#jo夢版ワンドロワンライ
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「俺とキス……してみねーか?」
その言葉を聞いた私は、口に含んだワインでむせそうになる。
今日はちょっといいワインが手に入ったから、早速味をみてみようとアジトで栓を開けた所だった。たまたまそこにプロシュートが居合わせたから、一緒に飲もうと誘ったのだ。その矢先の出来事──
言われた私は眉間にシワを寄せ、怪訝そうな声色で問いかける。
「ハァ!? あんた急に何言い出すの!? もしかして、もう酔ってるとか……?」
「ハンッ、オメーなァ……たった一杯のワインなんかで俺が酔うかよ?」
「まぁ……それはそうだけどさ──」
私はとりあえず、ワインを一口喉に流し込んで、再び問いかける。
「あんたモテるんでしょう? だったら、引くて数多──相手は私なんかじゃあなくてもよくない? 大体“キスしていいか?”だなんてさ、そんな事、普段聞かないでしょう? 思い立ったら即行動のあんたがさァ、冗談にも程があるわよ」
そう言って鼻で笑う私を横目に、プロシュートは面白くなさそうに、手持ち無沙汰に回していたワインを口に運ぶ。
大方予想していた反応とは違う気がした私は、チラリと彼の方を垣間見た。
「……どうしたの? なんか言ったらどう?」
「そうだなァ……全く初めてだ、こんな風にわざわざ聞いちまうなんてな……」
「え、何それ……? 甘い言葉を囁いて、流れに持ち込みキスするなんてお手の物でしょう? なのに──」
そう言いかけた時、急に胸元に引き寄せられる。思いがけず押し当てられた耳元から、彼の心音が聞こえた。それはドキドキと脈打つ音が早いように聞こえる。
私は思わず彼を見上げた。
少し顔が赤らんで見えたのは、さっきのワインのせいだろうか……?
「聞こえるだろ?」
「えっ……」
「柄にもねーよ……いつもさらりとしてきたことが、思うようにできねーなんてなァ……この一言を言うだけでも、ましてや今、オメーがここにこうしているってだけで、心臓もうるせーくらいに高鳴りやがる──全くありえねーよ、今までにない事だ」
そう言って、再びゆっくり私を見据える。それは、いつも仲間として向けられている表情とは異なる──1人の女を見ている顔。
「もう一度言う……俺とキス、してみねーか……?」
私は少し間を空けて答えた。
「私には、あなたとキスする理由がないわ」
「理由……か……欲しけりゃくれてやるぜ、お前の事が好きだ……だから、俺と付き合え──」
「なにそれ? 随分と上から目線だこと。あんた、自分から告白したことなんてないでしょう?」
「うるせーよ……」
「ふ〜ん、未知の体験ってことか……じゃあ私が教えてあげる──」
そう言って、軽く触れるだけのキスをしてみせる。そして、スッと後ろに身を引きながら、距離をとる。
「キスはしたけど、付き合いはしない──だって私はあんたの事、好きじゃあないから。でもこの先、私の気持ちを変える事ができれば──なーんて事、あんたにできるかしら……?」
ニヤリと笑みを浮かべる私に、彼は“上等だ”と意気込みを露わにしてみせた。
この時交わしたキスは、この先、私自身も体験したことのない恋が始まる──そんな未知の味がした。
その言葉を聞いた私は、口に含んだワインでむせそうになる。
今日はちょっといいワインが手に入ったから、早速味をみてみようとアジトで栓を開けた所だった。たまたまそこにプロシュートが居合わせたから、一緒に飲もうと誘ったのだ。その矢先の出来事──
言われた私は眉間にシワを寄せ、怪訝そうな声色で問いかける。
「ハァ!? あんた急に何言い出すの!? もしかして、もう酔ってるとか……?」
「ハンッ、オメーなァ……たった一杯のワインなんかで俺が酔うかよ?」
「まぁ……それはそうだけどさ──」
私はとりあえず、ワインを一口喉に流し込んで、再び問いかける。
「あんたモテるんでしょう? だったら、引くて数多──相手は私なんかじゃあなくてもよくない? 大体“キスしていいか?”だなんてさ、そんな事、普段聞かないでしょう? 思い立ったら即行動のあんたがさァ、冗談にも程があるわよ」
そう言って鼻で笑う私を横目に、プロシュートは面白くなさそうに、手持ち無沙汰に回していたワインを口に運ぶ。
大方予想していた反応とは違う気がした私は、チラリと彼の方を垣間見た。
「……どうしたの? なんか言ったらどう?」
「そうだなァ……全く初めてだ、こんな風にわざわざ聞いちまうなんてな……」
「え、何それ……? 甘い言葉を囁いて、流れに持ち込みキスするなんてお手の物でしょう? なのに──」
そう言いかけた時、急に胸元に引き寄せられる。思いがけず押し当てられた耳元から、彼の心音が聞こえた。それはドキドキと脈打つ音が早いように聞こえる。
私は思わず彼を見上げた。
少し顔が赤らんで見えたのは、さっきのワインのせいだろうか……?
「聞こえるだろ?」
「えっ……」
「柄にもねーよ……いつもさらりとしてきたことが、思うようにできねーなんてなァ……この一言を言うだけでも、ましてや今、オメーがここにこうしているってだけで、心臓もうるせーくらいに高鳴りやがる──全くありえねーよ、今までにない事だ」
そう言って、再びゆっくり私を見据える。それは、いつも仲間として向けられている表情とは異なる──1人の女を見ている顔。
「もう一度言う……俺とキス、してみねーか……?」
私は少し間を空けて答えた。
「私には、あなたとキスする理由がないわ」
「理由……か……欲しけりゃくれてやるぜ、お前の事が好きだ……だから、俺と付き合え──」
「なにそれ? 随分と上から目線だこと。あんた、自分から告白したことなんてないでしょう?」
「うるせーよ……」
「ふ〜ん、未知の体験ってことか……じゃあ私が教えてあげる──」
そう言って、軽く触れるだけのキスをしてみせる。そして、スッと後ろに身を引きながら、距離をとる。
「キスはしたけど、付き合いはしない──だって私はあんたの事、好きじゃあないから。でもこの先、私の気持ちを変える事ができれば──なーんて事、あんたにできるかしら……?」
ニヤリと笑みを浮かべる私に、彼は“上等だ”と意気込みを露わにしてみせた。
この時交わしたキスは、この先、私自身も体験したことのない恋が始まる──そんな未知の味がした。
the END