第6章 Perfect Days
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ブチャラティの跡を追いかけたトリッシュが、部屋の前で立ち止まる。
躊躇しているのか……部屋のドアをノックしようとしては止めると言う行動を何回か繰り返した。そしてようやく3回目で部屋のドアをノックすると、コンコンッ……と渇いた音が鳴り響く。
「ブチャラティ、今ちょっといいかしら……?」
「トリッシュか? あぁ、構わないが──」
トリッシュは深呼吸を一回してから、ドアを開け部屋に足を踏み入れた。
「どうした、トリッシュ?」
「あなたにこれを渡したくて──」
トリッシュが手にしているのは、赤いリボンのかかった箱。中身はもちろんチョコレートだ。
「チョコレートか? 今日はバレンティーノらしいからな……わざわざ気を遣わせてすまないな」
「違うの…….」
トリッシュが小さく呟く。
「このチョコは義理じゃあない……」
「え……ッ?」
「私、あなたに伝えたい事があるの……」
トリッシュがスッとブチャラティを見据える。その瞳は覚悟を秘めており、ただ真っ直ぐブチャラティに注がれている。
「どうした、そんなにかしこまって──」
「私……あなたの事が……好き──ッ」
「──ッ!?」
「ブチャラティは、私の事……どう思ってる?」
トリッシュの問いかけに、ブチャラティは一瞬目線を外す。
トリッシュのブチャラティに対する想いは、チーム全員が気付いていたと言っても過言じゃない。無論、そんな事に疎いブチャラティ本人を除いては……彼にとっては予想外の出来事だろう。
ブチャラティは少し間をあけて答える。
「トリッシュ……お前の事は好きだ」
「──ッ!」
「……だが、この好きは恋愛の好きとは違うな……強いて言うなら、家族に対する様な……もし妹がいたならこんな風に思うだろう……それに近い感情だ」
「それは私が年下だから……?ブチャラティからしたら私はまだ子供だから、相手にすらしないって事ッ──!?」
トリッシュが強い口調で畳み掛ける。
「そうじゃあない……もしお前が俺と同い年だったとしても、俺はお前の気持ちには応える事は出来ないだろう……」
ブチャラティが静かに答える。
トリッシュはかたぎの人間だ……今は保護の対象として一緒に過ごしてはいるが、自分のようなギャングの世界には深入りさせないように一線を引いているのかもしれない。
「そう……はっきり言うのね。正直、傷付ついたわ」
「すまない……」
ブチャラティはそう言って目線を下に落とす。
そんなブチャラティにトリッシュが静かに問いかける。
「ねぇブチャラティ──」
「何だ……?」
「ブチャラティには、今好きな人がいるのね?」
「……そう……かもしれないな」
「分かったわ、邪魔したわね」
そう言って、トリッシュは部屋を後にする。
ブチャラティは出て行くトリッシュにかける言葉が見つからなかった。
そして、ふとさっきの自分の答えに疑問を感じていた。
“何で、あんな事を言ってしまったのか”と、少しだけ後悔の念が胸を渦巻いた。
躊躇しているのか……部屋のドアをノックしようとしては止めると言う行動を何回か繰り返した。そしてようやく3回目で部屋のドアをノックすると、コンコンッ……と渇いた音が鳴り響く。
「ブチャラティ、今ちょっといいかしら……?」
「トリッシュか? あぁ、構わないが──」
トリッシュは深呼吸を一回してから、ドアを開け部屋に足を踏み入れた。
「どうした、トリッシュ?」
「あなたにこれを渡したくて──」
トリッシュが手にしているのは、赤いリボンのかかった箱。中身はもちろんチョコレートだ。
「チョコレートか? 今日はバレンティーノらしいからな……わざわざ気を遣わせてすまないな」
「違うの…….」
トリッシュが小さく呟く。
「このチョコは義理じゃあない……」
「え……ッ?」
「私、あなたに伝えたい事があるの……」
トリッシュがスッとブチャラティを見据える。その瞳は覚悟を秘めており、ただ真っ直ぐブチャラティに注がれている。
「どうした、そんなにかしこまって──」
「私……あなたの事が……好き──ッ」
「──ッ!?」
「ブチャラティは、私の事……どう思ってる?」
トリッシュの問いかけに、ブチャラティは一瞬目線を外す。
トリッシュのブチャラティに対する想いは、チーム全員が気付いていたと言っても過言じゃない。無論、そんな事に疎いブチャラティ本人を除いては……彼にとっては予想外の出来事だろう。
ブチャラティは少し間をあけて答える。
「トリッシュ……お前の事は好きだ」
「──ッ!」
「……だが、この好きは恋愛の好きとは違うな……強いて言うなら、家族に対する様な……もし妹がいたならこんな風に思うだろう……それに近い感情だ」
「それは私が年下だから……?ブチャラティからしたら私はまだ子供だから、相手にすらしないって事ッ──!?」
トリッシュが強い口調で畳み掛ける。
「そうじゃあない……もしお前が俺と同い年だったとしても、俺はお前の気持ちには応える事は出来ないだろう……」
ブチャラティが静かに答える。
トリッシュはかたぎの人間だ……今は保護の対象として一緒に過ごしてはいるが、自分のようなギャングの世界には深入りさせないように一線を引いているのかもしれない。
「そう……はっきり言うのね。正直、傷付ついたわ」
「すまない……」
ブチャラティはそう言って目線を下に落とす。
そんなブチャラティにトリッシュが静かに問いかける。
「ねぇブチャラティ──」
「何だ……?」
「ブチャラティには、今好きな人がいるのね?」
「……そう……かもしれないな」
「分かったわ、邪魔したわね」
そう言って、トリッシュは部屋を後にする。
ブチャラティは出て行くトリッシュにかける言葉が見つからなかった。
そして、ふとさっきの自分の答えに疑問を感じていた。
“何で、あんな事を言ってしまったのか”と、少しだけ後悔の念が胸を渦巻いた。