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新生パッショーネとなって、迎えた春分のある日──
“イタリアにも桜が見られる場所がある”という噂を耳した私は、日本ではこの時期定番である催し物の企画を申し出た。それはもちろん花見だ。
「よくもまぁ、リゾットが許可したもんだなァ……やっぱりアイツはオメーには甘いな」
「まぁね〜! それに、たまにはいいんじゃないかって言ってくれてさ」
私の隣にいるのはプロシュート。前方には他のメンバーも全員そろっている。
「でも、当の本人は遅れるんじゃあなァ」
「仕方ないじゃん。幹部会だからね」
「まぁ、アイツがボスになってから、パッショーネもガラリと変わっちまったな。前なら花見とか絶対にあり得ねーよ」
「いい方向に変わったらな、それはそれで良かったじゃん!」
「俺達の根本……ギャングには変わりねーがなァ」
そうこうしている間に、目的地に到着する。
場所はローマ──湖沿いに桜並木が続いている“日本の散歩道”と呼ばれる場所だ。
「場所はここら辺でいいですかィ?」
「そうだなァ、ここが一番綺麗に桜が見えるしな」
一番大きな桜の下に、ペッシが青いレジャーシートを広げたその時だ。
「場所取りご苦労さん! 待たせちまったか?」
声をかけられ振り返る。そこにいたのは、私にとっては馴染み深い人物。しかし、傍のプロシュートとペッシは見た途端に眉間にシワを寄せている。
「場所取りだと? ここは俺らが今から花見をする場所だぜ? 大体なんでオメーがここにいるんだ!?」
「そうだぜ! とっとと向こうに行きやがれ!」
「おいおい、そうはいかねーよ。俺らはキアラに誘われてきたんだぜ?」
見ると後方からゾクゾクとやってくる人影が。
「おい、キアラ……これは一体どういう事だ?」
「そうそう、私が呼んだの! みんなで一緒にお花見しようと思って!」
「リゾットはこの事、知ってんのか!?」
「もちろん! リゾットは後からブチャラティとジョルノと一緒にこっちに来ることになってるよ」
にこりと笑みを浮かべてプロシュートに同意を求めると、渋々ながらもプロシュートはそれ以上文句を口にはしなかった。
「そういう事だから、お前らはあっちな?」
「なんでだよ? 後からきたオメーらが向こうに行け」
「仕方ねーなァ〜じゃあ、キアラも向こうに行こーぜ!」
そう言って、ミスタが私の手を取る。それに気付いたプロシュートが、さらに私の手を掴む。
「おい、何してんだ? その手を離せ!」
「え? 俺らはキアラに誘われたんだぜ? 一緒に花見すんのは当たり前だろ? 場所はお前らに譲るからよォ」
「キアラは俺らチームの仲間だ。仲間同士が一緒にいるのは当然だろ?」
「なんだ、それ? 納得いかねーなァ」
「オメーの納得なんて知らねーよ!」
プロシュートとミスタの言い争いが徐々にヒートアップしていく。その時だ。
「なあなあ、それじゃあここはよォ、チキチキ!叩いて被ってじゃんけんぽん大会で決めよーぜ!」
言い出したのはナランチャだ。既にヘルメットとピコピコハンマーを片手に、やる気満々といった雰囲気で目を輝かせている。
「こっちは俺とフーゴでやってやるぜ! そっちは誰が相手だ?」
「じゃあ、こっちは俺とギアッチョで行こうぜ!」
「なぁメローネよォ〜、それは構わねーんだがよォ……叩いて被ってってどーゆー意味だァ!? 叩いた後に被っても意味ねーじゃあねーかよ!? しかもじゃんけんしてから決めるなよォ、“じゃんけんぽんで勝ったら叩こう!負けたら被ろう!”って言いやがれ、クソが! 舐めたネーミングつけやがってよォ〜」
「いや、ギアッチョ……それじゃあちょっと長くないか……?」
いつものキレっぷりを発揮するギアッチョの傍で、今日は若干引き気味のメローネ。
「そうだよな……確かに言われてみればそうだよな? 俺、頭悪りィからよく分かんねーよ……なぁ、フーゴ……どう思う?」
「さっさと始めろよ、このド低脳どもがァ〜!」
呆れたフーコがキレ出し、ようやく対戦が始まった。
一方で、その様子を遠くから見守るのはこの2人──
