「あ、雨……」
私が手のひらでその雫を受け止めると、隣でリゾットが傘を開いた。
天気予報は正しかったようで、早ければ、今日からずっと雨の予報だった。
皮肉にも明日からの休日は、リゾットとデートの予定だったから、思わずため息付いてしまう。
「この天気じゃあ、どこにも行けないな〜……」
「雨なら、家でゆっくりしていればいい……お前とこうして二人きり……二人でやれることなら他にもあるだろう……?」
そういわれて、はたと気付く。
彼の腕が自分の腰に回されていることに──
「え、ちょっ、リゾット……?」
「休日はまだこれからだ……ゆっくり楽しむとしよう」
そんなことを言われたから、そう悪くも思えなくなってしまった──そんな雨日和。
the END