Jam and Milk
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学校からの帰り道──
仗助、億泰くん、康一くん、由花子ちゃんの4人と一緒に帰るのがいつしか私の定番となっている。今日はみんなでいつものカフェに新作スイーツを食べに行く──
その道中、いつもの下らない会話がいつしか恋話へと発展していった。私達にしたら珍しい話題だった。
最初のきっかけは康一くんと由花子ちゃんの馴れ初め。そして、それぞれが好きなタイプを話し始める──
そうこうしている内にカフェに到着していた。
私達は空いているテラス席へと座る。お目当のチョコレートパフェを注文し終えたところで、私は興味本位から思わぬ事を聞いてしまった。
「ねぇ、露伴先生ってさ、好きな人いるのかな?」
言った途端、皆が一斉に私の方に注目する。何かとんでもない地雷を踏んでしまったような……そんな気にさせられる。
「え……な、何……?」
「いや、別にィ? えっと〜、露伴先生の好きな人ねぇ……んなの知らねーわ」
「な〜んだ、仗助も知らないんだ」
「噂とかもあまり聞かないわよね?」
「つーかよォ、何で急に露伴先生が出てくんの?」
ぶっきら棒に尋ねてきた仗助は、すぐさま視線を下に落とし、スマホをいじり始めた。
「えっ、別に? なんとなく気になっただけ……」
「ちょっと〜、そこは察しなさいよね? 全く……」
「あ? どーゆー意味だよ?」
「康一くんなら、分かるわよね?」
「え、そ、そうだなァ……」
「なぁなぁ、そんな事いわずによォ〜、俺にも分かるように説明してくれよォ〜」
億泰くんが由花子ちゃんに向けて上目使いで頼み込む。それに対し、彼女は若干ため息混じりに答える。
「だから〜、彼女は露伴先生の事が──」
「えっ!? ち、ちょっと由花子ちゃん!? 今、何言おうとしてるの!? 違うから! 別にそんなんじゃあないから!」
席を立ち、慌てて由花子ちゃんを止めようとした時だ。
「この岸辺露伴がなんだって……?」
聞き覚えのある声に思わず振り返る。それはもちろん家中の人物──
「ろ、露伴先生!?」
「ん、何驚いてるんだ? まるでお化けでも見たような反応だな……それよりぼくがどうかしたのかと聞いているんだ」
「あ〜丁度よかった。先生さ〜、今彼女とかいるんすか?」
「……は? いきなり何だ? 藪から棒に……大体なんでお前にそんなプライベートな事を話さなきゃあならないんだ?」
「俺じゃあないっすよ! こいつが知りたいって──」
仗助が親指で私を指差す。それに合わせてこちらに目を向けた先生は、訝しげな表情を浮かべている。マズい……何とかしてこの変な空気を変えなくては──焦った私は頭をフル回転させながら、何とか言葉を絞り出す。
「え、あ、いや〜……そ、そうそう! 露伴先生みたいな高慢ちきな人でも、誰かに恋するのかな〜って、ちょっと興味があっただけです! でもまぁ、好きになられた方はたまったもんじゃあないですよね〜」
やってしまった……またいつものように軽口を叩いてしまう。そんな私の可愛くない言い方に、案の定、先生の表情が見る見る尖っていくのが分かった。
「そんなに知りたいのなら教えてやる。ぼくに恋人はいないよ。でもそれは、あえて作っていないだけだ。恋とか愛とか……つくづく下らないな。そんなものに時間を割くくらいなら、もっとリアリティを追求する為に時間を費やしたいものだね」
「あ〜そうですか……」
「そーゆー君はどうなんだ? 好きな奴とかいるのか?」
思わぬことを問いかけられ、一瞬心臓が止まるかと思う程にドキリと高鳴る。何でそんな質問を……? もしかして、私に興味があるとか……!? いやいやまさかでしょう──
そんなありえない妄想を膨らませてしまったからか──私は言葉を詰まらせながら答える。
「わ、私、ですか!? そうですね……私も今、好きな人なんていませんね……」
「そうか……じゃあ僕はこれで失礼するよ」
そう言って先生は足早に去って行った。
去り行く背中を見つめながら、思わずついてしまった嘘を思い起こす。
好きな人はいないだなんて、飛んだ大嘘──私は露伴先生の事が好きだ。でも、あの時はなんて答えるのが正解だったのか……それは分からない。でも、同時に思った事。それは──
先生……今は彼女いないのか……恋人なんていらないって言ってたけど……まあ、それはどうにでもなる。要は恋人にしたいって思わせればいいだけの事。よし、それならば──
一方で、さらりと立ち去った露伴だったが、実はその道中で思う事。それは──
あいつ……今は彼氏いないのか……ふ〜ん、中々いい情報が得られたな。好きな奴がいないって事は、要はこれから惚れさせればいいだけの話── ヘブンズドアーを使えば、容易な事だが、それじゃあ意味がない。それにあいつは普通の女の様にはいかないだろうな……少々厄介だ。でも、この岸辺露伴自らの手で彼女の心を──
***
そう、2人は見ての通り両思いではあるものの、似ているが故にすれ違ってしまっているのが玉にきず……
そんな彼らがこれから結び付く日は、果たして訪れるのだろうか──