「うちのギアッチョと互角とはなァ……なかなかいい勝負してんじゃあねーか!」
「当たり前だぜ! うちのナランチャだってよォ、負けてねぜ! アイツはやる時やる男だからよォ」
「あ? うちのギアッチョに勝てると思ってんのか? 超低温下にして何でも止められんだからなァ……」
「なんだと、うちのナランチャだってよォ〜」
「いや、うちのギアッチョはなァ〜」
そう言って互いに睨み合う2人を横目に、ペッシが間に割って入る。
「あ、兄貴ィ〜! うちの子自慢なんて恥ずかしいからやめてくだせィ! それじゃあなんだか仲良しクラブみたいですゼィ? ってか、兄貴ら何で飲んでるんですかィ!?」
「あ? 花見っつったら飲みだろ?」
「そうだぜ! もうある意味勝負は始まってんだからなァ……だからオメーはマンモーニだって言ってんだ!」
「いや、マンモーニ関係ないですぜィ……」
「よし、次はテキーラなんでどうよ?」
「上等じゃあねーか……!」
こうしてプロシュートとミスタは、飲み比べを始めてしまったようで──だんだんと収拾がつかなくなりそうな雰囲気が漂い始める。
ペッシが助けを求めようと周りを見渡すも、ホルマジオはこの状況をすっかり楽しんでいるし、イルーゾォは当然鏡から出てきやしない……
ふと傍を見ると、同じようにため息をつくアバッキオの姿があった。
「ブチャラティはまだ来ねーのかよ……」
「早くリーダー来てくれないかな……」
そして、こんなはちゃめちゃな状況を一番楽しんでいるキアラの姿が目に入る。
それを見ながら、“まぁこんな日があってもいいのかもしれない”と、ふと思う。
その時、ようやく幹部会を終えたブチャラティ、ジョルノ、リゾットの3人が現れる。
「おい、お前ら! 何騒いでやがる!? 他の花見に来てる方に迷惑になってるじゃあねーか!」
状況を見兼ねたブチャラティが怒号をあげるも、聞こえていないのか……全く状況は変わらない。
「仕方ないですね……それじゃあ、ここは僕がレクイエムで──」
「いや、ボス……ここは俺が──」
そう言ったリゾットが皆に向けて言い放つ。
「少しは大人しくしろ! メタリカ!!」
その瞬間──皆が一斉にカミソリを口から吐き出しながら静かになった。
無傷だったキアラが、こちらに駆け寄る。
「お疲れ様!」
「楽しそうですね」
「うん、さっきカミソリを吐くまではね……な〜んてね! じゃあ、3人も一緒に花見始めよう!」
その時、心地良い風が吹き上がる──
その風に誘われるかの様に、桜の花びらが晴天に咲き誇る──それを見上げた私の口から、思わず言葉がこぼれた。
「キレイ……」
「いいや、満開に咲き誇る桜なんざより、やっぱりオメーが一番キレイだ」
いつの間にか傍には、プロシュートの姿が──
「──えっ、いきなりどうしたの……? あ〜、プロシュートってば、相当酔ってるでしょう?」
「そうだなァ……だが、俺は思ったことを口したまでだ」
「またまたぁ〜」
「こんな風によォ、酒の力でも借りねーと、本気で惚れてる女は口説けねーもんだぜ?」
「また、そんな冗談──」
「──さぁ、どうだかな……?」
その時──
「おい、プロシュートよォ〜、何抜けがけしてイチャついていやがんだ、クソがァ! こっちはこっちで色々と──」
ギアッチョの怒号が飛んでくる中、プロシュートがおもむろにキアラに口付ける。それはまさに、ここにいる全員に見せつけるかの如く──
当然キアラは目を丸くする。
「──!?」
「悪りィなァ……こいつは俺のもんだ」
口角の端を吊り上げ、ニヒルな笑みを浮かべたかと思った次の瞬間に、湖に突き落とされるプロシュートの姿が──
「いきなり何すんの!? 調子に乗ってんじゃあないわよ! 私はプロシュートのものじゃない! 勘違いしないでよね? 全く……」
「ありゃりゃ〜、ったく、しょーがねぇーなァ……そういやよォ、プロシュートの奴って泳げたか?」
「兄貴ィ〜〜!! 今助けますから〜!」
そう言ったペッシに釣り上げられるプロシュート……
その様子を目の当たりにして、リゾットとブチャラティは、キアラにはうかつに手出しは禁物だなと思ったとかいないとか──
