時は、部屋の飾りをしていた頃にさかのぼる──
　あの日、ツリーの飾りを買いに行っていたキアラとブチャラティが戻って来た後の話──

「ただいま〜」
「お帰り！」
「遅かったじゃあねーか」
「ごめんごめん！　いろいろ買ってたら遅くなっちゃって……じゃあ、ツリーの飾り付けしますか！」

　早速、皆でツリーの飾り付けに取り掛かった
しばらくして──

「あっ、そう言えば──」

　ある事を思い出し、キアラがミスタの元に向かう。

「ねぇ、ミスタ〜ちょっといい？」
「な、何だよ？」

　キアラに呼ばれたミスタの顔が引きつる──キアラの笑みの裏に嫌なオーラを感じとったからだ。
そして皆から少し離れた所で、キアラがミスタを攻め立てる。

「ちょっとあんた、ブチャラティに何くだらない事教えてんのよッ！？」
「いきなりなんだよッ！？　つーかくだらない事って何だよ？　何か言われたのか……？」
「えっ、えっと……」

　急にしどろもどろするキアラに、今度は逆にミスタが詰め寄る。

「なんだよ、早く教えろよォ？　ん？」
「……クリスマスプレゼントには、お前が欲しい…って……」

　キアラが小声で呟く。
　そう言いながら、顔がほのかに赤くなっているようにも見える。

「ま、マジかよッ！？　あのブチャラティが言ったのかよォ！？」
「ちょっと！　大声出さないでよッ！」
「いやぁ、ちょっと意外だったからよぉ」
「まぁ、冗談ぽくだけど……」
「でも、言ってきたわけだな……キアラになァ……ふ〜ん」

　ミスタが妙に納得した感じで答える。

「な、何よ……？」
「いやァよォ、案外ブチャラティはキアラに気があるんじゃあねぇかと思ってよォ」
「……はぁ？　そんなわけないでしょ？」
「そーかァ？　まぁ、その方が俺にとっちゃあ都合がいいけどよォ……」
「それ、どーゆー意味？」
「まぁ、こっちの話……」

　そして夜になり、パーティーが始まった。