ジョジョプラス
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初めからわかっていた。君の心が俺 にないことは──
けれども、どうしようもなく自分の気持ちに歯止めが効かなくなっていた。オレの中で、なにかがプツリと音を立てて切れた。
『ねぇ、このまま朝まで飲み明かしちゃうよ?』なんて、君が言うもんだから──まぁ、それを間に受けたオレも悪い。でも、一番悪いのは、軽率に嘘をついた君だ──そのことを自覚してもらわないと……ね。
***
しばらくして、彼女がゆっくりと目を覚ます──あたりを見回した途端、徐々に顔色が青ざめていく。実際、そうなってもおかしくはない状況なのだ。
そこは見慣れぬ部屋──手足は拘束されており、椅子に縛り付けられている。昨夜、バールで楽しく飲んでいたところまでは覚えているのだが、その先がどうにも思い出せない。彼が家で待っているから、ある程度の時間になったら、とっとと帰ろうと思っていたのに……どうしてこんなところにいるのだろう──そう思っているのがひしひしと伝わってくる。
一つだけ救いなのは、目の前にいる人物が、全く知らない人じゃあないってところだけ──でも、どうにも様子がおかしいように思えた。
彼女が目を泳がせながら、話を切り出す。
「こ、これ、なに……? 冗談にしてはちょっとやり過ぎでしょう? 早く解いてよ……」
オレは沈黙を守ったまま、彼女の前に立ち、凍りついた視線で見下す。
まるで子犬のように、うっすら涙を浮かべる彼女が、あまりにも愛おしく映るから、思わず口角の端を吊り上げた。
「冗談……? まさか……オレはいつだって本気だよ?」
「えっ、ちょっ……お願いだから縄を解いて!」
「君さァ、いつもこんなもんばっかり見てないで──ちゃんとオレを見てよ?」
目の前でつまみ上げたのは、彼女のスマホ。いつもこの画面が憎かった。彼女と二人で幸せな時を過ごしていても、彼女がいつも気にしているのはこれ。
画面が映し出すのは、彼女にとっては愛しい人──だが、オレにとっちゃあ心底邪魔な存在だった。後でコイツ……どうしてやろうか……?
そう思って、スマホの画面を思い切り叩き割る。無惨に砕け散った画面のまま、近くのグラスの中に沈めた。
「えっ、ちょっ……何するの!?」
「なにって……こんな物──もういらないでしょう?」
オレは、拳から滴り落ちる流血をぺろりと舌で絡めとる。そんなオレを目の当たりにして、彼女からどんどん生気がなくなっていくのが見てとれた。
そんな彼女の目に、今オレは、どんなふうに映っているのだろうか……?
「ねぇ、なんでそんなに怯えているの? ねぇ、いつもみたいに笑ってよ? そして、聞かせてよ? “愛してる”って……そしてまた、噛み付くようにキスしてよ? ねぇ!?」
普段見せていなかったもう一人の自分──それを目の当たりにした彼女が、小刻みに震えている。オレはそれを見て、全身がゾクゾクし始めた。
まだまだ時間はたっぷりある──それまでに彼女の口から嘘でも“好きだ”と聞くまでは、返すつもりは毛頭ない──オレは舌舐めずりをして、そのときを待つ。
ここから先はオレにとって、彼女を独占できる至福の時間の始まりだ。
けれども、どうしようもなく自分の気持ちに歯止めが効かなくなっていた。オレの中で、なにかがプツリと音を立てて切れた。
『ねぇ、このまま朝まで飲み明かしちゃうよ?』なんて、君が言うもんだから──まぁ、それを間に受けたオレも悪い。でも、一番悪いのは、軽率に嘘をついた君だ──そのことを自覚してもらわないと……ね。
***
しばらくして、彼女がゆっくりと目を覚ます──あたりを見回した途端、徐々に顔色が青ざめていく。実際、そうなってもおかしくはない状況なのだ。
そこは見慣れぬ部屋──手足は拘束されており、椅子に縛り付けられている。昨夜、バールで楽しく飲んでいたところまでは覚えているのだが、その先がどうにも思い出せない。彼が家で待っているから、ある程度の時間になったら、とっとと帰ろうと思っていたのに……どうしてこんなところにいるのだろう──そう思っているのがひしひしと伝わってくる。
一つだけ救いなのは、目の前にいる人物が、全く知らない人じゃあないってところだけ──でも、どうにも様子がおかしいように思えた。
彼女が目を泳がせながら、話を切り出す。
「こ、これ、なに……? 冗談にしてはちょっとやり過ぎでしょう? 早く解いてよ……」
オレは沈黙を守ったまま、彼女の前に立ち、凍りついた視線で見下す。
まるで子犬のように、うっすら涙を浮かべる彼女が、あまりにも愛おしく映るから、思わず口角の端を吊り上げた。
「冗談……? まさか……オレはいつだって本気だよ?」
「えっ、ちょっ……お願いだから縄を解いて!」
「君さァ、いつもこんなもんばっかり見てないで──ちゃんとオレを見てよ?」
目の前でつまみ上げたのは、彼女のスマホ。いつもこの画面が憎かった。彼女と二人で幸せな時を過ごしていても、彼女がいつも気にしているのはこれ。
画面が映し出すのは、彼女にとっては愛しい人──だが、オレにとっちゃあ心底邪魔な存在だった。後でコイツ……どうしてやろうか……?
そう思って、スマホの画面を思い切り叩き割る。無惨に砕け散った画面のまま、近くのグラスの中に沈めた。
「えっ、ちょっ……何するの!?」
「なにって……こんな物──もういらないでしょう?」
オレは、拳から滴り落ちる流血をぺろりと舌で絡めとる。そんなオレを目の当たりにして、彼女からどんどん生気がなくなっていくのが見てとれた。
そんな彼女の目に、今オレは、どんなふうに映っているのだろうか……?
「ねぇ、なんでそんなに怯えているの? ねぇ、いつもみたいに笑ってよ? そして、聞かせてよ? “愛してる”って……そしてまた、噛み付くようにキスしてよ? ねぇ!?」
普段見せていなかったもう一人の自分──それを目の当たりにした彼女が、小刻みに震えている。オレはそれを見て、全身がゾクゾクし始めた。
まだまだ時間はたっぷりある──それまでに彼女の口から嘘でも“好きだ”と聞くまでは、返すつもりは毛頭ない──オレは舌舐めずりをして、そのときを待つ。
ここから先はオレにとって、彼女を独占できる至福の時間の始まりだ。
the END