#リプもらった番号のワードを使って文を書く/リクエスト夢
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ある路地に差しかかる。
不意に見上げると、妖艶を身に 纏 ったような女性が、手まねきをしている。
もちろんそれは、私に対してではない。むろん、隣の男に向けてだ。
男は、一瞬女に目を向けると、私に向き直り『先に行け』と、そう告げる。
私は“そういうことか”と、物分かりが良さそうなフリをして、何も聞かず
『じゃあまた』と吐き捨てて、一人アジトへと歩みを進める。
しばらくして振り返ると、男の姿はもうなかった。
***
わかっている──彼にとって私は、ただの仲間。それ以上でもなければ、それ以下でもない。
……いや、本当はそんな物分かりのいいほうではない。
なんで自分じゃあないのかと、そんな憎悪を宿していることを隠していた。
それは日に日に強くなり、隠しきれなくなってしまった──私はついに言ってしまったのだ。
***
それは、空が今にも泣き出しそうな曇天のある日──
「……行かないで」
背を向けた彼のジャケットを掴みながら、強い口調で呼びかける。
そんな私の言葉に、動きを止めた彼が振り返る。
「どうした?」
「今日は行かないで欲しいの……今夜だけでいい……私のそばにいて?」
真っ直ぐ彼を見据えたそのとき、ポツリポツリと雨粒が落ちてきた。そしていっきに土砂降りへと変わる。
彼は私に自分のジャケットを脱いで被せると、『お前は早く戻れ』と吐き捨てた。そして、小さく『すまない』と呟くと、やっぱりあの女の元へと行ってしまった。
雨に濡れたシャツの後ろ姿を見送る私は、ただ崩れ落ちるしかなかった。
そしてこの雨が、私の醜い嫉妬と共に、彼への想いまでも洗い流してくれることを、今はただ刹那に願うしかなかった──
不意に見上げると、妖艶を身に
もちろんそれは、私に対してではない。むろん、隣の男に向けてだ。
男は、一瞬女に目を向けると、私に向き直り『先に行け』と、そう告げる。
私は“そういうことか”と、物分かりが良さそうなフリをして、何も聞かず
『じゃあまた』と吐き捨てて、一人アジトへと歩みを進める。
しばらくして振り返ると、男の姿はもうなかった。
***
わかっている──彼にとって私は、ただの仲間。それ以上でもなければ、それ以下でもない。
……いや、本当はそんな物分かりのいいほうではない。
なんで自分じゃあないのかと、そんな憎悪を宿していることを隠していた。
それは日に日に強くなり、隠しきれなくなってしまった──私はついに言ってしまったのだ。
***
それは、空が今にも泣き出しそうな曇天のある日──
「……行かないで」
背を向けた彼のジャケットを掴みながら、強い口調で呼びかける。
そんな私の言葉に、動きを止めた彼が振り返る。
「どうした?」
「今日は行かないで欲しいの……今夜だけでいい……私のそばにいて?」
真っ直ぐ彼を見据えたそのとき、ポツリポツリと雨粒が落ちてきた。そしていっきに土砂降りへと変わる。
彼は私に自分のジャケットを脱いで被せると、『お前は早く戻れ』と吐き捨てた。そして、小さく『すまない』と呟くと、やっぱりあの女の元へと行ってしまった。
雨に濡れたシャツの後ろ姿を見送る私は、ただ崩れ落ちるしかなかった。
そしてこの雨が、私の醜い嫉妬と共に、彼への想いまでも洗い流してくれることを、今はただ刹那に願うしかなかった──
the END