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分かっていると思うが、ぼくは時間を無駄にすることが嫌いだ。誰だってそうだろう? 時間は皆に平等に与えられている。どんな金持ちだろうが、金で時間は買えない──“時は金なり”とは、よく言ったものだ。
自分の時間を増やすことはできない……だがしかし、その貴重な時間を、相手の為に費やすことは可能だ。そして今まさに、ぼくはそれをしようとしている。
そう、この岸辺露伴が──
***
やって来たのは、とある店。
さてどれにしようか──と、ショーケースの中に目を見張る。そう、プレゼントを選んでいるのだ。渡すのは、今月誕生日を迎える彼女。
先に言っておくが、“彼女”と言っても、別に付き合ってるわけじゃあないし、これからそうなるとも、今はまだ分からない──曖昧な関係の相手だ。
そんな相手に、自らの貴重な時間を費やしてしまうのは──
そうこうしている内に、スマートフォンの呼び出し音が鳴る。チラリと画面に目を向けると、そこに見えたのは彼女の名前。確認すると、待ち合わせ場所の“ドゥ・マゴ”に着いたとのメッセージだった。
ぼくは目をつけていた商品を手に、レジへと向かう。実は、端から彼女の好みはリサーチ済み。ぼくの見立てに狂いがなければ、このプレゼントを手にした彼女は、少しはにかんだ笑みを向けてくれるはずだ。ぼくはそれが見たいのだ。
そんなことをつい考えてしまうから、柄にもなく自然と頬が緩んでしまうのを思わず咬み殺す。
この岸辺露伴をこんなふうにさせてしまうなんて……いや、ぼくがこんなふうに思ってしまう理由は、一つしかない。
***
そして店を後にしたぼくは、カフェへと足早に向かう──
金には変えがたい、ぼくにとって、とびきりの報酬を得るために。
自分の時間を増やすことはできない……だがしかし、その貴重な時間を、相手の為に費やすことは可能だ。そして今まさに、ぼくはそれをしようとしている。
そう、この岸辺露伴が──
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やって来たのは、とある店。
さてどれにしようか──と、ショーケースの中に目を見張る。そう、プレゼントを選んでいるのだ。渡すのは、今月誕生日を迎える彼女。
先に言っておくが、“彼女”と言っても、別に付き合ってるわけじゃあないし、これからそうなるとも、今はまだ分からない──曖昧な関係の相手だ。
そんな相手に、自らの貴重な時間を費やしてしまうのは──
そうこうしている内に、スマートフォンの呼び出し音が鳴る。チラリと画面に目を向けると、そこに見えたのは彼女の名前。確認すると、待ち合わせ場所の“ドゥ・マゴ”に着いたとのメッセージだった。
ぼくは目をつけていた商品を手に、レジへと向かう。実は、端から彼女の好みはリサーチ済み。ぼくの見立てに狂いがなければ、このプレゼントを手にした彼女は、少しはにかんだ笑みを向けてくれるはずだ。ぼくはそれが見たいのだ。
そんなことをつい考えてしまうから、柄にもなく自然と頬が緩んでしまうのを思わず咬み殺す。
この岸辺露伴をこんなふうにさせてしまうなんて……いや、ぼくがこんなふうに思ってしまう理由は、一つしかない。
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そして店を後にしたぼくは、カフェへと足早に向かう──
金には変えがたい、ぼくにとって、とびきりの報酬を得るために。
the END
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