第6章 Perfect Days
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2月14日──
イタリアでは『サン・バレンティーノの日』と呼ばれ、男女の区別なくお互いの想いを伝え合う特別な日──
朝から任務で出かけていたブチャラティが、昼過ぎにアジトに戻って来た。
「今戻った……」
「ブチャラティ、その荷物は一体何なんだよォ!?」
両手いっぱいに紙袋を抱えているブチャラティを見て、ミスタが仰天する。
ブチャラティは抱えていた紙袋をテーブル上にドサッと置いた。
その拍子に袋から小さな小箱がこぼれ落ちる
中からはほのかに甘い香りが──チョコレートだ。
「これか? 街を歩いていたら、次々と渡されてな…今日は何の日だ? 俺の誕生日じゃあねーしなぁ……」
「おいおい、今日が何の日か知らねぇのかよォ、ブチャラティ?」
「何か特別な日なのか?」
「サン・バレンティーノだよ、サン・バレンティーノ!」
ナランチャが強調するように2回繰り返す。
ブチャラティはギャングにも関わらず、地元ネアポリスの人々からの人望は厚く、子供からお年寄りまで皆が彼を慕っている。
無論、そんな彼を女性が放って置くわけがない。
彼に想いを寄せる女性が多いと言うことは、貰ったチョコレートの数を見れば一目瞭然だ。だがブチャラティは、興味がなさそうに椅子に腰掛ける。
「あぁ、そうだったか」
「にしても、その量はありえねーなぁ、全部食ったら胃もたれするぜ……」
「やっぱりブチャラティはモテるんですね」
大量のチョコレートを横目にジョルノがこちらにやって来た。
「僕は今朝、キアラから1個貰いました」
「俺もキアラから貰ったぜ!」
「俺も貰ったなァ、確かアバッキオとフーゴにもあげてたぜ?」
ジョルノを皮切りに、皆が口々に“キアラから貰った”と話し始める。
それを聞いていたブチャラティの表情が次第に怪訝そうなものに変わる。彼がこんな風に感情を面に出すのは珍しい。
「ブチャラティはキアラから貰ってないんですか?」
「貰ってないな……と言うか、今朝から会ってすらない」
「そうでしたか」
「つーか、ブチャラティよォ、このチョコどーすんだ?」
山積みのチョコを指差しながら、ミスタが問いかける。
ブチャラティはちらっとチョコに目を向けたかと思うと、素っ気なく答える。
「あぁ、適当にさばいてくれ」
そして自室に行ってしまった。
そんなブチャラティを見届けたミスタが、不意にある人物に視線を向ける。
「トリッシュよォ……ブチャラティ、戻って来たぜ? お前……どーすんだ?」
「……そんなの決まってるでしょ?」
そう言い残し、トリッシュはブチャラティの跡を追いかけた。
イタリアでは『サン・バレンティーノの日』と呼ばれ、男女の区別なくお互いの想いを伝え合う特別な日──
朝から任務で出かけていたブチャラティが、昼過ぎにアジトに戻って来た。
「今戻った……」
「ブチャラティ、その荷物は一体何なんだよォ!?」
両手いっぱいに紙袋を抱えているブチャラティを見て、ミスタが仰天する。
ブチャラティは抱えていた紙袋をテーブル上にドサッと置いた。
その拍子に袋から小さな小箱がこぼれ落ちる
中からはほのかに甘い香りが──チョコレートだ。
「これか? 街を歩いていたら、次々と渡されてな…今日は何の日だ? 俺の誕生日じゃあねーしなぁ……」
「おいおい、今日が何の日か知らねぇのかよォ、ブチャラティ?」
「何か特別な日なのか?」
「サン・バレンティーノだよ、サン・バレンティーノ!」
ナランチャが強調するように2回繰り返す。
ブチャラティはギャングにも関わらず、地元ネアポリスの人々からの人望は厚く、子供からお年寄りまで皆が彼を慕っている。
無論、そんな彼を女性が放って置くわけがない。
彼に想いを寄せる女性が多いと言うことは、貰ったチョコレートの数を見れば一目瞭然だ。だがブチャラティは、興味がなさそうに椅子に腰掛ける。
「あぁ、そうだったか」
「にしても、その量はありえねーなぁ、全部食ったら胃もたれするぜ……」
「やっぱりブチャラティはモテるんですね」
大量のチョコレートを横目にジョルノがこちらにやって来た。
「僕は今朝、キアラから1個貰いました」
「俺もキアラから貰ったぜ!」
「俺も貰ったなァ、確かアバッキオとフーゴにもあげてたぜ?」
ジョルノを皮切りに、皆が口々に“キアラから貰った”と話し始める。
それを聞いていたブチャラティの表情が次第に怪訝そうなものに変わる。彼がこんな風に感情を面に出すのは珍しい。
「ブチャラティはキアラから貰ってないんですか?」
「貰ってないな……と言うか、今朝から会ってすらない」
「そうでしたか」
「つーか、ブチャラティよォ、このチョコどーすんだ?」
山積みのチョコを指差しながら、ミスタが問いかける。
ブチャラティはちらっとチョコに目を向けたかと思うと、素っ気なく答える。
「あぁ、適当にさばいてくれ」
そして自室に行ってしまった。
そんなブチャラティを見届けたミスタが、不意にある人物に視線を向ける。
「トリッシュよォ……ブチャラティ、戻って来たぜ? お前……どーすんだ?」
「……そんなの決まってるでしょ?」
そう言い残し、トリッシュはブチャラティの跡を追いかけた。