俺はアイツの事が好きだ。
だから手を繋ぎたい──
きつくギュッと抱きしめたい──
頬に触れて優しくキスをしたい──ついそんな事を思っちまう。
だが、実際アイツの前だとこうだ。
「手なんて繋がねーよ! 歩き辛いだろォがよォ?」
「おいおい、後ろから乗っかってくんなよ! 重てーだろ?」
「今すぐキスしろだァ!? オメーはよォ、もう少しムードとか考えろよな……」
こんな態度のどれもこれもが全て愛情の裏返し──
本当はお前が近くに来るだけで、ドキドキが止まらねぇんだよ、クソッ……
あぁ……もっと素直になれたらな──と柄何もなく仰ぎ見るにびいろの空。
the END