プロローグ
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数日後──
これはまだ、ブチャラティがジョルノと出会う以前の話──
場所はとあるリストランテ。
ブチャラティ以外のメンバーが昼食を摂っている。そこに席を外していたブチャラティが戻ってきた。
「ブチャラティ、あんたに客だぜ」
「客……?」
「あぁ。まぁ、あんたはいつ帰って来るか分からねーから断ったんだがよォ、ど〜しても話があるっつーからあっちの部屋で待っててもらってんだがよォ……あんたも隅に置けねぇなぁ、マジで Bellissima だぜ」
ミスタがニヤリとしながら指差す方には、1人の女の姿が見える。
「あの、ブチャラティ──」
「何だ、フーゴ?」
「一応彼女の素性は調べましたが……おそらくかたぎの女性かと……しかし、ここに来るって事は何らかの事情が──」
「分かった……」
そしてブチャラティが女の待つ部屋に1歩足を踏み入れた瞬間──あっという間に異空間に閉じ込められてしまった。
「な、何だここは⁉︎ 一体どうなってる⁈」
その時、背後から女が姿を現した。
「あなたがブローノ・ブチャラティね……」
「誰だ──ッ⁉︎」
ブチャラティが声のする方に振り向こうとした瞬間、何らかの圧力により床にねじ伏せられてしまった。
「くッ……ッ……」
「ここは私のスタンド、〈ジッター・バグ〉の異空間……気に入ってもらえたかしら?」
「お、お前は⁈」
「私の名は、キアラ・ルーチェ」
「ルーチェ……ッ!」
ブチャラティがハッとした表情を浮かべる。
「あら、私を知ってるの?」
「確かボス直属の幹部の中にいる、一際異様なスタンド能力を持った奴……そいつの名だ。ボス直属幹部ってのは、活動内容はもちろん、顔や名前、性別すら明かされない……知っているのはボスだけだ。でも、そいつの名だけは何故か有名で聞いた事があった……」
「ふーん……」
そう言って女は不敵な笑みを浮かべる。
「まさかそいつが女だったとはな……で、そのあんたが格下の俺に何の用だ?」
「ここに来たのはボスの命令……でも、あなたを選んだのは、この私──」
「どーゆー事だ?」
「時間もないから手短に話す。時が来たら、私をあなた達の仲間に入れて欲しい──」
「仲間に……だと?それはボスの命令か?」
「いや……」
その問いかけに一瞬キアラが言葉を詰まらせる。
「これは、私の個人的な頼み──」
「全く意図が分からんな。あんたは幹部だ、しかもボス直属の。そんなあんたが格下チームの仲間にしてくれとは、一体何どーゆーつもりだ?」
「そうよね……」
キアラがそう言った瞬間、ブチャラティは身体への圧がスッと引くのが分かり、素早く身構える。
そしてキアラを見据える。
(歳は……俺と似たようなもんか……?華奢で綺麗な顔してやがる──だか、果たしてこれが素顔かどうか……)
そう思いながら、ブチャラティはギロリとキアラを睨んだ。
「それに俺を閉じ込めたつもりかぁ知らないが、こんなところすぐに出られるぜ……スティッキィ・フィンガーズーーッ!」
ブチャラティが異空間の壁を殴りつけるが、しかし、壁は無傷のままでジッパーが現れない。
「何ッ!? 俺のスタンド攻撃が効かない!?」
「残念だったわね……あなたの力じゃあここからは出られない」
「クソッ……」
ブチャラティが壁を叩きつける。
「私の頼み、聞き入れてもらえるかしら?」
「はいそれと言う訳にはいかねぇなぁ……理由は何だ?」
キアラは一瞬視線を落とし、再びブチャラティに向き直る。
「私には目的がある──」
「目的……?」
「そう……私の目的は……失ったある記憶をボスから取り戻す事……その為に私は……ボスを倒す──」
「──ッ!?」
「それしか方法はない──」
さらにキアラは続ける。
「でも、今の私じゃあ敵わない……だから、ボスを倒すと言う同じ目的を持った仲間と共に力をつける必要がある……ブチャラティ……あなたはこのパッショーネに──ボスのやり方に疑問を抱いている……」
「……」
「あなたはいずれ、そのような信念を持った人物に出会う……そしてボスを倒す方向へと向かう──」
ただ黙って話を聞いていたブチャラティが、ようやく口を開く。
「それはお前の憶測でしかない……」
「いいえ……少なくともあなたがそう感じているのは事実でしょ?」
「それに、俺達は利用されるってことだろ?」
「簡潔に言えばそうなってしまう……でも、それだけじゃない……とにかく理由は違えど、目的が同じなら協力は成立しない?」
「……」
「目的の為なら、私はあなた達に協力する」
キアラがスッとブチャラティを見据える。
「そうだな……だが、それはあんたの言ってる事が真実の場合のみ成立する事だ……俺はまだあんたを信用してない。所詮ボスの手先……利用できないと分かったら、俺達を始末する……そんなとこだろ?」
「じゃあ、私が嘘をついているかどうか……あなたの特技で見極たらどう……? 汗じゃなくて、唾液でも分かるかしら?」
そう言うと、キアラはブチャラティに近づき口付ける。
「んっ……っ……」
角度を変えさらに深く──
(こっ、こいつ──ッ)
次第にブチャラティの身体から力が抜けていく。
それを感じた女はサッと身を離す。
薄れゆく意識の中、ブチャラティの頭に直接ある言葉が流れ込んできた──
(ボスが私の行動に気付き、遅かれ早かれ消されることになる前に、なんとしてでも記憶を取り戻す──その為に来るべき時が来たら、私は再びあなたの前に現れる──その時は私を仲間に──)
