#リプもらった番号のワードを使って文を書く②/リクエスト夢
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それは 泡沫 の夢のような出来事──
すれ違いざまに、微かに漂う残り香に、まさかと思い振り返える。けれど、ここは街の雑踏の中……アイツの姿をさがそうにも、そう簡単には見つけられない。
「どうかしたんですかィ? 兄貴ィ?」
急に足を止めた俺に、ペッシが問いかける。
「いや……なんでもねーよ……」
まさかこの俺が、たった一杯、酒を飲んだだけの女に、心まで奪われちまうなんざ──まさしく青天の 霹靂 。
***
その女との出会いは、偶然足を運んだバール──まるでなにかに導かれるようにカウンター席に着くと、同じ並びの女に目が止まる。
普段声をかけられる側の俺が、自ら歩み寄り声をかけた。
「隣……いいか?」
すると女は、チラリと俺に目を向けてニコリと頷く。その後、他愛のない会話を交わしながら腰に手を回し、耳元で“今夜どうだ?”と誘えば、必ず二つ返事が返ってくる……はずなのに──女はなにも答えなかった。
手持ちの酒を飲み終えると、女は“楽しかったわ”と、告げて、その場を立ち去ろうとする。俺は、待てと言わんばかりに思わず腕を掴み、引き止めてしまった。
「もう一杯だけ付き合えよ……」
「もう、よした方がいいわ……貴方が私に溺れる前に──」
そういった女が、俺に口付けてきたところまで記憶はあるのだが……気づいたときには、女の姿は消えていた。それは一瞬の出来事だった。
つまり俺は、あっさりとフラれたのだ。
***
「あっ、そういえば……兄貴、香水変えました?」
「あ? なんでそんなこと──」
「この前、兄貴からすごくいい匂いがしたから──あれはなんてブランドの香水ですかィ?」
ペッシの問いかけに、ピンとくるものがあった。それは多分、あの女がつけていたもの。
俺は、深く紫煙を吹かした後に答える。
「ペッシ……その香りは俺のじゃあねーよ」
「えっ、そうなんですかィ? じゃあ、いったい誰の──?」
「そうだなァ、強いていうなら……俺のアンジェラのものだ」
「えっ……アンジェラ、ですと!? 兄貴の口からアンジェラって……いったい誰のこと言ってるんですかィ!?」
「ハンッ、冗談だ……行くぞ」
目を丸くするペッシをなおざりに、俺はふと、空を見上げる。
この晴天の星空の下……その女を再び目にするのは、そう遠くはないと妙な確信が生まれたのは、もう少し後の話だ。
すれ違いざまに、微かに漂う残り香に、まさかと思い振り返える。けれど、ここは街の雑踏の中……アイツの姿をさがそうにも、そう簡単には見つけられない。
「どうかしたんですかィ? 兄貴ィ?」
急に足を止めた俺に、ペッシが問いかける。
「いや……なんでもねーよ……」
まさかこの俺が、たった一杯、酒を飲んだだけの女に、心まで奪われちまうなんざ──まさしく青天の
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その女との出会いは、偶然足を運んだバール──まるでなにかに導かれるようにカウンター席に着くと、同じ並びの女に目が止まる。
普段声をかけられる側の俺が、自ら歩み寄り声をかけた。
「隣……いいか?」
すると女は、チラリと俺に目を向けてニコリと頷く。その後、他愛のない会話を交わしながら腰に手を回し、耳元で“今夜どうだ?”と誘えば、必ず二つ返事が返ってくる……はずなのに──女はなにも答えなかった。
手持ちの酒を飲み終えると、女は“楽しかったわ”と、告げて、その場を立ち去ろうとする。俺は、待てと言わんばかりに思わず腕を掴み、引き止めてしまった。
「もう一杯だけ付き合えよ……」
「もう、よした方がいいわ……貴方が私に溺れる前に──」
そういった女が、俺に口付けてきたところまで記憶はあるのだが……気づいたときには、女の姿は消えていた。それは一瞬の出来事だった。
つまり俺は、あっさりとフラれたのだ。
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「あっ、そういえば……兄貴、香水変えました?」
「あ? なんでそんなこと──」
「この前、兄貴からすごくいい匂いがしたから──あれはなんてブランドの香水ですかィ?」
ペッシの問いかけに、ピンとくるものがあった。それは多分、あの女がつけていたもの。
俺は、深く紫煙を吹かした後に答える。
「ペッシ……その香りは俺のじゃあねーよ」
「えっ、そうなんですかィ? じゃあ、いったい誰の──?」
「そうだなァ、強いていうなら……俺のアンジェラのものだ」
「えっ……アンジェラ、ですと!? 兄貴の口からアンジェラって……いったい誰のこと言ってるんですかィ!?」
「ハンッ、冗談だ……行くぞ」
目を丸くするペッシをなおざりに、俺はふと、空を見上げる。
この晴天の星空の下……その女を再び目にするのは、そう遠くはないと妙な確信が生まれたのは、もう少し後の話だ。
the END