今日はそんな良き花見日和。
“イタリアにも桜が見られる場所がある”という噂を耳した私は、日本ではこの時期定番である催し物の企画を申し出た。それはもちろん花見だ。
「よくもまぁ、リゾットが許可したもんだなァ……やっぱりアイツはオメーには甘いな」
「まぁね〜! それに、たまにはいいんじゃないかって言ってくれてさ」
私の隣にいるのはプロシュート。前方には他のメンバーも全員そろっている。
「でも、当の本人は遅れるんじゃあなァ」
「仕方ないじゃん。幹部会だからね」
「まぁ、アイツがボスになってから、パッショーネもガラリと変わっちまったな。前なら花見とか絶対にあり得ねーよ」
「いい方向に変わったらな、それはそれで良かったじゃん!」
「俺達の根本……ギャングには変わりねーがなァ」
そうこうしている間に、目的地に到着する。
場所はローマ──湖沿いに桜並木が続いている“日本の散歩道”と呼ばれる場所だ。
「場所はここら辺でいいですかィ?」
「そうだなァ、ここが一番綺麗に桜が見えるしな」
一番大きな桜の下に、ペッシが青いレジャーシートを広げたその時だ。
「場所取りご苦労さん! 待たせちまったか?」
声をかけられ振り返る。そこにいたのは、私にとっては馴染み深い人物。しかし、傍のプロシュートとペッシは見た途端に眉間にシワを寄せている。
「場所取りだと? ここは俺らが今から花見をする場所だぜ? 大体なんでオメーがここにいるんだ!?」
「そうだぜ! とっとと向こうに行きやがれ!」
「おいおい、そうはいかねーよ。俺らはキアラに誘われてきたんだぜ?」
見ると後方からゾクゾクとやってくる人影が。
「おい、キアラ……これは一体どういう事だ?」
「そうそう、私が呼んだの! みんなで一緒にお花見しようと思って!」
「リゾットはこの事、知ってんのか!?」
「もちろん! リゾットは後からブチャラティとジョルノと一緒にこっちに来ることになってるよ」
にこりと笑みを浮かべてプロシュートに同意を求めると、渋々ながらもプロシュートはそれ以上文句を口にはしなかった。
「そういう事だから、お前らはあっちな?」
「なんでだよ? 後からきたオメーらが向こうに行け」
「仕方ねーなァ〜じゃあ、キアラも向こうに行こーぜ!」
そう言って、ミスタが私の手を取る。それに気付いたプロシュートが、さらに私の手を掴む。
「おい、何してんだ? その手を離せ!」
「え? 俺らはキアラに誘われたんだぜ? 一緒に花見すんのは当たり前だろ? 場所はお前らに譲るからよォ」
「キアラは俺らチームの仲間だ。仲間同士が一緒にいるのは当然だろ?」
「なんだ、それ? 納得いかねーなァ」
「オメーの納得なんて知らねーよ!」
プロシュートとミスタの言い争いが徐々にヒートアップしていく。その時だ。
「なあなあ、それじゃあここはよォ、チキチキ!叩いて被ってじゃんけんぽん大会で決めよーぜ!」
言い出したのはナランチャだ。既にヘルメットとピコピコハンマーを片手に、やる気満々といった雰囲気で目を輝かせている。
「こっちは俺とフーゴでやってやるぜ! そっちは誰が相手だ?」
「じゃあ、こっちは俺とギアッチョで行こうぜ!」
「なぁメローネよォ〜、それは構わねーんだがよォ……叩いて被ってってどーゆー意味だァ!? 叩いた後に被っても意味ねーじゃあねーかよ!? しかもじゃんけんしてから決めるなよォ、“じゃんけんぽんで勝ったら叩こう!負けたら被ろう!”って言いやがれ、クソが! 舐めたネーミングつけやがってよォ〜」
「いや、ギアッチョ……それじゃあちょっと長くないか……?」
いつものキレっぷりを発揮するギアッチョの傍で、今日は若干引き気味のメローネ。
「そうだよな……確かに言われてみればそうだよな? 俺、頭悪りィからよく分かんねーよ……なぁ、フーゴ……どう思う?」
「さっさと始めろよ、このド低脳どもがァ〜!」
呆れたフーコがキレ出し、ようやく対戦が始まった。
一方で、その様子を遠くから見守るのはこの2人──
「うちのギアッチョと互角とはなァ……なかなかいい勝負してんじゃあねーか!」