その言葉を聞きながら、ブチャラティの意識はゆっくり遠退いていった。
これはまだ、ブチャラティがジョルノと出会う以前の話──
場所はとあるリストランテ。
ブチャラティ以外のメンバーが昼食を摂っている。そこに席を外していたブチャラティが戻ってきた。
「ブチャラティ、あんたに客だぜ」
「客……?」
「あぁ。まぁ、あんたはいつ帰って来るか分からねーから断ったんだがよォ、ど〜しても話があるっつーからあっちの部屋で待っててもらってんだがよォ……あんたも隅に置けねぇなぁ、マジで
ミスタがニヤリとしながら指差す方には、1人の女の姿が見える。
「あの、ブチャラティ──」
「何だ、フーゴ?」
「一応彼女の素性は調べましたが……おそらくかたぎの女性かと……しかし、ここに来るって事は何らかの事情が──」
「分かった……」
そしてブチャラティが女の待つ部屋に1歩足を踏み入れた瞬間──あっという間に異空間に閉じ込められてしまった。
「な、何だここは⁉︎ 一体どうなってる⁈」
その時、背後から女が姿を現した。
「あなたがブローノ・ブチャラティね……」
「誰だ──ッ⁉︎」
ブチャラティが声のする方に振り向こうとした瞬間、何らかの圧力により床にねじ伏せられてしまった。
「くッ……ッ……」
「ここは私のスタンド、〈ジッター・バグ〉の異空間……気に入ってもらえたかしら?」
「お、お前は⁈」
「私の名は、キアラ・ルーチェ」
「ルーチェ……ッ!」
ブチャラティがハッとした表情を浮かべる。
「あら、私を知ってるの?」
「確かボス直属の幹部の中にいる、一際異様なスタンド能力を持った奴……そいつの名だ。ボス直属幹部ってのは、活動内容はもちろん、顔や名前、性別すら明かされない……知っているのはボスだけだ。でも、そいつの名だけは何故か有名で聞いた事があった……」
「ふーん……」
そう言って女は不敵な笑みを浮かべる。
「まさかそいつが女だったとはな……で、そのあんたが格下の俺に何の用だ?」
「ここに来たのはボスの命令……でも、あなたを選んだのは、この私──」
「どーゆー事だ?」
「時間もないから手短に話す。時が来たら、私をあなた達の仲間に入れて欲しい──」
「仲間に……だと?それはボスの命令か?」
「いや……」
その問いかけに一瞬キアラが言葉を詰まらせる。
「これは、私の個人的な頼み──」
「全く意図が分からんな。あんたは幹部だ、しかもボス直属の。そんなあんたが格下チームの仲間にしてくれとは、一体何どーゆーつもりだ?」
「そうよね……」
キアラがそう言った瞬間、ブチャラティは身体への圧がスッと引くのが分かり、素早く身構える。
そしてキアラを見据える。
(歳は……俺と似たようなもんか……?華奢で綺麗な顔してやがる──だか、果たしてこれが素顔かどうか……)
そう思いながら、ブチャラティはギロリとキアラを睨んだ。
「それに俺を閉じ込めたつもりかぁ知らないが、こんなところすぐに出られるぜ……スティッキィ・フィンガーズーーッ!」
ブチャラティが異空間の壁を殴りつけるが、しかし、壁は無傷のままでジッパーが現れない。
「何ッ!? 俺のスタンド攻撃が効かない!?」
「残念だったわね……あなたの力じゃあここからは出られない」
「クソッ……」
ブチャラティが壁を叩きつける。
「私の頼み、聞き入れてもらえるかしら?」
「はいそれと言う訳にはいかねぇなぁ……理由は何だ?」
キアラは一瞬視線を落とし、再びブチャラティに向き直る。
「私には目的がある──」
「目的……?」
「そう……私の目的は……失ったある記憶をボスから取り戻す事……その為に私は……ボスを倒す──」
「──ッ!?」
「それしか方法はない──」
さらにキアラは続ける。
「でも、今の私じゃあ敵わない……だから、ボスを倒すと言う同じ目的を持った仲間と共に力をつける必要がある……ブチャラティ……あなたはこのパッショーネに──ボスのやり方に疑問を抱いている……」
「……」
「あなたはいずれ、そのような信念を持った人物に出会う……そしてボスを倒す方向へと向かう──」
ただ黙って話を聞いていたブチャラティが、ようやく口を開く。
「それはお前の憶測でしかない……」
「いいえ……少なくともあなたがそう感じているのは事実でしょ?」
「それに、俺達は利用されるってことだろ?」
「簡潔に言えばそうなってしまう……でも、それだけじゃない……とにかく理由は違えど、目的が同じなら協力は成立しない?」
「……」
「目的の為なら、私はあなた達に協力する」
キアラがスッとブチャラティを見据える。
「そうだな……だが、それはあんたの言ってる事が真実の場合のみ成立する事だ……俺はまだあんたを信用してない。所詮ボスの手先……利用できないと分かったら、俺達を始末する……そんなとこだろ?」
「じゃあ、私が嘘をついているかどうか……あなたの特技で見極たらどう……? 汗じゃなくて、唾液でも分かるかしら?」
そう言うと、キアラはブチャラティに近づき口付ける。
「んっ……っ……」
角度を変えさらに深く──
(こっ、こいつ──ッ)
次第にブチャラティの身体から力が抜けていく。
それを感じた女はサッと身を離す。
薄れゆく意識の中、ブチャラティの頭に直接ある言葉が流れ込んできた──
(ボスが私の行動に気付き、遅かれ早かれ消されることになる前に、なんとしてでも記憶を取り戻す──その為に来るべき時が来たら、私は再びあなたの前に現れる──その時は私を仲間に──)
その言葉を聞きながら、ブチャラティの意識はゆっくり遠退いていった。