#jo夢版ワンドロワンライ
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とある男が、たった今息絶えた。胸を無数の刃物で貫かれて──
殺した男は返り血一つ浴びていない。
男の名はリゾット・ネエロ──暗殺者チームのリーダーだ。
その様子を高みの見物でいた女が話しかける。
「ねぇ、リゾット……この山いくら?」
「──確か2000万リラ……だったか」
「それってさ、高いの? それとも安いの?」
「そうだなァ……ギアッチョから言わせると安いみたいだな」
「それは報酬の話でしょう? 私が聞いているのは、命の値段──」
「さぁな……俺には関係のない話だ。行くぞ」
その場を後にしながら、女は再び問いかける。
「じゃあ、あなたの命は? 今私が、あなたを始末したなら……いくらになるのかしら?」
「──俺の命になぞ、価値はない」
そう言い放つリゾットに、女が言うことは──
「有名な絵画も、知らない人にとってはただの落書きに過ぎない……高価な宝石だって、子供にとったらただの綺麗な石ころ……
価値なんて人それぞれ……だとしたら──ねぇ、その命……私に預けてみない?」
「あ? 何を言い出すんだ、急に……?」
「私に預けるって事は、勝手に死んだりする事は許さない……あなたの価値は私が決める……だから、生きて──」
「全く……お前と言う女は、面白い奴だな」
そう言ったリゾットの頰が微かに緩む。
***
何の為の命なのか……その意味を命と引き換えに報酬を得る俺に、易々とわかりはしないだろう。だが、最期に空を見上げた時に、お前を想い、生きる価値があったと思えるのだろうか……
殺した男は返り血一つ浴びていない。
男の名はリゾット・ネエロ──暗殺者チームのリーダーだ。
その様子を高みの見物でいた女が話しかける。
「ねぇ、リゾット……この山いくら?」
「──確か2000万リラ……だったか」
「それってさ、高いの? それとも安いの?」
「そうだなァ……ギアッチョから言わせると安いみたいだな」
「それは報酬の話でしょう? 私が聞いているのは、命の値段──」
「さぁな……俺には関係のない話だ。行くぞ」
その場を後にしながら、女は再び問いかける。
「じゃあ、あなたの命は? 今私が、あなたを始末したなら……いくらになるのかしら?」
「──俺の命になぞ、価値はない」
そう言い放つリゾットに、女が言うことは──
「有名な絵画も、知らない人にとってはただの落書きに過ぎない……高価な宝石だって、子供にとったらただの綺麗な石ころ……
価値なんて人それぞれ……だとしたら──ねぇ、その命……私に預けてみない?」
「あ? 何を言い出すんだ、急に……?」
「私に預けるって事は、勝手に死んだりする事は許さない……あなたの価値は私が決める……だから、生きて──」
「全く……お前と言う女は、面白い奴だな」
そう言ったリゾットの頰が微かに緩む。
***
何の為の命なのか……その意味を命と引き換えに報酬を得る俺に、易々とわかりはしないだろう。だが、最期に空を見上げた時に、お前を想い、生きる価値があったと思えるのだろうか……
the END