「当たり前だぜ! うちのナランチャだってよォ、負けてねぜ! アイツはやる時やる男だからよォ」
「あ? うちのギアッチョに勝てると思ってんのか? 超低温下にして何でも止められんだからなァ……」
「なんだと、うちのナランチャだってよォ〜」
「いや、うちのギアッチョはなァ〜」
そう言って互いに睨み合う2人を横目に、ペッシが間に割って入る。
「あ、兄貴ィ〜! うちの子自慢なんて恥ずかしいからやめてくだせィ! それじゃあなんだか仲良しクラブみたいですゼィ? ってか、兄貴ら何で飲んでるんですかィ!?」
「あ? 花見っつったら飲みだろ?」
「そうだぜ! もうある意味勝負は始まってんだからなァ……だからオメーはマンモーニだって言ってんだ!」
「いや、マンモーニ関係ないですぜィ……」
「よし、次はテキーラなんでどうよ?」
「上等じゃあねーか……!」
こうしてプロシュートとミスタは、飲み比べを始めてしまったようで──だんだんと収拾がつかなくなりそうな雰囲気が漂い始める。
ペッシが助けを求めようと周りを見渡すも、ホルマジオはこの状況をすっかり楽しんでいるし、イルーゾォは当然鏡から出てきやしない……
ふと傍を見ると、同じようにため息をつくアバッキオの姿があった。
「ブチャラティはまだ来ねーのかよ……」
「早くリーダー来てくれないかな……」
そして、こんなはちゃめちゃな状況を一番楽しんでいるキアラの姿が目に入る。
それを見ながら、“まぁこんな日があってもいいのかもしれない”と、ふと思う。
その時、ようやく幹部会を終えたブチャラティ、ジョルノ、リゾットの3人が現れる。
「おい、お前ら! 何騒いでやがる!? 他の花見に来てる方に迷惑になってるじゃあねーか!」
状況を見兼ねたブチャラティが怒号をあげるも、聞こえていないのか……全く状況は変わらない。
「仕方ないですね……それじゃあ、ここは僕がレクイエムで──」
「いや、ボス……ここは俺が──」
そう言ったリゾットが皆に向けて言い放つ。
「少しは大人しくしろ! メタリカ!!」
その瞬間──皆が一斉にカミソリを口から吐き出しながら静かになった。
無傷だったキアラが、こちらに駆け寄る。
「お疲れ様!」
「楽しそうですね」
「うん、さっきカミソリを吐くまではね……な〜んてね! じゃあ、3人も一緒に花見始めよう!」
その時、心地良い風が吹き上がる──
その風に誘われるかの様に、桜の花びらが晴天に咲き誇る──それを見上げた私の口から、思わず言葉がこぼれた。
「キレイ……」
「いいや、満開に咲き誇る桜なんざより、やっぱりオメーが一番キレイだ」
いつの間にか傍には、プロシュートの姿が──
「──えっ、いきなりどうしたの……? あ〜、プロシュートってば、相当酔ってるでしょう?」
「そうだなァ……だが、俺は思ったことを口したまでだ」
「またまたぁ〜」
「こんな風によォ、酒の力でも借りねーと、本気で惚れてる女は口説けねーもんだぜ?」
「また、そんな冗談──」
「──さぁ、どうだかな……?」
その時──
「おい、プロシュートよォ〜、何抜けがけしてイチャついていやがんだ、クソがァ! こっちはこっちで色々と──」
ギアッチョの怒号が飛んでくる中、プロシュートがおもむろにキアラに口付ける。それはまさに、ここにいる全員に見せつけるかの如く──
当然キアラは目を丸くする。
「──!?」
「悪りィなァ……こいつは俺のもんだ」
口角の端を吊り上げ、ニヒルな笑みを浮かべたかと思った次の瞬間に、湖に突き落とされるプロシュートの姿が──
「いきなり何すんの!? 調子に乗ってんじゃあないわよ! 私はプロシュートのものじゃない! 勘違いしないでよね? 全く……」
「ありゃりゃ〜、ったく、しょーがねぇーなァ……そういやよォ、プロシュートの奴って泳げたか?」
「兄貴ィ〜〜!! 今助けますから〜!」
そう言ったペッシに釣り上げられるプロシュート……
その様子を目の当たりにして、リゾットとブチャラティは、キアラにはうかつに手出しは禁物だなと思ったとかいないとか──
今日はそんな良き花見日和。
the END