仗助、億泰くん、康一くん、由花子ちゃんの4人と一緒に帰るのがいつしか私の定番となっている。今日はみんなでいつものカフェに新作スイーツを食べに行く──
その道中、いつもの下らない会話がいつしか恋話へと発展していった。私達にしたら珍しい話題だった。
最初のきっかけは康一くんと由花子ちゃんの馴れ初め。そして、それぞれが好きなタイプを話し始める──
そうこうしている内にカフェに到着していた。
私達は空いているテラス席へと座る。お目当のチョコレートパフェを注文し終えたところで、私は興味本位から思わぬ事を聞いてしまった。
「ねぇ、露伴先生ってさ、好きな人いるのかな?」
言った途端、皆が一斉に私の方に注目する。何かとんでもない地雷を踏んでしまったような……そんな気にさせられる。
「え……な、何……?」
「いや、別にィ? えっと〜、露伴先生の好きな人ねぇ……んなの知らねーわ」
「な〜んだ、仗助も知らないんだ」
「噂とかもあまり聞かないわよね?」
「つーかよォ、何で急に露伴先生が出てくんの?」
ぶっきら棒に尋ねてきた仗助は、すぐさま視線を下に落とし、スマホをいじり始めた。
「えっ、別に? なんとなく気になっただけ……」
「ちょっと〜、そこは察しなさいよね? 全く……」
「あ? どーゆー意味だよ?」
「康一くんなら、分かるわよね?」
「え、そ、そうだなァ……」
「なぁなぁ、そんな事いわずによォ〜、俺にも分かるように説明してくれよォ〜」
億泰くんが由花子ちゃんに向けて上目使いで頼み込む。それに対し、彼女は若干ため息混じりに答える。
「だから〜、彼女は露伴先生の事が──」
「えっ!? ち、ちょっと由花子ちゃん!? 今、何言おうとしてるの!? 違うから! 別にそんなんじゃあないから!」
席を立ち、慌てて由花子ちゃんを止めようとした時だ。
「この岸辺露伴がなんだって……?」
聞き覚えのある声に思わず振り返る。それはもちろん家中の人物──
「ろ、露伴先生!?」
「ん、何驚いてるんだ? まるでお化けでも見たような反応だな……それよりぼくがどうかしたのかと聞いているんだ」
「あ〜丁度よかった。先生さ〜、今彼女とかいるんすか?」
「……は? いきなり何だ? 藪から棒に……大体なんでお前にそんなプライベートな事を話さなきゃあならないんだ?」
「俺じゃあないっすよ! こいつが知りたいって──」
仗助が親指で私を指差す。それに合わせてこちらに目を向けた先生は、訝しげな表情を浮かべている。マズい……何とかしてこの変な空気を変えなくては──焦った私は頭をフル回転させながら、何とか言葉を絞り出す。
「え、あ、いや〜……そ、そうそう! 露伴先生みたいな高慢ちきな人でも、誰かに恋するのかな〜って、ちょっと興味があっただけです! でもまぁ、好きになられた方はたまったもんじゃあないですよね〜」
やってしまった……またいつものように軽口を叩いてしまう。そんな私の可愛くない言い方に、案の定、先生の表情が見る見る尖っていくのが分かった。
「そんなに知りたいのなら教えてやる。ぼくに恋人はいないよ。でもそれは、あえて作っていないだけだ。恋とか愛とか……つくづく下らないな。そんなものに時間を割くくらいなら、もっとリアリティを追求する為に時間を費やしたいものだね」
「あ〜そうですか……」
「そーゆー君はどうなんだ? 好きな奴とかいるのか?」
思わぬことを問いかけられ、一瞬心臓が止まるかと思う程にドキリと高鳴る。何でそんな質問を……? もしかして、私に興味があるとか……!? いやいやまさかでしょう──
そんなありえない妄想を膨らませてしまったからか──私は言葉を詰まらせながら答える。
「わ、私、ですか!? そうですね……私も今、好きな人なんていませんね……」
「そうか……じゃあ僕はこれで失礼するよ」
そう言って先生は足早に去って行った。
去り行く背中を見つめながら、思わずついてしまった嘘を思い起こす。
好きな人はいないだなんて、飛んだ大嘘──私は露伴先生の事が好きだ。でも、あの時はなんて答えるのが正解だったのか……それは分からない。でも、同時に思った事。それは──
先生……今は彼女いないのか……恋人なんていらないって言ってたけど……まあ、それはどうにでもなる。要は恋人にしたいって思わせればいいだけの事。よし、それならば──
一方で、さらりと立ち去った露伴だったが、実はその道中で思う事。それは──
あいつ……今は彼氏いないのか……ふ〜ん、中々いい情報が得られたな。好きな奴がいないって事は、要はこれから惚れさせればいいだけの話── ヘブンズドアーを使えば、容易な事だが、それじゃあ意味がない。それにあいつは普通の女の様にはいかないだろうな……少々厄介だ。でも、この岸辺露伴自らの手で彼女の心を──
***
そう、2人は見ての通り両思いではあるものの、似ているが故にすれ違ってしまっているのが玉にきず……
そんな彼らがこれから結び付く日は、果たして訪れるのだろうか──
the END
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