしたくなるのは普通だろ?」
「そうなの……?」
「だから、現に俺も──」
ミスタは言いかけたところで言葉を濁す。
「ミスタって、稀に良い事言うわよね……本当極稀にだけど」
「いつもだろ? もっと褒めてくれてもいいんだぜ?」
「もう、調子に乗らないでよね!」
クスッとトリッシュが笑うのにつられて、ミスタも笑顔になる。
「さて、腹ごしらえは済んだし……次はどこへ行きますか?」
「そうね〜買い物に付き合ってもらおうかしら?」
「仰せのとおりに──」
そして2人は街へと歩き出した。
どうやら、仲直りは成功した……らしい?
最初に動いたのはミスタだ。覚悟を決め、トリッシュの元へ。
「出かけるぞ」
ぶっきら棒にミスタが話しかけるが、トリッシュはただ黙ってそっぽを向く。
「あぁ〜ッ、いいから来いって──ッ!」
「えっ、ちょっと──ッ」
ミスタがちょっと強引にトリッシュの手を引いて外に連れ出す。
今日の天気は快晴だ。
「離してよッ! 一体どこに連れてく気!?」
ミスタの手を振り払いながら、トリッシュが問いかける。
「えっ、まぁ旨いもんでも食いに行こうと思ってよォ──つまり、アレだ、デートだ、デート!」
「デートッ!? 冗談じゃあない!」
小競り合いをしながらもちょっと小洒落たカフェまでやって来た。
「何であなたなんかと──」
「そう言わずによォ〜、このカフェ、最近人気みたいだぜ!」
どうにかトリッシュを席に座らせる。
「俺は〜イチゴのショートケーキにすっかなぁ〜……お前は?」
「私は……蟹が食べたい」
「言うと思ってたぜ! ここの毛蟹のサラダ、酸味が効いて旨いらしいぜ! じゃあ、それな」
注文し終わった後、ミスタが何かに気付く。
「お……ッ?」
「何?」
「その……ネイル、変えたのか? キレーな色じゃん、似合ってるぜ」
そう言って、ミスタはニカっと笑みを浮かべる。
「そ、そう? ってか、よく気付いたわね?」
「あ? んなもん、ちゃんと見てれば分かるだろ?」
「ちゃんと……ね」
トリッシュが自分のネイルを見ながら呟く。
しばらくして、料理が運ばれて来た。
「いただきます! ……ん、旨いじゃん!」
「あ、美味しい……」
トリッシュの様子を伺いつつ、ミスタが話し始める。
「あ、あのよォ〜……」
「何?」
「この間は、悪かった……デリカシーがなかったな……いや本当反省してます」
「本当に〜? 何か言い方が軽いような……」
「なッ」
いつもなら言い返してしまう所をぐっと我慢する。
「いや、マジで悪かったって…だから、無視だけは勘弁してくれ、マジで凹むから…なっ?」
「……分かったわ」
トリッシュの返事を聞いて、〈ピストルズ〉が飛び出してきた。
「ヤッタナァ〜ミスタ! ヤット許してモラエタナァ〜」
「コレでモウため息ツカナクテ済ムナ〜」
「おい、ピストルズ!勝手に出てくんな!」
「何〜? そんなに凹んでたの?」
「はぁ!? んなわけねぇだろ──ッ!?」
「凹ンデタ凹ンデタ〜コノ世の終ワリッテクライヨォ」
「あら、意外な所もあるのね」
「ウ、ウルセー!」
トリッシュがクスッと笑みを浮かべる。
一方でミスタは、少し赤くなった顔を見せないよう節目がちになる。そして話を逸らすように質問を投げかける。
「ところでよォ、お前さ〜いつからなの?ブチャラティの事?」
「い、いきなり何ッ!?」
「いや〜ちょっと…?」
「まぁ……ブチャラティとは1番一緒に居る事が多かったし、その……彼は私に居場所をくれた……それに私が不安な時、手を握り安心させてくれたこともあった──そこから、なんとなく──」
「ふ〜ん」
ミスタは、ケーキの苺をフォークで転がしながら話を聞いている。
「でも、気持ちに気付いたのはごく最近の事……この前、みんなが任務で少ししくじってしまった時、それぞれが結構負傷していたにも関わらず、ブチャラティは任務の遂行を優先して、みんなの身体をちっとも心配もしなかった……その時私、彼の事を冷たい人だと言ったのよ、そしたらナランチャにこう言われたわ──」
トリッシュは遠くを見据える。
「君は、その場に一緒にいた君自身がブチャラティに大丈夫かと、気にかけてもらいたかったんじゃあないのか……って──自分は、ブチャラティの事はよく知ってる……だから、その行動も理解できる……だが君は、これからブチャラティの事を知りたくて仕方ないって思ってるんじゃあないのか……ってね……」
ミスタはただ黙って話を聞いている。
「その時はまだナランチャの言葉の意味が理解できなかった……だけど、最近分かったの……これが“好き”って気持ちなのかなって──」
「そうか……」
「でも、目で追う事も多くなれば、否が応にも気付く事がある……」
トリッシュの声色が低くなる。
「人間って、本当に欲深いわね……ただ一緒に居れるだけで良かったのに、次第に独占したくなる……醜いものね」
「そうか?」
「え?」
ミスタの反応は意外な程にあっさりとしていた。
「そんなもんだろ? 好きになったら独り占めしたくなるのは普通だろ?」
「そうなの……?」
「だから、現に俺も──」
ミスタは言いかけたところで言葉を濁す。
「ミスタって、稀に良い事言うわよね……本当極稀にだけど」
「いつもだろ? もっと褒めてくれてもいいんだぜ?」
「もう、調子に乗らないでよね!」
クスッとトリッシュが笑うのにつられて、ミスタも笑顔になる。
「さて、腹ごしらえは済んだし……次はどこへ行きますか?」
「そうね〜買い物に付き合ってもらおうかしら?」
「仰せのとおりに──」
そして2人は街へと歩き出した。
どうやら、仲直りは成功した……らしい?
←To Be Continued…|/